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のろけ話

 妻は2ヵ月に1度、総菜を作って、京都にいる娘と広島にいる僕の母親にクール宅急便で送ってくれている。なかなか出来ることではなく、出来た嫁だというしかない。
 鶏ハムや、ハンバーグ、ニンジンシリシリ、ラタトゥイユ、チキンライスやドライカレー、豚の生姜焼き、唐揚げ、ハッシュドビーフ等々、10品目以上に及ぶ。
 娘は独身で仕事が忙しく、毎日遅くまで働いている。いわゆる中間管理職である。こういう総菜を送ってくれるのはありがたいことだろう。
 母親は来年90歳になる独り暮らしだ。自分で調理もするが、どうしても栄養が傾いてしまう。だから惣菜はタンパク質をなるだけとれるようにしている。
 一時期は僕もダイエットスープを作って参戦していたのだが、最近はご無沙汰である。どうしても大量に作ってしまうので、この季節傷みやすい。言い訳である。
 妻はバスガイドの仕事を極力減らして、家族の面倒を見る方に舵を取った。何しろ僕と息子は鬱で精神障碍者2級、長子は知的障碍者なので、心もとなかろう。
 それでも掃除洗濯、調理に至るまで、僕も頑張ってやってはいる。もっとも最近はエアコンを24時間つけているので、窓を開けないため、リビングの床が汚れることも少なくなった。洗濯も乾燥機付きなので、楽だし、調理は味噌汁を作る程度だ。
 僕が何かやらかしても、怒りはしない。ビールを飲み過ぎても、諭すように言い含めるだけだ。ひょっとすると最高の妻を得たのかもしれない。それは人生で最大の喜びではなかろうか。以上のろけ話でした。
 

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