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読書日記『平安京の下級官人』(倉本一宏、講談社現代新書)

古記録に残る、平安時代の下級官人や庶民の姿にスポットライトをあてた一冊。
歴史書だとどうしても身分が高い人の記述が多くなってしまうので、なかなか新鮮な視点だな、と思いつつ読み進めました。例えて言うなら当時の新聞の社会面を読んでる気分。

印象に残ったのは、やはり疫病や災害のこと。
当時の人たちなりに対処していた様子がうかがえました……うん、でも、やっぱり科学や医療が発達した現代で良かったと思ってしまったよ。
今は台風が近づいてくることがあらかじめ分かるけど、当時はもちろん無理。いきなり暴風や豪雨が来たらさぞ恐怖だったろうな……。

たびたび起こった火災についても述べられてますが、

「当時は撲滅といって、文字どおり燃えている部分を濡れた布などでたたいて消すのが、主要な消火方法であった」

へえ、撲滅って、元はそういう意味なのか~!

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