秘密の部屋
タイトルから某ファンタジー超大作をイメージしてしまいますが、素敵なノンフィクションです。
これは北海道大学の卒業生でも知らない物語である。
農学部の農業経済学図書室で勉強していた僕は、司書のYさんから不思議な話を聞いた。
この図書室には戦時中に大本営として活用するために作られた秘密の部屋につながる扉があります。
竹内さんは新潟のお土産を下さったり、いつもよくしてくれるので特別にその扉を教えますね~。
とYさんは書庫の中を案内してくれた。
書庫の奥、第三層を進むと。
脚立がないと入れない所に扉があった。
普段鍵のかかっている扉をYさんは特別に解錠してくれた。
恐らくこの大講義室が戦時中に特別本営部だったのだろう。
歴史の重みに言葉を失って、しばし立ち尽くす。
夢のような出来事の一日だった。
その後、図書室に戻って何を勉強していたのか今となっては思い出せないけれど少女のように、いたずらっぽく笑って秘密の部屋の鍵を開けるYさんの笑顔は今も瞼の裏に焼き付いている。
今日も皆様にとって、よい一日でありますように。
司書のYさんのご健康をお祈り申し上げます。
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