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読書日記『足利将軍たちの戦国乱世』(山田康弘、中公新書)を読んで足利好きが増えるといいな

『足利将軍たちの戦国乱世 応仁の乱後、七代の奮闘』(山田康弘、中公新書)を読み終わりました。

戦国時代を描いたドラマは多いけど、足利将軍がメインのものはあまりない気がします。
そんな、一般的にはあまり人気のなさそうな足利将軍について書いた本。
現代世界となぞらえるなど、歴史書を読んだことのない方でも大丈夫な読みやすさ。
そこで描かれるのは、波乱万丈な七人の足利将軍たち。貴種とはいえ、決して楽な人生ではなかった将軍たちの生涯。
室町幕府の仕組みなど彼らの生きた時代背景も記述されているので、戦国時代を理解するためにも良き一冊です。
ところどころ、当時の史料を引用して解説しているのもいいですね。
「雲の紋は嫌じゃ。そのほかの紋は何(なん)じゃれ」←『蔭凉軒日録』からの引用ですが、当時の足利義稙の発言がそのまま記録されているそうです。わ~、「嫌じゃ」って言ってたのかあ。

ところで、あとがきで各将軍たちをキャッチコピー的にまとめてるんですが、
変人・細川政元との関係に苦悶しつづけた「孤高の悲将」義澄
が、印象に残ってしょうがない。
そう言えばNHKで放送されてたドラマ「塚原卜伝」で、ちらっと映った甲冑姿の義澄公。後ろ姿が哀愁漂ってたな……。

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