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Mさんのこと〜あとがき〜

あとがきなんて書くつもりはなかったけれど、予想に反して多くの人に「Mさんのこと」3部作を読んで頂けたので言葉足らずだったところを追記しようと思った。

昔から人との距離感がうまくつかめず、ちょっとしたことで関係が悪化して疎遠になることがあった。

だから折に触れ関係性の問題について考えることがよくある。
僕のnoteで書くことも日ごろ感じている「普通」の関係性への違和感や反感についてテーマにすることが多い。

あの時、こうすればよかった。

Mさんとのエピソードでは、僕は空気をぶち壊す質問をしなければよかったのかな、とか振り返ることもあった。

終始お互いの傷には触れないままの「やさしい関係」でい続けることもできた。

それでも僕は屈託なく笑う表情の裏に隠されたMさんの得も言われぬ寂しさを感じ取り、尋ねずにはいられなかったのだろう。
(僕自身が少しセンチメンタルになっていたのかもしれないが)

Mさんの傷を知ったところで、僕には何もできなかったかもしれない。
生きる寂しさを埋め合わせるために、一人では解けない愛のパズルを探し合ったとしても永遠に完成させることはできない。

救いや癒しになれないけれど、僕とMさんのような親しすぎない関係性において互いの傷を見せ合うことで、痛みを分かち合うことはできたのかもしれない。それはどちらの傷が深いとか重症だとか比較の問題じゃなくて、僕らはいずれも傷ついていて、だけど素敵な明日を願っている存在であり傷を抱えながらも互いの道を歩み続けようとしていた。

どんなに短い間の付き合いにおいても、その人の言葉や仕草から共感できるものはあると僕は信じる。

このエピソード(一部は脚色してあるが)は12年以上前の出来事だとしても瞳をとじれば今でもMさんのことを思い起こせるし、そっと幸せを願う。

最後に誤解のないように申し上げるが僕は可愛い人よりも美人が好きだ。
Mさんは僕にとって可愛らしい女性だった。多分。

今日も皆様にとって良い一日になりますように。
無理やりJ-POPをぶっこんできたな笑


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