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「自然」という言葉について

個人的に文化や歴史、哲学、心理学を研究する中で、自然とはなんだろうかと考える時があり、「自然」という概念を非常に興味深く思うようになりました。最近はそんな自然について考えることが多いのでつらつら書いていきたいと思います。

社会人になって、会社の文化に拘束されながらも、ゼロベースで検討してよなんてことを上司から言われる企画職や様々な職種の方も、自然というものから抜け出して、自然を疑って考える場面もあるのではないでしょうか?

「自然」というキーワードにより皆様が思い浮かべる物事は何でしょうか?

wikipediaによると

①人為が加わっていない、ありのままの状態、現象。
②①の意味より、山、海など。人工物の少ない環境。自然環境。

③人災に対置した天災、あるいは人工造成物に対置した天然造成物を考えた
 場合の、それらを引き起こす主体。

④意識(意図)しない行動。
⑤不思議さ、不可解さを含むと思われる可能性がない事。

だそうです。

①②について、人為がどこまで加わっていれば自然ではないのか、この解釈の仕方は人それぞれの主観的感覚も入り混じって判断が難しく思います。

実際私たちが見る多くの自然は人為が加わっているものも多いのではないでしょうか?

夏の風物詩のひまわり。

裏側にはひまわりを植えて大切に育てた人が存在していて、
その結果私たちが見ることが出来るのです。

ひまわりを植えた行為や育てるプロセスは人為的ですが、ひまわりの種自体は自然選択の結果残ったものなので自然なものと言えるかもしれません。

自然の線引きは客観的に判断することが難しいのでしょう。
異性の相手とデートで自然情景を楽しむために出かけた先で、こんなの自然ではないし、人為的に作ったもので、、なんて話を相手にされたものなら恐らくこんな人はめんどくさいしロマンも感じないし、めんどくさそうだな、、と興醒めされてしまうかもしれません。

とはいえ共に長く一緒に行動をしていく人、家族、職場の同僚という関係性ですと、その自然の概念で意見が割れることがあり、その結果対立することもあるでしょう。

自然は良いよね?!なんて言葉には、当人にとって自然が都合が良い言葉なのだろうかと。

引用③の意味で捉えると、天災などは自然って怖いよね、コントロールできないものでというふうに考えるでしょう。農業など一次産業を生業にしている方々からしたら、自然とそんな都合の良いものではないよ!と言うでしょう。人類の人口の増減は自然の気候によって大きな影響を受けてきて、気候が温暖で都合が良い時には文明は発展し人口も増え、豊かなので多様性も許容出来る一方で、寒冷化や干ばつの時期には人口は減少してきました。
昨今の気候変動を鑑みると自然ってやっぱり怖いものだよね、という認識を持つ方も多いのではないかと思います。

④⑤意識しない行動については、自身で自動的に受け入れることができる風習や慣習や行動を指しますが、
英語で話すときに、I naturally do ●● であったり unintentionaliyのような表現で表せる行動であったりするかと思います。
文化や思想や宗教、その人の過去の履歴が及ぼす影響も大きく④と関連性が強いのではないかと思います。
もちろん①②③どれも認識論的に考えれば④と結びつくので文化などとの関連性はあるでしょう。

多様性の尊重は必要だ!と言いながらも相手の自然という感覚を尊重するものは難しい場合も多いでしょう。尊重した結果、自分にとって都合の良い自然から抜け出して中庸的な対応や相手に合わせる行動も必要になるでしょう。

「自然」という概念は、当人に心地よさをもたらす一方で、
心地良くいない自然との調和は大変だよ!という相反するメッセージや意味を時間差で人に矛盾を突きつけるのが自然なのかもしれません。

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