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オレンジ色に負けてるハイヒール 1

予感も、予備も全くしてなかった。私が大学の首席を取る優等生君を好きになるなんて。

あなたの声が聞こえてくると、私の電波はあなただけに集中する。こんな自分がバカみたいでウンザリだけど、何を言っているのか気になっちゃう。

会話が一段落したら、あなたの視界に入るかな?なんて思いながら近くの友達の席にわざと行ってみる。チラ見であなたを見ると全然、違う方を見てんじゃん!あなたの視線はいつもオレンジ色のチークを濃いめに入れてるクラスメイトだった。腹立つ。腹がたつ自分にも腹が立って、もう意味わかんない。

今日、気合いを入れて新しく買った最高に可愛いハイヒールを履いてきた。濃いめのピンクのパンツも合わせた。悔しいけど、あなたの為に。私は、日に日にあなたを目で追ってる事が多くなってる。もう、着てくる服も覚えきってる程。
教室を出ようとしたらドアから見覚え感が満載の服が見えた。私は瞬時に友達と話してて盛り上がって大きな声ではしゃぐ振りをした。前を見てない振りで少し勢いつけて、あなたにぶつかってみた。あざといと分かってるけど、もうヤケクソだ。
あなたは「あ、すみません」と少し横にズレただけの反応。やっぱり腹立つー!!〝すみません〟って何?!めちゃくちゃ他人行儀じゃん!しかも、話してる相手はオレンジチーク濃いめの奴だし!!このピンクは負けるのか?!オレンジに!!
……わかってるよ。ロクに話したこともないし。そうなるよね。その言葉のチョイスになるわな。しかし、奴には、そんな笑顔で話すんだ。
ってさ、今、あなたがどんな反応なら私は満足した?もう、意味わかんな過ぎて嫌になってきた。なのに、あなたのことをずっと考えてる。

これ完全に私一人で、空回りだな。
せっかくのハイヒールも、今後も出番はなさそうだ。

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