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a noisy room diary❄*(18)

『Christmas❄ Christmas』

 クリスマスシーズンは幸せな気持ちになる。
ロビーの方からはクリスマスの合唱も聴こえてくる。
皆で練習しているのですね。折り紙で雪の結晶を作ったりもしていたね。←私は作っていないけど。
 ここの病棟へ来てから笑顔の人が少ないなと、私はちょくちょく感じていた。
普通に外の世界で過ごしていた時は、なぜにこんなにも世の中の人々は幸せそうに笑い合っているのだろうと、私は感じていた。
皆、そんな風に見せているだけなのだろうか?
それとも本当に幸せだからあんな笑顔になるのかな…?…なんてね。(まあ、皆何かしらを抱えての幸せな笑顔かとは思うけど、でも本当に幸せな笑顔だね)。

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 12月24日、18:00夕食。
食事後、小さなクリスマスケーキを食べて嬉しい気持ちになる。隣の席のおばちゃんも手を合わせて「ありがたいね。ごちそうさま」と囁いていた。
 宇宙交信者スミレさんは、クリスマスケーキとともに目が甘く溶けたままピタリと動きが止まっていた。
宇宙へも甘く美味しいケーキを伝え捧げているのかもしれない。聖なるかな❄
 カミーユさんは黙々とケーキを食べた後、ナースステーションのガラス窓からじっーと中を見つめてた。もっとケーキを食べたかったのかもしれない。皆、平等に1人1個ずつのケーキだよ。ほんとは私ももう2口ほど食べたいね。

          ❄*°

 それから私は自分の病室へ戻ると、スマホに娘からのラインが届いていた。「メリークリスマス、マッマ。お菓子の家のケーキを作ったよ」。
娘と娘の彼氏の二人、幸せに寄り添っている写真も添付されてあった。
 娘が幸せでありますように。病棟の皆が幸せでありますように。世界中のみんなが幸せでありますように。私も幸せでありますように❄

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 21:00就寝。
 興奮して眠れないクリスマスイヴの夜。病棟の皆も興奮しているようで何度もトイレへ行っているな…。
水の音、蹴飛ばす音…うるさいです。
 
 22:00、やっぱり眠れない、少しお腹も空いてきた。隣りで眠るツヤ子お姉様にバレないよう、隠れてチョコレートを食べる。保護室の方から壁を蹴飛ばしている音が聴こえてくる。もしかしたら私の食べていたチョコレートの匂いが届いたのか…?まさかね。

 23:00、私は諦めて睡眠薬を貰いにナースステーションへと行く。すると、真っ暗なロビーではやはり宇 宙との交信を続けているスミレさんの姿を発見。
他にも数名いる。聖なるかな❄聖なるかな❄  
 
 24:00、そして私は夢の中。…Merry Christmas❄*

 

              つづく

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