3題話5 大雪・テレビ・フリーフォール
テレビ局の会議室内は、息が詰まりそうなほどトゲトゲしい空気で満たされていた。企画会議だというのに、開始早々から提案された企画が次々と却下されているからだった。
コンプライアンスやハラスメントといった事情に配慮しつつ、新しい企画を考える。言葉としては簡単ではあるが、実際に直面すると、これ以上に厄介なことはないと痛感している所に名指しされ、心臓が跳ね上がる。
「石崎、お前ちっとも発言しないが、何の為にここに居るんだ?」
ヤマタノオロチの生贄でもされた様な心持ちで、石崎が絞り