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配属先で中間報告

(トップ画は日本の体育の授業ではどのような導入を行なっているのかの例を動画にし、任地の人たちに見てもらった時のもの)

隊員は自身の活動の計画を立て、それについて中間報告と最終報告を行うことになっている。

JICA事務所での中間報告は7月に実施済。
その時は活動した期間がとても短かったので内容的にはとても薄かった。



配属先で中間報告をすることになった経緯

事務所での中間報告の前、6月にJICA事務所から私の担当のスタッフさん(日本人とカンボジア人)が任地に来てくれ、配属先に私の活動について話をする機会を設けてもらった。
その時は、どんなことをやっているのか、巡回先の学校の現状などを話した。
例えば、全クラスで準備体操〜W-upまでやる習慣をつけようと思っている、とか、先生も生徒も授業に来るのが遅いから授業時間がとても短いですよ、とか。
普段の私の活動は配属先の人たちに見てもらうことはないので、紹介できる良い機会だと思って。

配属先は日本でいう都道府県教育委員会の体育・スポーツ専門部門。
6月に話を聞いてくれたのは、教育委員会のNo.2と体育・スポーツ専門部門のNo.2(⇦彼は私のカウンターパート=一番身近で活動する人のこと)

私は近隣の学校でそこの体育の先生たちと一緒に活動しているが、なかなかうまくいかないのが実情。まぁそれは仕方ない。最初からうまくいくわけなんてない。でも、うまくいっていないからこそそれを伝えて、体育の授業の実態を教育委員会の人たちにもわかってほしい。体育教育に興味を持ってほしいというのが本音。

話終わると、教育委員会No.2の人から、
「教えてくれてありがとう。今後も体育の授業について知りたいからまたこのように話をしてほしい。」
と言ってもらった。
ありがたい言葉をもらったと思った。
いや、現地の人が学校に授業を見に来てくれよ…とも思った。笑

私のカウンターパートは私の話をあまり聞いてくれていない様子だったが、教育委員会No .2の人に話せたのは少し成果があったと感じた。
だから、次も機会を作って話をさせてもらおうと思った。


配属先での中間報告当日

今月上旬、JICA事務所からスタッフさんが来てくれることになり、また配属先で話す機会を設けることができた。

中間報告といっても中間はだいぶ前に過ぎており、残りの活動期間は少しだけ。でも年度が切り替わる良いタイミングでもあったので、昨年度の活動と来年度どうしようと思っているのかをプレゼンすることにした。

巡回先3校の良いところ・改善が必要だと思うところ・私の考える改善策など。
JICA事務所スタッフさんに事前にプレゼンとクメール語のカンペを送り、内容を確認してもらった。
プレゼンの内容は正直に。先生たちの怠惰なところや体罰についても書いた。実情を知ってほしいと思ったから。


そして当日。

クメール語にビクビクしながらも予定の時間に予定の場所へ。
到着するも誰もいない。
カウンターパートに連絡すると、そこじゃない。俺の家に来て。と連絡がある。(彼の家が配属先事務所も兼ねているので。これは色々謎だけど。笑)


JICAスタッフさんたちが到着し、さぁプレゼンを始めよう。
あれ?教育委員会No.2さんがいない。
私は彼に話を聞いてほしいのに。なんで?!
カウンターパートに聞くと、忙しいから、と。

JICA事務所のカンボジア人スタッフさんにも確認した。
アポとってくれたよね?彼は来ないの?と聞くと、
忙しいらしい、仕方ない、と。

えーーーーーーーーー!
それじゃなんのためにプレゼンするか分からない!!!!
この時点で私のやる気90%マイナス。

まぁそれでもやるしかない。
なんとかクメール語も聞き取ってもらい、プレゼン終了。
カウンターパートは以前のプレゼン(6月)の時より聞いてくれたと思う。
メモまで取ってたし。
でも、全部書こうとして間に合わなくて途中で断念してた。笑


こちらの言いたいことはプレゼンに全て込めたので、言いたいことはわかった、と言ってくれた。特に質問もないと。
でも彼が唯一意見を出してきたのは、
「俺たちも忙しいし、やろうとしている(=学校の先生たちにしっかり授業するように働きかけている)、のをわかってほしい」
ということだった。
ため息が出そうだった。笑

そして、衝撃的事実を知った。
”先月、体育の先生たちにワークショップを行った”らしい。
そんなこと知らなかった。参加したかった。
ワークショップを開催したいと以前配属先に伝えた時は、それは難しいからできないと言われていたけど。
なんとも悲しい気持ちだった。そのワークショップに私を呼ぼうという考えが配属先にないことに。被害妄想かもしれないが、疎外感。
これはしっかりため息が出た。笑


中間報告のその後

配属先には中間報告をしたが、巡回先の先生たちにはテレグラム(LINEのようなもの)でそれぞれの学校について思うことや今後の活動について考えたことを送った。

それぞれの先生からのコメントはとても少ないが、新年度の授業が始まってからどうなるのか楽しみにしていた。
(昨年度と新年度で大きく変えたところは、私が生徒の前に立って授業をしないということ)

ある学校の先生は、昨年度は20分遅刻は当たり前。30分遅れてくることもあった。その間に私がW-upまで完了させていた。
その先生には、時間通りに来て、あなたが生徒にW-upさせてよ、という内容も伝えていた。すると、今年度はほぼ時間通りに来るようになった。
なんて進歩なんだ!と思った。
やればできるじゃないか!!!
なんで今までやらなかったんだ?私に甘えていたな?!まぁ今まではなんでもいいか、今やるようになったんだから!

他の学校の先生も少しずつではあるけれど、積極的に指導してるように思う。
伝えてよかった。


『私は来年3月に日本に帰る。』
いつまでも私がいると思わず、自分でできるところは自分でやってほしい。
それが少しでも先生たちに伝わっていたらいいな、と思う。


「先生は3月に日本に帰るんだよ」
と全クラスで生徒に説明してくれる先生たち。
本当のことだし、それまでしっかりやりなさいよってことなんだと思うけど、その度に少し寂しい気持ちになります。笑


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