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表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬/若林正恭
飛行機の空席は残り1席――芸人として多忙を極める著者は、何かに背中を押されるように一人キューバに旅立った。
クラシックカーの排ガス、革命、ヘミングウェイ、青い海。「日本と逆のシステム」を生きる人々に心ほぐされた頃、隠された旅の目的が明らかに――落涙必至のベストセラー紀行文。書き下ろし3編収録。
単行本より文庫派の自分は、この紀行文が発売されてから7年、文庫化されてから4年の年月を経て読み終えた。出張先に行く電車の中、ホテルの部屋のベッドの上、アパートへ戻る電車の中、寝る前の布団の中など様々な場所で少しずつ読んでいった。
メインとなるキューバの旅に、モンゴル、アイスランド、コロナ後の東京の3編を加えたある意味完全版になるだろう紀行文は芸人・若林正恭としての面白さはもちろん描かれている(特にアイスランドのオーロラの章は思い切り笑った)。
けれど、その端々に人間・若林正恭の感情や考えも多く描かれていた。
最後のコロナ後の東京と、DJ松永による解説を読み終えた時、自分はそのままでいいんだと強く背中を押された。若林正恭という人間が、旅によって自分を見つけたように、そんな彼の姿を見て私を含めて自分を見つけられた人はたくさんいると思う。
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