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アロハシャツ

 最近はどこへ行くということもないので、ほとんど同じ服装である。病院と買い物、散歩くらいしか外出することがない。
 夏らしく、ポリエステルのTシャツに短パンである。どちらも年代物で、10年以上着ている。一番リラックスできる感じだ。なにせこの格好で、病院へ行き、この格好で買い物に行き、この格好で寝るのである。勿論着替えはする。同じようなものが複数あるのだ。
 ポリエステルはいい。柔らかくて、汗もすぐ乾くし、洗濯が楽だ。綿だと汗は吸って気持ち悪いし、すぐに乾かない。汗っかきの僕には馴染まない。夏はポリエステルである。
 去年の夏、それでもインターネットでアロハシャツを買った。少しはおしゃれをしなくては、と思ったのだ。安かったし、柄も気に入った。金魚のオレンジに、黒のバック、なかなかいい。
 ところが買って失敗した、と思った。あんなに大きく書いてあったのに、目に入らなかった。レーヨン製であった。アロハシャツはレーヨン製が多いのだ。知らなかった。
 レーヨンは洗濯が厄介だ。ポリエステルのように洗濯機にポイってできないのである。仕方がないので、おしゃれ着用の洗剤を買ってきて、夜、洗面所で洗う。そして外に干して、朝、部屋干しにする。面倒くさいのである。だが折角買ったのでタンスの肥やしにするわけにもいかない。何度か着て洗った。
 今年、もう1枚アロハシャツを西海岸(そういう名前の古着屋)で買った。今度は麻混である。レーヨンと比べ、ガサガサする。1回着たけど、もういいや、って感じになった。せめてポリエステルを探せばよかった。だいたい外出することが稀なので、2枚もいらなかった。無駄な買い物をしたと悔やんでいる。
 レーヨンはレーヨンの良さがあるのだ。洗濯は面倒臭いが、やはりこれを着よう。
 今年の6月、アロハシャツを着て新幹線に乗って、娘のいる京都に行った。何やら田舎の爺さんぽく見えないこともないけれど。
 

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