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基幹システムのリプレースプロジェクトで「懐刀」としてご支援

はじめに

どの企業も苦労する基幹システムのリプレースプロジェクト。古河電気工業株式会社(以下、古河電工)様の基幹刷新プロジェクトにおいて、導入を進めたFITEC株式会社(以下、FITEC)様をブレインズコンサルティング株式会社(以下、BCI)が支援させていただき、喜ばしいことに感謝状をいただきました。

今回は基幹刷新プロジェクトをどのように進めていったのか、FITEC株式会社 基幹統括事業部長の阿久津様、基幹統括第二部 事業営業システム課 課長の根田様にBCI担当役員の古崎と共にインタビューしました。

FITEC株式会社とは

1987年7月|古河電気工業株式会社の情報システム部門が分社独立し、古河インフォメーション・テクノロジー株式会社設立
2017年10月|富士通株式会社と古河電気工業株式会社の合弁会社として「FITEC株式会社」設立

http://www.fitec.co.jp/company/history.html

古河電気工業株式会社とは

「世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献すること」を基本理念とし、通信・エネルギーインフラ、電子部品、自動車部品、金属材料など、さまざまな事業を国内外で展開しています。

https://www.furukawa.co.jp/release/2022/kei_20220516.html

プロジェクト概要

古河電工様の基幹刷新プロジェクト
古河電工は、「SAP S/4HANA」と「SAP for Mill Products」を販売・会計・購買領域で導入し、12事業部門の業務プロセスを標準化し、新システムに統合しました。また、購買システムには「SAP Ariba」を導入し、アジア地域で初めてとなる「SAP S/4HANA」と「SAP Ariba」のシームレスな連携を実装することで、受注から出荷までの在庫・損益の統合管理を実現しました。

https://www.furukawa.co.jp/release/2022/kei_20220516.html

FITEC様の役割
古河電工(+富士通株式会社)がSAPの導入、FITECがその周辺領域の改修を含めた導入という役割分担で勧められました。
数十年間利用していたホストは、長年の利用による独自進化によって機能が個別化・多様化・複雑化しており、当然ながら単純にERPに入れ替えということにはなりません。それまでホストで担っていたがERPでは提供されない機能の新規開発・改修、また、他システムとSAPを繋ぐ100を超えるインタフェースの見直しなど、広範囲に渡って調査・整理から行う必要がありました。

プロジェクトのスケジュール、マイルストン

2018年にリプレースが決定され、2021年に販売系のサービスインがマイルストンとして定められました。

STEP1.構想・整理フェーズ

”一緒に汗を流していただけるコンサル会社”

古崎:以下資料の通り今後の活動を定義する目的のもと、既存のどのシステムがどの程度影響するかという調査、また、それに対してどう進めていくかというプロジェクト立ち上げのベースとなる資料を整理しました。

根田様:ゴールイメージの共有もそうですし、業務レベルの鳥観図とシステムレベルの鳥観図を作り、As-Is・To-Beを作って共通認識を持つと言うことを実施しました。

このプロジェクトがFITEC様と初めてのお付き合いになるのですが仕事をする前とはじめてからで、弊社に対する印象のギャップなどはありましたか?

根田様:一般的な”コンサルタント”では概要や様々な事を決めたら終わり。で、「あとは自分たちでやってください。」というイメージがありましたが、現場に深く入り込んでもらったのが良いギャップでした。

阿久津様:同じような感想ですが一緒にPMO、PM的な立ち位置として参画いただきましたが、深く入り込んでもらい、確実に推進しながらも様々な成果物をしっかり残していただけてる。こう言ったらおかしいかもしれませんが"コンサルっぽくない"といいますか、"プロジェクトを引っ張ってくれてる"という感じを受けました。当時の「事業営業」の領域もそうですし、「経理購買」の領域についても全体を進捗させていくという点で、一緒に汗かいてやってもらった印象です。
実際、大規模なプロジェクト進めるとなると、なかなか計画通りに進まないことが多い。重要な課題に対する対策検討など、大事な局面で一緒に検討いただいたことが印象として残ってます。

BCIの提唱する”懐刀”として頼りにしていただけてたようで、大変うれしい感想です。

STEP2.計画立ち上げフェーズ

”外部の知見、ノウハウを含めて手伝ってもらったのも上手くいったポイント”

古崎:BIやEDIなど各プロジェクトの立ち上げ計画を策定し、関係者や内部の会議体の精査を実施しました。プロジェクト全体との連携を図る目的で進捗報告会、また各フェーズの完了報告などの内容精査を実施し、主にPMOとして動いていました。

定義しなければいけない事が大小膨大にあるフェーズですがここでの重要なポイントなんでしょうか?

根田様:図に書いてある内容が全てとなりますが、複数のチームが並行して活動していたので、各チームがプロジェクトの中で全体感を意識して動けるよう配慮しました。各チームのゴールがブレないように、影響範囲を把握できるように、と言うことが一番のポイントでした。松井さん(BCI取締役)、古崎さん含めてチームに参画する形で関与していただき、社員だけで推進するより外部の知見・ノウハウを生かすことができたのも上手くいったポイントだったと考えています。

BCIとしてここでどのような工夫をしていたのでしょうか?

古崎:まずは松井と私で無駄が生じないように明確に役割を分けました。松井は根田さんのカウンターとなりプロジェクト全体を俯瞰・推進する役割を担いました。

根田様:そうですね、私の右腕として動いてもらっていました。

古崎:私はその下で各チーム共通で必要となる情報整理を推進しました。例えばシステム鳥観図の精査であったり、インタフェース一覧の手当て、また、それに伴うチーム間の調整等を担いました。

根田様:これだけ大規模なプロジェクト推進のノウハウは持ち合わせてなかったので、非常に助かりました。

阿久津様:絶対に納期遵守だというのを言われていたプロジェクトでした。
実際「計画・立ち上げフェーズ」もそうですし、後の「実行フェーズ」でも様々な課題が発生しました。"他部門との調整を迅速に完了させる"、"要件を滞りなく纏める"、"フェーズ完了報告を実施する"等、時間的猶予のないタスクや課題が同時並行で多数発生しました。現有メンバーだけではそれらを漏らさず、いずれも緊急度の高い中で優先順位をつけて解決していくことが難しいと感じていました。そこに古崎さんやBCIのメンバーに参画していただき、共通基盤チームや他部門関係者との調整を率先して受けていただきました。BCIは外部の方であるにも関わらず、そこまで担っていただいたことは非常に私の中で印象深く残っています。

STEP3.実行フェーズ

”修羅場を一緒に歩んでいただけたっていうのが一番”

古崎:一番長い期間ですね。最初は周辺システム全体としてプロジェクトマネジメントをどのように実施すべきかを検討しました。進捗定例では複数チームが存在する中で、各チームの状況を限られた時間で確実に把握することが必要となります。また落ちてるボールを見つけて積極的に拾い、誰かに渡すまで丁寧にリードすることを心がけました。チームを跨る課題の整理や、進捗状況が良くないチームには個別に入って支援も行いました。
計画していたチームに参画してマネジメントをしながらも、周辺の他のチームに対して我々が入ってリーディング・マネジメントしたり。全チームのフェーズの完了、次フェーズの計画を滞りなく進めるということを強く意識していました。

このフェーズで印象に残っていることはありますか?

根田様:プロジェクトの規模や範囲を改めて眺めると、無事完了してよかったと本当に思います。システムが多岐にわたりプロジェクト規模が大きいため、課題の管理・調整、計画の修正が随時発生していました。それらを我々が一丸となって解決していったのが成功要因の一つと考えています。
また、スケジュールをお客様(古河電工様)と合意して進めるという役割をBCIに支援いただき、私は具体的施策を検討する時間や社内調整を行うことに時間を使えたのはありがたかったです。

阿久津様:このフェーズが一番多忙なフェーズでした。既知の課題対策やタスクで手一杯になりつつも、新たに発生した問題・課題に対しても何等かの対策を講じてプロジェクトをゴールに向けて推進しなくてはならない。という中で古崎さん・松井さんがいて何とか推し進められました。支援いただいた内容としては各チームの進捗・課題管理、フェーズ完了報告などでしたが、やはり修羅場を一緒に歩んでいただけるっていうのが一番心強かったです
丁度コロナによる緊急事態宣言が出されるなど、プロジェクトのピーク時に外的要因も加わり検討事項がさらに増えていた時期でした。

根田様:このタイミングでのコロナ禍といのは本当に大変でした。そのなかで推進や課題管理などの支援がったのはありがたかったです。

古崎:2020年でしたね。あと、例えばBI(ビジネスインテリジェンス)などはその機能特性として要件定義フェーズで仕様を固めても後に追加要望が必ずと言っていいほど発生します。「あのシステムのデータも取り込みたい。」「この様な見せ方をしたい。」等。いくつも出てくる要望をどうやって決められたマイルストーンで対応するか。というところは悩みながらも「必要となれば、それは取り組むべき」という考えでした。お客様にも予定外であることを理解いただき、協力を仰ぎながら上手くゴールまで持っていけたのではと思っています。
基本的にはリーダである根田さんの方針をベースに動いてましたね。発生する課題に対して「必要だと判断すれば計画になくても吸収したい」という思いを感じていました。

根田様:そうですね、「当初に計画したスコープのみをスケジュール通りに完遂させる」というプロジェクトではなかったです。都度発生した課題に対して、必須だと判断したら吸収すべきはする、単純に吸収できない場合でもクリティカルパスを把握した上で、社内交渉をしてでもやるといった感じでした。SAPに振り回された感もありますね。いま、運用保守をやっててやっぱりそのSAPの奥深さは痛感してます。

基幹システムについてはERPを中心としてですね、リプレースが成功したわけですが、今後の展望について、お話いただけることがあれば教えてください。

根田様:来年からはリプレース後のシステムを利用して、データを活用していくような動きもあるのでこの辺りも一緒にできればいいなというふうに考えています。

古崎:ぜひ、よろしくお願いします!

阿久津様、根田様、お忙し中インタビューにご対応いただきありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします!