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夢のカケラ

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夢のカケラ(egg)を集める風の子・「シロイト」と「マロン」。 彼らが集めた夢のカケラをまとめています。
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#夢のかけら

#129 鍵穴の夢

#129 鍵穴の夢

風の子・シロイトとマロンは、困った顔で「夢のカケラ(egg)」を腕に戻って来ました。

そのカケラは、これまでと違い音も味もその他の感覚が全くない不思議なものでした。

「あ、穴が空いてる?」

シイナの言葉にドミノはカケラを手にその部分を見つめました。
そこには、小さな鍵穴の様な物が空いていました。

「これは夢主の物ですか?」

ドミノはシロイトに声をかけると、シロイトとマロンは顔を見合わせ、

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#127  不穏の仮面

#127 不穏の仮面

「あーー!」

風の子・マロンから夢のカケラを受け取ったシイナはそれをドミノ達に見せました。

「またですか」

「こりゃ、外で何か起こってるね」

護衛の明は、夢の中の不気味な空気に警戒している様でした。

「ひとまず外へ」

せっかく入った夢の中も誰もおらず、ドミノ達は光の失った夢のカケラ(egg)を手にその場所を後にしました。

BOX SPACE:夢現
風の子と契約を結んでいるコントラの「

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#126 不穏な夢

#126 不穏な夢

「あれ? この夢のカケラは…」

ドミノは卵の形をしている夢のカケラを風の子・シロイトから受け取りました。
しかし、その夢のカケラは光っていません。

「き、消えちゃったの…?」

シイナと護衛の明(あかり)はドミノの手のひらにある夢のカケラを見つめました。

「何か引っかかってるね」

明が指差すそこには、小さな仮面の様な物がありました。

「このカケラはダメですね…次、行きましょう」

ドミノ

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#111 目玉焼きの夢

#111 目玉焼きの夢

朝のメニューは決まっている。セールで買った安い卵の目玉焼き。
そういえば、昔安い卵を求めて隣町まで行ったっけ。
錆びた自転車のペダルが重くて、途中で何回も休憩してさ。
君は僕の帰りが遅いって家の前に出て待っててくれたよね。
そんな君の作る目玉焼きを今日も食べて、1日が始まるんだ。

______

「夢のカケラ(egg)」を風の子・マロンから受け取ったシイナはあれ?と卵を裏返しました。

「へ、変

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♯105 おかしい夢

♯105 おかしい夢



廊下の先の和室から笑い声が聞こえてくる。
おじいちゃんとおばあちゃんは本当に仲良しで、いつでも2人でも楽しそうだった。

「何がそんなに可笑しいの?」

気がつくと私は祖父母の前に座っていた。

「これよ、これ」

祖母が入れたてのお茶を見せてくれると、その中には茶柱が立っていた。

「ばあさんは茶柱立てる天才や。世界選手権出れる!」

祖父の声に祖母がまた笑い出す。

「そんな選手権ありませ

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♯104話 砂嵐の夢

♯104話 砂嵐の夢



ザザザ__ザザザ___
部屋に響く砂嵐。
残された音だけがどこまでも続き色を全て消していく。
ザザザ_た_ザザ_ザザザ__すけ_ザザ_て
砂嵐の音の間に聞こえる声はとても小さく聞き取り辛い。
ザザ__たす_ザザ__……
部屋に広がる音は、新しく生まれた色もすぐに飲み込み全てを消していった。
__________

ドミノとシイナは砂嵐の音が響く夢を居心地悪いと思いました。
「み、耳が痛い……」

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♯103 瑞々しい夢

♯103 瑞々しい夢



「お父ちゃん!」
その声に顔をあげた。頭上に張り広がる蔓の間からぶら下がる無数の葡萄達。
「好きなん、もいで食べてんまい」
「え〜、じゃぁあれ!」
娘は笑顔で目先にある葡萄を指さした。
「どれ」
伸ばした手はシワだらけ。あれ? 自分の腕ってこんなんだっけ?
娘は笑顔で葡萄に吸い付くと満面の笑みを浮かべた。
「お父ちゃんの葡萄が世界でイッチバンや!」
……そうか、という声は出なかった。頭上の畑に

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♯102 鳥の声の夢

♯102 鳥の声の夢



__コ、コ、コケ……
「また始まる!」
俺は布団に潜り込み、両耳を力一杯押さえた。
__コケ、コケ、コケコッコーーー!
始まった鶏の大合唱。周りを見るとそんな事など気にする事なく眠る兄弟。
コケコッコーーー!
一度鳴き始めた鶏達は、鎖の様に次々と繋がり僕の頭上に降ってくる。
「いい加減にしてくれよ! 眠れねぇじゃねぇか!」
大声を出すと、隣に眠っていた兄が驚き目を覚ました。
「ど、どうしたんだ

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♯101 しょっぱい夢

♯101 しょっぱい夢



薄暗い部屋の隅で目が覚めた。昨日は帰りが遅く、娘の顔を見れていない。
まだ15の子供だというのに、高校には行かず自分も働くと言って喧嘩をしたままだった
娘には高校に行ってほしい。娘の為になら仕事も頑張れる。親子2人でも十分幸せだぞ、と言ってやるんだ。
重い体を起こして台所に行くと、小さくて丸いお結びが置いてあった。娘の姿はどこにもない。1つ手に取り口にすると、口いっぱいに広がる甘ったるい味。

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♯100 チリンの夢

♯100 チリンの夢



部屋の外からチリンと一つ鈴の音が聞こえてきた。

「あ、帰ってきた!」

そう、あの鈴は母が財布に付けていた小さな鈴の音。その証拠に玄関先で家族のチロがワンワンと鳴いている。玄関の音が響いたと同時に懐かしい声。

「ただいま〜」

ほら、やっぱり母が帰ってきたのだ。
嬉しくて玄関先に向かったが母の姿はどこにもなかった。

「お母さん?」チリン

「どこ?」チリンチリン

呼びかけに応えるように

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#99 甘い夢

#99 甘い夢



ブブブン  ブブブン。
忙しなく働く蜂達が蜜を抱えて戻ってくる。
蜂の巣にはたんまりとたまった黄金の蜜。

私はその蜂の巣に指を突っ込んでひとすくいすると、目の前に見えたその指に驚いた。
毛むくじゃら…お腹も、足も全部が毛むくじゃら。どうやら熊にでもなってしまったのだろう。

「グルルル(まぁいいや)」

そう言ってその蜜の絡まった指を口に運んだ。

「…グフフフ(甘ぁい)」

獣になってしま

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♯98 声の夢

♯98 声の夢



黒板に並んだ先生の文字。皆んなが声を合わせてその文字を朗読している。

「こら、ちゃんと前を向いてください」

キョロキョロと見渡して自分に言われているのだとすぐに分かった。
新しい国語の教科書が懐かしく感じるのは何でだろう。隣の席のあの子がクスリと笑って24ページって小声で教えてくれる。
私はありがとうと笑顔でお礼を言うと教科書を開いた。そこには数字が並んでいた。
教科書を間違えたかな?と表

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♯97 時計の夢

♯97 時計の夢



振り子の揺れる様子をずっとみていた。
ここは、どこかの洋館か。私は長い長い廊下を進みこの振り子時計の前に辿り着いた。

カチンっ……カチンっ…

音が聞こえた気がしたが、振り子とどうもズレてる気がして目が離せない。

カチっ…ン…カチっ…ン

そもそも、振り子ってこんな音だっただろうか。
私は振り子の様子をただただ見つめ、進む事のない時計の針をいつまでも見上げていた。

__________

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#96 すする夢

#96 すする夢



深夜2時。

誰もいない夜道をようやく帰宅する体は胃も心も空っぽだった。
ぐぅ…。
腹の虫が最後の力を振り絞り「生きろ」と言ってくる。

「らっしゃい!」

気づくと屋台の椅子に腰掛けていた。

「お待ちどうさま」

目の前に置かれた一杯のラーメンは、湯気の向こう側に霞んでとても遠くに見えた。

「……いただきます」

久しぶりに聞いた自分の声は、まるで違う人の声に聞こえた。まだ一口も食べてい

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