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猫の飼い主さん、猫のことも考えた防災対策してますか?④在宅避難編


今日は東日本大震災から10年。人間だけでなくペットの防災も考えていきましょう。今回は備蓄だけでは不十分、災害時に「在宅避難」を選ぶならこの防災対策を!というテーマです。

僕たちは環境の変化が苦手…。だから、災害があった時におうちで一緒に乗り越えようと思ってくれている飼い主さんも多いんだ。でも、本当に安全なまま過ごせるのか、ちょっぴり心配…。このモヤモヤ、解決してほしいにゃあ。

■6割の猫飼いさんが災害時には「在宅避難」を検討

災害時、環境省が推奨しているのはペットを連れての「同行避難」。しかし、実際に猫と暮らしている飼い主さんの思いは少し違うよう。全国の猫飼いさんを対象にした当社のアンケートでは避難指示が出た際、なんと6割弱の方が「在宅避難」を選ぶと回答していました。

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<在宅避難を選ぶ理由>
・避難所へ連れて行くほうが猫にストレスがかかるから
・多頭飼いのため、全匹連れて行くのは難しい
・暴れて逃げそうだから
・周囲に迷惑が掛かるかもしれないので
・避難所の場所が坂の上にあるので、同行避難が難しい
・垂直避難が可能だから

しかし、実際に行っている防災対策を調査してみると、興味深い結果が。

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在宅避難を考えてはいるものの、「猫用避難セット」を用意するなど、同行避難時に必要な防災対策を行っている人が多いことが分かりました。

在宅避難は、家の中でいかに安全に災害を乗り切るかがポイントとなるため、同行避難とはまた違う防災対策が必要になってきます。では、大切な愛猫の命を守るには、具体的にどんな防災対策をしていけばいいのでしょうか。

■在宅避難の場合は「空調管理」が肝になる!

在宅避難を考える場合、特に気にかけたいのが空調管理。なぜなら、夏や冬など空調管理が必要な季節に災害が起きてしまったら、愛猫の体に負担がかかってしまう可能性があるからです。

実際、停電を経験したことがある猫飼いさんにアンケートを行ったところ、6割以上の方が「在宅時」「外出時」共に、空調管理で困ったと回答。

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また、「猫の防災や停電対策として欲しいもの」のアンケートには1割の飼い主さんが「蓄電池/自家用発電/バッテリー」と答えていました。
この結果から伺えるのは、必要なのは分かっているけれど、どんな備えをしたらいいのか分からない…という飼い主さんたちのもどかしさ。

■停電への備えには蓄電池!

蓄電池とは、電気を貯めてくり返し使える装置のこと。停電が起きると、あらかじめ決めておいた家電(特定負荷)に自動で電力を給電。復電時には自動で、通常運転に切り替わります。

蓄電池を選ぶ時は「全負荷型」と「特定負荷型」のどちらが自分の家には適しているのかを検討。「特定負荷型」は特定の家電を長時間使用できるのに対し、「全負荷型」はすべての家電を使用することが可能。双方には異なるメリットがあるので、家族の人数や部屋数なども踏まえつつ、考えていきましょう。
以下のリンク、オムロン社の蓄電池まるわかりナビが分かりやすいです。

https://socialsolution.omron.com/jp/ja/chikuden-navi/

■まだまだある!在宅避難用の防災対策

フードの備蓄や蓄電池の設置以外にも、今日からできる在宅避難用の防災対策はまだまだたくさんあります。

①自宅の耐震性をチェック
在宅避難を行う上で最も重要なのが、家が安全かどうかということ。国土交通省が監修している「わが家の耐震診断」(財団法人 日本建築防災協会)では耐震性をセルフチェックできるので、まずはそうしたところから自宅の安全性を客観的に知っていきましょう。

より詳しく知りたい方は専門家に依頼して耐震チェックをしてみるのもおすすめ。我が家の安全性を正しく理解し、自分と愛猫、両方の命を守っていきましょう。

②スマホのモバイルバッテリーを用意
災害時に停電となると猫の姿を発見できなくなり、飼い主さんも愛猫も危険にさらされてしまいます。懐中電灯を用意するのも良いですが、スマホならばライトで周囲を照らせる上に情報収集もできるので、いざという時のためにもモバイルバッテリーを用意してみてください。その際は、乾電池で充電できるものを選びましょう。

③給水機以外にも慣れさせておく
猫の中には、給水機からしか水を飲んでくれないこだわりの強い子もいるもの。しかし、災害時に給水機が使えなくなってしまうことは考えられるので、日頃からウォーターボウルに慣れさせるなどの対策を取っていきましょう。

猫の中にはボウルにヒゲが当たることを嫌がり、給水機を好んでいる子もいるので、様々な大きさのウォーターボウルを試してみるのもありです。なお、どうしても給水機以外から水を飲んでくれない場合はパウチのウェットフードを多めに備蓄しておくなどの配慮をしていきましょう。

④脱走防止対策をする
エアコンが使えなくなった場合には、窓を開けて室温を管理することも多くなるはず。そんな時に猫が脱走してしまわないよう、あらかじめ脱走防止フェンスやネットを設けておきましょう。突っ張りタイプなら、賃貸でも家を傷つけずに取り付けることができます。

⑤人と猫が共有できる便利グッズをそろえよう
人間と猫が共有できる便利グッズは、災害時に重宝します。例えば、ポリ袋は排泄物の処理や「パッククッキング」に役立ちますし、新聞紙は猫砂の代わりに使える他、体に巻いて防寒グッズにしたり、折ってお皿にしたりすることができます。

⑥我が家の耐火性を高めよう
地震発生時は、同時に火災が起きることも。だからこそ、消火器を用意する、火災報知器を設置するなど、いざという時に頼れる備えを。タコ足配線をやめる、使っていない家電のプラグを抜くなど、細かな点も日常的に意識し、燃えにくい家にしていきましょう。

⑦事前の耐震対策で身を守る
少しでも安全な環境の中で過ごせるよう、事前の耐震対策は万全に。猫飼いさんはキャットタワーなど高さがある家具を設けていることが多いので、地震発生時に倒れないよう、あらかじめ固定しておくのもおすすめ。

また、窓ガラスや食器棚のガラスに飛散防止フィルムを貼ったり、戸棚や引き出しが開かないようストッパーを取り付けたりすることも大切です。

なお、実際に停電・災害を経験した方が必要だと感じたことからも、「できる防災対策」が見えてきます。
・トイレの水が流れなくなるので、おむつ用のゴミ箱やうんち匂わない袋が活躍する
・脱走してしまったが首輪をしていたので、飼い猫だと分かり、保護され、再会できた
・普段からケージに入ったらご褒美をあげるように訓練している
・人感センサーのライトを数ヶ所に設置している。猫でも反応するので安心。

在宅避難で愛猫の命を守ろうと考えている方は、ぜひこうした生の声も参考にしてみてください。

ぼくたちが安全に災害を乗り越えられるかは、大好きな飼い主さんの手にかかっているにゃあ。さっそく今日から一緒に命を守れる方法を考えていこうね。

参考書籍:『決定版 猫と一緒に生き残る 防災BOOK』(ANICE:監修/村中志朗:監修/富田園子:編/猫びより編集部:編/日東書院本社)

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