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初夏の狭間に飛び込む

朝7時50分、リムジンバス車中にて

北千住駅からバスに乗る

…この歩いた方が速そうな朝の国道4号の渋滞で本当に時間に羽田空港に着けるのか、そんな疑念すら湧きつつあった。大人しく鉄道で向かったほうが早く着いたのではないかと。
結論、そんな疑念はそれから10分も経たずして京浜急行バスは首都高速上野線に滑り込むとともにたちまち払拭されてしまったのだが。そんな旅立ちの焦燥感も終わってみれば悪くはない。都心を走り抜けそこからはレインボーブリッジを渡る…なるほどここを走るとは、そういえばゆりかもめや路線バス、ひいては歩いて何度も渡ったレインボーブリッジも上の首都高速で渡るのは初めてだ。続いて朝の八潮や大井を駆け抜けるとこのバスを降りる時も近い。

お馴染みのお台場
富士山を背景にJALのA350 JA03XJ
JALの国内線787並び、そして後ろには…?

羽田空港に着くや展望デッキに上がり、最早恒例のスポッティングに。実は昨年の搭乗回数で羽田空港のラウンジが使えるのだが、眼の前でボーイング737や787、そしてエアバスA350が集っているとどうしてもそれに引き寄せられてしまう。おっともう保安検査に行った方が良いな…

福岡から来たA350 JA05XJ

そういえばさっき撮った写真にロゴ付きのA350-1000が写っていたなと見ながら5分遅れの搭乗便を待つ。これくらいなら着くのはほぼ定時だろうし、特に気にするほどでもないか。

高知空港にて ボーイング737-846 JA334J

DEP:HND/RJTT
RWY16R
ARR:KCZ/RJOK
RWY32
JAL JL493
(HA5222,UK2033)
Planned:0920-1045
Actual:0943-1042
Japan Airlines
Boeing737-846 B738
JA334J 40349 /3489

高知空港を使うのは2度目、初回は2020年の3月に羽田に帰る時に利用したので降り立つのは初となる。ディズニーラッピングのJA614JやOneworldラッピングのJA15XJを見ながらタキシングし、いつも通りの工業地域を眺めながら高度を上げていく。アイスコーヒーを頼む頃には飛行機はそろそろ名古屋近くで、もうそろそろ着陸時間が気になってくる頃。

富士山を横目に見つつ
南国の海が近付いてきた

太平洋の深い青が迫ってくると高知空港はすぐそばだ、まっすぐ突き出すような滑走路なので海側からアプローチする場合陸地が見えるのは本当にギリギリになるので知らないと不安になるくらいかもしれない。展望デッキに上がるとさっきまで乗っていた機体に加えてANAのダッシュ8やFDAの初号機も、羽田空港では搭乗機があまりよく見えない位置だったので到着時に見られるのはありがたい。

ANAのDash8(レジ番確認できず)
FDA Embraer E170 JA01FJ

朝から何も食べていなかった、ブランチというのにも遅い時間になってしまったがここは是非カツオを頂きたいところ。そんなことで市街地行きのバスに乗り込み一路はりまや橋まで、ちなみに高知空港の連絡バスは高速道路経由のためシートベルトはお忘れなく。

空港連絡バス
鰹のタタキとウツボの天ぷら

たっぷりの薬味と併せて頬張るとたまらない、これを楽しみにここまで来た甲斐があったというもの。なのだが…実はここの利用も初めてではなく、同じく4年前に来ていたのだが。
食事を終えると30分くらい時間がある、そうだ高知城に行こう。

入口から
天守閣と松
広場にて
石垣の近くから

関ヶ原の合戦後である慶長6年(1601年)山内一豊によって創建され、1749年に完成した天守が今も残る城である。今回は天守に登ることは叶わなかったがこれは再訪してみたいところ。

駅に向かって列車に乗る、ここからは特急南風号で阿波池田まで。最新の2700系は既にお馴染みの車両ではあるがその快適さ・使いやすさは乗る度改めて感じるところ。肘掛けの先に付けられたコンセントやドリンクホルダーを始め、地元の常磐線特急を思わせるような設備が揃っている座席は長距離利用にもありがたい。

高知駅での折返し待ち
須崎行き普通列車
2700系「南風」号

さすが1両あたり900馬力の大出力を誇るだけのことはあり、加速が実に力強い。しかもエンジンの轟音が車内にまで響き渡る…というわけではないのでしばらく視線を下ろしていてふと外の景色に目をやるとその流れる速さに驚く。しかしここまでの高性能な車両を奢られても基礎インフラの差は如何ともしがたく、土讃線の特急列車は高速道路に対して決定的な速度差を出せないでいるのも事実である。

新幹線が実現したら…(AI生成によるイメージ)?

四国新幹線が実現した際の想定所要時間は新大阪から高知で1時間31分(現行3時間15分)、高松から高知で36分(現行2時間12分)と劇的な時短効果が期待されている。西九州新幹線や北陸新幹線のフリーゲージトレイン挫折による影響が目立つ昨今だが、適切に整備された高速鉄道の効果はやはり大きなものがあることを改めて感じさせられる。

大歩危の景色にしばらく見とれていると阿波池田駅はもうすぐだ、土讃線は高知から乗ると土佐山田を出てから香川県は琴平まで山間部を走り続けるが途中で一息つくかのような位置にあるのがこの駅だ。
ここからは徳島線が分岐しており県都徳島まで吉野川に沿って走っていくが、その看板列車である特急「剣山」が今回のお目当て。

特急「剣山」
発車時刻を待つ

最後の国鉄型特急車両であるキハ185系、その生誕の地である四国では当面新型車両の投入はままならないだろうという予想を覆し会社発足直後から意欲的な振り子気動車2000系やその電車版である8000系が矢継ぎ早に投入された。そうなるとたまらないのがこのキハ185系で、登場から10年を待たずに相当数がJR九州に譲渡されたり残った車両も少なくない数が普通列車に格下げされたりといささか不遇な印象が拭えない。

緑帯は登場当時の復刻塗装
国鉄を色濃く残す情報表示

しかし転んでもただでは起きないのが見どころ、JR四国を彩る観光列車「ものがたり列車」は現在すべてこのキハ185系により運行されている(初代「伊予灘ものがたり」はキハ40系だったが、2代目でキハ185系に変更)。キクハ32形によるトロッコ列車の伴車としても使われており、更に高徳線に目をやれば特急「うずしお」の運用も残っている。

国鉄を色濃く感じる車内
座席も懐かしい雰囲気のもの
伝統を残す洗面台

こうなると早々に一線を退いたことがかえって息の長い活躍につながったのではとも思える、特急や普通、観光列車を支えるユーティリティプレイヤーとして走り続けてデビュー40周年が近付いている。ここまで長く愛される車両というのもそうそう多くはない…発車時の自動放送アンパンマンの声が流れてくるのを聴くと若干の気恥ずかしさも否めないがこれはご愛嬌か。

徳島着

ル・コルビュジエ「輝く都市」を読みつつ徳島に到着すると横には徳島を代表する気動車1500形、今後ハイブリッド車両が投入されるとのことだがその頃にはどんな景色に変わっているだろう。

キハ47形
懐かしさ溢れる車内

そんなハイブリッド車両が来た暁には引退となってしまうであろうキハ47で鳴門線を乗り通し終点の鳴門に。駅前の足湯は足を洗ってから入る本格派(?)で営業終了までの僅かな時間だが温まらせてもらう。ここからはしばらく歩き…

鳴門駅改札
橋の向こうには…?

小鳴門海峡を渡る市営渡船で対岸の大毛島(土佐泊)まで移動する、おそらく自分以外全員が地元の利用者であろう小型船に乗り込みおよそ3分の船旅。

大毛島に向かって
渡ってきた橋を振り向き

さて今日の最終目的地は兵庫県洲本市、つまり淡路島である。この先のバス停から淡路交通のバスに乗ろうと目論んでいるのだがそれまで結構時間があるのでしばらく散策に出る時間がありそうだ。まずは近くの「紀貫之の遺跡」へ。土佐泊という名前も京から土佐に向かう際の経由地としての歴史に由来する。

紀貫之の遺跡
こちらは正面から

波の音を聴きながら夕闇迫る海岸を歩く、これはなかなかいい気分だ。遥か向こうには大鳴門橋が見えるが、そうかあそこをこれから渡るのか。一旦予定していたバス停に着いたがまだ余裕があったので高速道路をくぐって島の対岸まで歩き、いよいよ迫る夕焼けを眺めていた。

広がる海の眺め
夕焼けに海は光り

何を隠そう淡路島はこれが初めてだ。翌朝の船に乗るので島に泊まったという実績のためのようなものではあるが、それにしても初めての場に行くのは心が弾む。頻繁にバスは停まり、ついに終点洲本バスセンター。

淡路交通のバス
淡路第2プリンスホテル(翌朝撮影)

バスセンターからホテルに向かう途中にスーパーに立ち寄りセール品を漁っての夕食、またカツオにしてしまったがこれはやめられない魅力がある…

新たな雲を求めて

曇天の空、双胴船は15ノットで駆け抜ける。実証実験中の航路「深日洲本ライナー」の深日行きだ。2017年から夏期中心に運航されているが元々大鳴門橋や明石海峡大橋が共用される前には深日港は淡路島や徳島に向かう航路が存在ていた。今はワンマン電車が行き来するばかりの最寄駅である深日港駅は南海多奈川線から本線に直通して難波と淡路島や徳島を繋ぐ交通の要衝だったのである。

バブル時代を思わせるターミナルから双胴の船に乗り込む。深日洲本ライナーの乗客は見たところ10名そこそこといったところか、ターミナル片隅の競艇場の賑やかさがやけに印象的だった。

洲本港ターミナル
時代を感じるターミナル
深日洲本ライナー"INFINITY"

天気はさほど悪くないが大阪湾の最も南、紀伊水道も近いようなところとなるとそこそこに波が打ち付けてくる。船酔いするようなほどのものではなくうたた寝していたら着いていたという程度のものだった。船内テレビは深日港を擁する岬町への移住をPRするものだった。

船内は「クロスシート」と「ロングシート」
南海深日港駅

1時間弱の船旅を終えた港から少し歩いて深日港駅、ここからは南海電車に乗り込む。元々難波からの直通列車が来ていただけに広い構内が印象的、そこに走ってきた電車はワンマン運転の車両としては新型の2000系だが元々高野線で走っていたのだが支線のワンマン用車両に転身したものだ。

広い深日港駅
最後にホームを満たした列車は
みさき公園行きワンマン電車

みさき公園駅からは普通列車に乗換えて難波方面に向かう、特急サザンや空港急行とすれ違い待避し…どこまで行こうかも考えていなかったが羽衣駅辺りからJRに乗り換えようか。ちょっと行ってみたいところがある。

みさき公園駅にて
阪和線東羽衣駅

鳳からは関空快速で天王寺に、3扉転換クロスシートの車内は通路まで人が多く賑やかな車内となっている。この区間に乗る時は多くが特急くろしおなので快速で乗るのはいつぶりだろうか、もしかしたら3年前以来かもしれない。ゆっくりとカーブを曲がり天王寺駅に着くとそのまま大阪環状線に入り大阪駅に向かう電車を見送る。

特急はるか号
キティちゃんラッピング

ここからは関空特急はるかに乗って新大阪を目指す、お目当ては西九条から大阪駅(うめきたホーム)に入る様子だ。昨年この駅に入ったときにはおおさか東線から入ったのみだったので厳密にはこの区間の乗車は初ということになる。大阪駅を出たらあっという間に淀川を渡り新大阪に到着、実は281系も初めての乗車だった。

終着京都まであと少し

御堂筋線と阪急を乗り継ぎ神戸三宮、少し遅めの昼食をタイ料理店で摂って西に向かう。急ぐ旅でも無いので西明石行きの207系で須磨や明石海峡大橋の眺めを愉しみ快速そして新快速と乗り継ぐと姫路駅…そうだ、新幹線乗ろう。

西明石にて207系
ここでは各駅停車のひかり号

ひかりは西へ、終点岡山からいよいよ今回の旅に出るに至ったきっかけのお目当てが待っている。
273系「やくも」号、半世紀を超える歴史を紡ぐ伯備線特急列車の3代目にして40年ぶりのモデルチェンジとなる。これまでのどの車両とも異なるブロンズカラーにクリーム色の車体は落ち着いたイメージで、どことなく安心感を抱かせる見た目。

273系「やくも」
大型の行先表示器

そういえば273系ははじめましてではない、試運転時にその姿を見て以来いつ乗れるかと楽しみに狙っていたのだがいよいよその時が来たという次第。車内は落ち着いた雰囲気で、なるほど自宅のようにくつろげる空間というコンセプトも納得。主な利用であろう岡山から米子や松江、出雲市までとなると所要時間は3時間程度になりゆったり過ごせるというのは重要なファクターだろう。

緑と青の座席
座った際の印象
車内設備の案内

乗車インプレッションとしてはさすが最新の振子特急というだけのことはあり、これまで乗った381系と比べても疲れを感じることなく下車する松江駅までの時間を過ごすことが出来た。細かい揺れがあったのは地上インフラとの絡みもあり致し方ないところか。
またこの車両は3(7)号車に1人用のフリースペースが準備されており、折り畳み座席とコンセント、車内で読める写真集の備え付けがある。乗車時間が長い分自席(+トイレ)以外の居場所があることは有難い。今回は普通車の利用だったが、グリーン席などもいつかは使ってみたいところ。

フリースペース
車いすスペース

外もすっかり暗くなり窓ガラスに雨が打ち付けるようになるとそこはもう山陰。新見についた頃にはまだまだ2時間もあるなんてと思ったものだが、気が付いてみると川の流れの向きが変わり列車の進行方向をたどる様になる。本州を横断するようなルートで分水嶺を越えると目的地が近づいてきたなと感じるのは筆者だけだろうか。時間通りに雨の松江駅に着く。

出雲市に向けて
発車を待つキハ47

駅前の商店街を歩いて今晩のホテルに、松江市内を歩いたのはほぼ初めてだったのだが市内の店の多さには驚いた。しかし考えてみるとこの松江市を中心とした中海・宍道湖・大山圏域は人口60万を超える山陰一の都市圏である。観光スポットも多い街なのでじっくり街歩きをするのにも魅力的と感じた。そうして着いた今日のホテルは「だんだんの湯 御宿 野乃 松江」、ドーミーイングループの共立メンテナンスが運営している旅館風のホテルだ。

入口で靴を脱ぎ、それ以降は靴下で歩き回れることがここまで休まるとは靴下に穴が空いていたら大変。今回は比較的遅くなってからのチェックインだったが、もっと早い時間から入ってより長い時間過ごすのも魅力的だ。いつものラーメンを頂き、もうそこまで来たら寝る時間だ。

客室全景
安心の味

宍道湖を周り

最終日、ゆっくりとチェックアウトしてさてどこに行こうかと歩く。とどのつまりこの日は夜に出るJAL便に乗るべく出雲空港に到着すればそれで宜しい。しばらく歩き行き先を思いついた、そうだ松江城を見に行こう。

県庁はかつての松江城三の丸
天守が樹の合間から覗かせる

松江城は関ヶ原の戦いを経た堀尾吉晴の命で築城され、明治維新の際の廃城令の危機も乗り越えて今に至るまで天守が残る貴重な城である。

間近に眺める天守
宍道湖を望み

興雲閣などの建物も眺めているともう昼になった、せっかくここまで来たのだし再び出雲大社にも参拝したいところ。ということで城からしばらく歩き松江しんじ湖温泉駅から一畑電車に乗り込む。JR四国の7000系電車によく似たVVVFのきれいな電車だ。

川の流れを見ながら
隣には元東急

一畑電車、および出雲大社自体は一昨年の神在月の訪れたのが初だったが、夕刻の出雲大社はともかく一畑電車乗車はすっかり日が暮れてからになってしまっていた。そのため宍道湖畔を走るレイクビューの車窓はこれが初めてと言っていい。これからこの路線に初めて乗る方は是非明るい時間の乗車をおすすめしたい。

宍道湖を望み西に

月曜昼間の電車内は意外なくらいに賑やかだ、車内の座席は半分程度埋まり松江の近郊利用および出雲市方面への需要を担っている様子がうかがえる。一畑口で向きを変えて川跡にて出雲大社前行きの区間列車に乗り換え。こちらは元京王の車両がどっこい生き残っている。

元京王5000系
クロスシートは転換式と回転式

元々は優等列車に優先的に投入されていた車両だったのだが、今となっては他の車両と共有で使われているという。流石に元々の京王5000系時代からの通算では既に全車両が半世紀を超えており、今年度から来年度にかけて導入されるという新型7000系によって置き換えられるという。良いタイミングで少し早めのお名残乗車ができたということになる。賑やかな川跡駅の乗換えを経て出雲大社前に到着したが車内は観光客で賑わっていた。

小田急NSE車譲りの座席
出雲大社前のステンドグラス
駅前の通り
駅舎外観

出雲大社に鉄道で行こうとすると現在唯一の選択肢である一畑電車、元々あった国鉄→JR西日本大社線(廃線済)の大社駅が純和風の荘厳なものだったのに対してこちらはモダンな洋風建築なのが面白い。ちなみに大社駅舎は今なお大切に保存されているのだがこの旅行時点では惜しくも修理中、ますます美しい姿をお目にかかれる日に期待して今日のところはひとまず我慢。

デハニ52
運転台
荷物室
客室
銘板類

ここには昭和3年に製造された*デハニ52が保存展示されており、昭和初期の電車として全国的に見ても貴重な保存例となっている。手動扉のまま走り続けたというのも注目すべきポイントで、この時代に造られた電車としてはそこまで珍しくはないのだが引退時までそれが残ったとなると話は別だ。ほとんどの場合自動化されているためだ。

というように貴重な車両をじっくり眺めたらいよいよ出雲大社に向かうとしよう。人はさほど多くなく快適に楽しむことが出来た。
*:このデハニ52は製造当時は電装されておらず、登場翌年に電装

出雲大社拝殿
奥の本殿を拝み
ありがとうございました

ここからの日没はたいそう見事と聞く、いつかはそんな景色を見てみたいものではあるがそろそろ空港に向かうことを考えなければならない時間だ。出雲大社前駅に戻り、しばらく待って先ほど乗った車両に乗り込んで再び川跡駅に戻る。ただし電車は松江しんじ湖温泉に向かうのだとか、こちらは出雲市に行くのでそこでおさらばだ。人波に揉まれつつ乗り換える。

川跡駅にて 3車種が並ぶ
出雲市駅

川跡駅は松江方面・出雲市方面・大社方面の3方向から来た電車が集まり短時間で乗り換えることで利便性が確保されている。新型電車、元東急のVVVF車、元京王の旧型車を同時に見られる期間は決して長くはない。
電鉄出雲市までは割とすぐ着いてしまうのだがここから「やくも」に少し乗って松江に戻り、そこから空港バスで出雲空港を目指す。無駄が多い行程のようだがせっかくなら273系に少しでも多く乗りたいし、出雲市から松江に乗れば前日の岡山から松江と組み合わせて「やくも」全区間を273系で乗ることができる。

入線した273系
振子台車

発車すると昨日とは異なる車内チャイムが流れる、これも273系の見どころで上りと下りで異なる曲が使われているのである。一部では縁結びの聖地から帰る電車にしては不吉な歌詞というような話もあったものの…快適な走りに魅せられあっという間に松江着。

FDA エンブラエルE170 JA01FJ
J-AIR エンブラエルE170 JA214J

出雲空港は東京(羽田)、大阪(伊丹)、福岡および隠岐へJALグループ便が、名古屋(小牧・中部)、静岡にFDAが就航している。使用される機種も多くなかなか飛行機を見ていると面白い空港だ。ちなみにANAは近隣の米子空港に展開しており、こちらは羽田便のみ。

JAL ボーイング767-346ER JA655J
出発するJ-AIR便と
福岡からのJAC ATR42-600JA09JC

これから乗るボーイング767が降りてきた。JALの767は2年半ほど前の長崎空港からの帰り以来だ…その時とレジ番も同じで嬉しい(?)再会となった次第。そういえばJ-AIRのエンブラエルは昨年夏の大阪ライブ遠征で乗ったきりなので、これも近い内また乗りたいな…
スポットインまで見ていると時間が危ういので着陸だけ見届けたATRは福岡からの機体で朝晩2往復あるのだが、朝は福岡から飛んできて隠岐まで1往復してから福岡に戻る。筆者は隠岐に向かう際この便を利用したのだが、そこで羽田及び伊丹からの初便とも接続を取る様子はなかなか壮観だった。

旅の〆はスカイタイム

DEP:IZO/RJOC
RWY07
ARR:HND/RJTT
RWY34L
JAL JL286
(AM7737,HA5124,QR6046)
Planned:1925-2050
Actual:1954-2058
Japan Airlines
Boeing767-346ER B763
JA655J 40367 /1007

この機体"JA655J"だがJALのボーイング767全体で見てもかなり若い2011年導入の機体だ。この頃にはJA653JからJA659Jまでの7機が納入されておりJALが現在運用しているボーイング767のうちおおよそ1/4を占めている(うち2機は貨物型に改修)。
一説にはボーイングが787の納入遅延に対する補填というような意味で製造したとも言われる機体だが、今後どうなっていくのだろうか。既にJALは767後継機としてA321neoの導入を発表しているし、同時に発注が公表されたエアバスA350やボーイング787-9により特に燃費が不利と言われる初期の787-8が国内線に転用される可能性も考えられる。経営破綻以来の貨物型にこのグループの機体(JA653J,JA654J)が抜擢されたあたり一筋縄ではいかない動きがありそうだが…

JAL機材の明日やいかに

到着便の遅れと出雲空港出発時に羽田からの到着便を優先したのでいくらか遅れたものの大きな問題はなく、今回も快適なフライトとなった。たまたまクラスJが安かったのでそれを予約していたのだが早く降りることができたので八潮行きのバスにぎりぎり間に合うことができたのである。普段はそう急がないので前方席の有用性を実感した家路となった。

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