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1つのあかり

18時半、焼き鳥屋の前で集合。
ちょっとだけ、早く着いた。

今日、一緒に呑む人は長崎を代表すると
言っていいくらいの吹きグラス職人。
僕は、昨年から自分のブランドを
立ち上げようと動いている。

まぁ、ブランドの経緯や詳細は後ほど書くと思う。

ひとまず、この職人さんがいい人すぎる。
数ヶ月前にはCasa BRUTUSという雑誌で
記事になっていた。

そんな実績十分の職人さんが、
僕(どこぞの馬の骨)に力を貸してくれるのだから
こんなありがたいことはない。

そんな職人さんと数回すでに会った。
今日は僕がデザインしたプロダクトのサンプルを見せてもらうために呑むことに。

数分後に職人さんもお店の前に。
早速、キンキンの生ビールを片手に乾杯。

世間話がひと通り終わり、話は本題へ。
職人さんがサンプルを手に取りながら
こう言った。

「正直、悔しくなっちゃった。作りながら。
なんでかって、約30年間、色んなグラス製品を作ってきたけど、このアイディアを思い付かなかったから。作りながら、これは、、!ということを感じた。工房の他の職人さんも、これはやられたねって言ってた。絶対に売れると思う。売り方にもよるけどね」

驚いた。

職人さんが自分のデザインに
納得してもらえるのか
これまで不安だったからだ。
「自分なんかが大丈夫か?変な頼み事したらどうしよう。。失敗したら。。。」など

その不安がさっと晴れた。
なにより嬉しかった。
ありがたかった。救われた。
暗い不安の中で、
1つのあかりが灯った気がした。

現状、最上級の褒め言葉のように感じるし、
そんなことを言ってもらえると
思っていなかった。

そもそも、ドイツから問い合わせた
自分みたいなよくわからない若造に
協力してくれたことがありがたい。

なんで協力してくれたのか聞いたら

「面白そうだったから。」

続けて、

「僕は面白いと思ったことしかやらないんだよ。
これまで他にもそういう人はいたけど、
なんか他と違う気がした。
それに同郷っていうのも大きいかな。」

物腰の柔らかさ、懐の深さ。
感謝しかない。

ちゃんと結果として恩返しがしたい。
恩返しとは、職人さんの良さを
世界の人にきちんと伝え切ることだと思う。

今夏にリリースできるか、
ちょっとまだわからない。

NHKから取材があったり、
職人さんも多忙だからだ。

その取材の時にこのプロダクトも
紹介できたらね。という話もある。

テレビに自分のデザインしたプロダクトが
紹介される日も遠くないかもしれない。

感謝を忘れずに進んでいこう。

焼き鳥を口一杯に頬張り、
キンキンのハイボールを喉に流し込み、
強くそう思った。

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