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ご近所トラブル パート4

次男の受験が終わって、長男の支援学校の中学校の進学も決まって、二人の制服を作った。

二人とも最近に珍しく学ランだった。
二人は身長は同じくらいだったが、次男が痩せていたし、天パとストレート、顔も二重と一重全然違って、絶対双子とは誰も思わなかった。

長男は、その頃から特に洋服に関して過敏で、着る物にもこだわりがあった。Tシャツだったら後ろのタグを切ってあげないと着ないし、ズボンはスポーツブランドの柔らか素材の物しか着なかった。

制服の採寸の時も、初めての学ランの着心地の悪さに、戸惑いながら採寸をした。
長男は嫌がっていたが、学ラン姿の息子はやはり初々しくて、少しずつ成長していく姿が嬉しくもあった。

次男の制服も同じ頃出来上がり、リビングで着て見せてくれたけれど、中高一貫校で6年間着用するということで、大きめのサイズを買ったので、ブカブカの姿もまた、微笑ましく写った。

次男の入学式前日、そろえて置いていた次男の学ランの上がないことに気づいた。
えっ、どこか違うところになおしてたかな?と思って探すけれど見当たらない。

嫌な予感がして、いつもの吹き抜け部分を除くと、黒い物体が吹き抜け部分に落ちていた。

しばらく落とすことをしていなかったので、油断していた。おそらく、長男が制服が嫌で自分の制服と勘違いして落としたのだろう。

恐る恐る、2階の住人の部屋の前に行き、インターフォンを鳴らして事情を伝えると、「息子が帰ってきてないから対応できない」と言われた。
それを次男に伝えると、大事な制服がなくなった(落とされた)悔しさで、「俺がとってくる」と言って、2階の住人の所に一人で行った。

たくましいなと思いながら、次男の帰りを待つと、手ぶらで帰ってきた。「おばさんから、ママの悪口を言わて、制服は取らないと言われた」と言って、顔をこわばらせて帰ってきた。

次男にはなんの責任もないのに、悲しい思いをさせてすごく悲しかった。障害があろうが落としたのは親の責任というのはわかるけれど、自分の真新しい制服を勇気を出して撮りに行った気持ちも組んで欲しいなと思いながらも、途方に暮れた。

落とすことに関して管理人さんに相談していて、今度落とした時は、自分が取りに行くからと言われていた。頼りの管理人さんがいる時間ではなかったので、余計に焦った。

その後もインターフォンを鳴らすけれど、出てもくれない。

次男に、「同じ学ランだし、校章はついてないけど、明日は長男君の制服着て行ってくれない」というと、当然無理と返事が返ってくる。その時点で21時は過ぎていた。

思い悩んで、警察に電話をした。落とし物をとってもらうように頼んでいるが、居留守を使われてしまって取れないと。今までの経緯も話、本当にごめんなさい。税金の無駄遣いをしました。でも、本当に困ってるんです。という思いで伝えると、家まで来てくれた。

一緒にインターフォンを鳴らすと出てきてくれて、制服を取ってもらうことができた。

もう2度と落とさないことを約束し、2階の住人、警察な方に平謝りしやっと制服を取り戻すことが出来た。

このまま、この気まずいご近所関係が一生続くのか。。と思って憂鬱だったが、それから一年もしないうちに、このマンションから去ることになるとは、その時には思いも知れなかった。

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