日本の会社はシステムと相性が悪い
若い頃はいろんな現場でSEとして働いていました。
その経験を踏まえてシステムについて思っていることをまとめてみました。
ここでいうシステムとは、コンピュータを使って業務を行うシステムぐらいに思って下さい。
まず、システム化ってどういうことをするかというと、ものごとを定義する作業になります。これがメインでキモです。
えっ、プログラムを組むんじゃないのって言われそうですが、それはオマケです。
システム化するすべての事柄に対して、定義しまくります。
どういう作業があるか
システムに何を入力するのか
どういったものが出力されるのか
誰がそれを行うのか
などなど
とにかく定義の連続です。
基本的に曖昧さは許されません。
システムはその定義に従って正しく動くように作られます。
なので、プログラムは定義をコーディングする作業になります。
いささか理想論になってしまいました。実際にはコーディングやテストで矛盾が発見されて行った来たりします。また定義の下手なSEに泣かされたあげく炎上したりしますが。
まあとにかく、システムが求めるものは定義だということです。
これに対して、日本の会社の仕事はそもそも定義が曖昧だと思います。
意味がない承認とか、できるからという理由だけでやっている仕事とか、上手く回すために実は変えちゃってる仕事とか。
しかも、個人的にはこのなかの現場の創意工夫頑張りこそが日本の会社をなんとか回している力だと思っています。なので下手に定義して枠をはめると、この力が発揮できなくなって会社がうまく回らなくなる気がします。
日本の会社の仕事は曖昧さをたぶんに含んだかたちで、回るようになっていると思います。そういうやり方になったのは、そうやるのが日本人には合っているからだと思います。また、そういうやり方で非常にうまくいっていた時代もあるので、これが悪いとは言えません。ただ残念ながら曖昧さを嫌う「システム」とは非常に相性が悪いですね。
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