016 「無いものねだり」より「有るもの探し」-日々を重ねる小さな「選択」-
2022.9.16発行
きょうの選択は 私をどこへ連れていく?
Eテレ 0655という番組に「きょうの選択」という、おはようソングがあります。
「♪もしもあの時 あっちにしたら 今ごろ どうなっていたんだろう?♪」
日々を重ねる小さな「選択」が今の私を作っている、ということに気付かせてくれる、とても興味深い歌詞です。
アズイフの法則
心理学者のリチャード・ワイズマンが「〇〇のように振る舞えば、〇〇になれる」という考え方を「アズイフの法則」と呼び、提唱しました。
例えば、「幸福」という心理状態をイメージして、まるで幸せで満たされた人のように振る舞ってみると自然と幸せな気分になれるし、「つまらない」と思って振る舞えば、本当につまらなくなってしまう、ということです。
私たちの心と体は、それぞれ別々のものではなく、深く関わり合っているのです。
また、人は、脳を流れる血液の温度が低ければ、心地よく感じることが分かっています。
笑っていないときと比べて、笑ったときの表情は、鼻の入り口が広くなるので、多くの空気を吸いこむことができます。そうすると、脳を流れる血液が冷やされて、楽しい気持ちが生じるというのです。
楽しいという心の動きが、笑顔という体の動きに表れるのと同様に、表情によって、私たちの心の動きを決めるのならば、その「への字口」、口角上げて!ごきげんな笑顔を選択したいですね。
「無いものねだり」はなぜするの?
なぜ、人は「無いものねだり」をしてしまうのでしょう?
「自分に自信がない」「人より劣っていることが嫌」「人から評価される立場にいる」「寂しい思いをしている」など、他人に対して劣等感や嫉妬からの感情だと、考えられるでしょうか。
無いものねだりは誰でもするものですが、無いものねだりばかりでは、ストレスを感じたり憂鬱な気分になったりしますよね。
そこで、他人の良いところだけを見る「心のクセ」を、まずは、自分に有るものに注目してみましょう。
「人より劣っている」と感じることをポジティブに変換してみると。。。
例えば、「大雑把だ」と思っているなら → 「おおらかだ」という事が出来ます。
「しつこい」性格だ → 「粘り強い!」
「せっかち」なんだよね → 「頭の回転が速い!」
「行動力がない」 → 「じっくり物事を考えられる!」 などなど。。。(Vol. 006『 「ありがとう」の反対語を知ってますか?―幸せは探すものではなく気づくもの―』 も、参考にご覧ください)
このように、短所と思うところを長所に置き換えて、どんどん強みに変えていきましょう。「私って結構スゴイじゃん!」と自分を褒めてあげることも、とても大切です。
自分の良いところが分からなければ、人に聞いてみることも手です。
それでも、他人の持っているものに注目してしまう場合は、口に出して褒めてみましょう。
「〇〇さんのこれいいな~。羨ましいよ」と口に出せば、持っていない自分を認められます。
「これが自分なんだ!」と開き直りもある程度は必要ですね。自分らしさを大事にすれば、気持ちが軽くなってスッキリしやすくなります。
「無いものねだり」より「有るもの探し」。次第に自分に自信が持てるようになります。
「無いものねだり」より「有るもの探し」
『「無いものねだり」より「有るもの探し」』の気づきがぴったり当てはまるエピソードをもう一つ。
「田舎で、老人ばかり、何もない!と思っていたが、自然が豊かで、日本一の水質の川が目の前にあり、お年寄りの豊かな知恵を教えてもらえることに気づいた。」
こちらは、高知県仁淀川流域の過疎の町にいらっしゃる方からお聞きした、とても印象に残った言葉です。
「何もない!」から「豊かだ!」との変化は、はたから見れば、状況は何1つ変わっていませんね。
人は、自分の価値観や立場、好みという、色メガネで世の中を見ています。その正面からの視線を、上や下、横から、と見る位置を変えてみると、見え方が変わってきます。自分の見え方の傾向にも気づくかもしれません。
『「無いものねだり」より「有るもの探し」』へのちょっとした見え方の選択が、心を豊かにするのでしょうね。
どのように見るか?を選択するのは、その人次第。
あなたは、どのようにこの世界を見て、何を選択しますか?
「♪今日の選択は 私をどこへ連れていく?♪」