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23番(今橋版) 月みればちぢにものこそ     大江千里

2018年11月15日/今橋愛記

月みればちぢにものこそ悲しけれわが身一つの秋にはあらねど 大江千里おおえのちさと 〔所載歌集『古今集』秋上(193)〕

歌意 
月を見ると、あれこれと際限なく物事が悲しく思われるなあ。私一人だけの秋ではないけれども。

『原色小倉百人一首』(文英堂)より 

夏の空気に慣れきっていた身体に、いちばん最初にふれてくる あの風、が 皮ふにあたったら。
わたしは こころがちかちか そわそわする。ああ、秋がやってきた。
秋。あれこれものをおもって空を、月を、見上げた こころ。

わたしのこころを歌ったのですか。と 以前 思わせてくれた歌は
あんた 視野狭窄(しやきょうさく)なってんで。と 今日 無言で おしえてくれました。


わたしのためにやってきた秋とちゃうけど
せ  つ  な  い  だ  ら  け  で  す
今日の月は。     今橋 愛


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