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ケーキが存在しない世界なんて

昨日(2023/11/11)、新潟商工会議所主催の20代・30代向け料亭体験会「古町芸妓と日本酒を知る、みなとまち新潟の料亭文化体験会」に参加した。

東京の出版社に勤める友人も誘い、夕方古町の料亭「かき正」の門をくぐる。

かき正

古町芸妓とはよく耳にするものの本物を見るのは初めてだった。
そもそも芸妓さんを見るのも初めてだった。
人生初のお座敷遊びである。

芸妓さんにお酌をして頂いた日本酒で乾杯し体験会は開会した。

高嶺の花だと思っていた芸妓さんは話してみるとラーメンが好きだったり、意外と身近な存在に感じられた。

お座敷遊び「樽拳」に興じる友人①
お座敷遊び「樽拳」に興じる友人②

新潟の伝統芸能を守り受け継ぐ芸妓さんたちは皆、凛とした佇いが美しく、後ろ姿にも気品が感じられた。

そして古町芸妓の舞(四季の新潟・新潟おけさ・新潟小唄)は鳥肌が立った。三味線と郷愁のある歌声は情緒あふれるものだった。

本物は違う。

生きているうちに一つでも多くの本物に触れ、善のイデアを想起させたい。

夢のような時間を過ごすことができた。
東京の友人も大変喜んでもらい、またお座敷遊びに興じたいと、すっかり「成金おじさん」になっていた。

こんなにも幸せな時を過ごすことができるから過去の辛い経験や悩んだ時間も報われるのだなと日本酒を飲みながらしみじみ感じた。

他者と比較し自分の能力の低さに悩んでいた以前の僕は常に効率性ばかりを追い求めていた。

文化や芸術なんて時間の無駄で実務に役立つものではないから、そんなことに時間を割くのはもったいないと本気で考えていた。

今となってみると何て愚かだったのだろうと恥ずかしくなる。
確かに芸術や芸能といった文化的なものは無くても生きていけるかもしれない。
だからお菓子やケーキのような存在にも思える。

桜が町彩る
季節になるといつも
わざと背を向けて生きてきたあの頃
やってられねぇ そんな
そんな気分だった
遠くのあの光る星に願いを…

でも例えりゃあ人生は花さ
思い出は散りゆき
ああ 俺が再び咲かせよう

明日輝くために
息も切らさず走り抜けた
過去を 未来を 自分を
遠回りしてた昨日を越えて

桜の花、舞い上がる道を

エレファントカシマシ
「桜の花、舞い上がる道を」

ケーキの無い世界でも生きていくことはできるけれど、それはひどく味気ないものだから、僕は心を癒すものが一つでも多く残るような世界を望む。

感性を育むものは、効率性や論理的なものから離れた別の世界観が必要である。そのような文化的なものに触れることで他者への思いやりや優しさを育むことに繋がればよいと思う。

今日も皆様にとってよい一日でありますように。
急に冷え込みましたので温かくしてお過ごしください。

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