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女性管理職を増やすために何をすべきか

女性管理職を増やすための施策には、押さえておくべきポイントが3つあります。

その1 上司の意識改革をセットで

 
女性管理職を増やそう!とすると、候補人材を集めて、マインドセットをし、マネジメントスキルを付与するような施策が真っ先に思い浮かびます。確かに「管理職になりたい」という声が少ない中で(女性だけでなく男性も…な現在ではありますが)、必須の取組だと思います。
しかしながら、女性本人にだけアプローチしていても効果は限定的だと言わざるをえません。

女性管理職候補として「管理職育成研修」に参加し、せっかく未来に向けて方向づけられても、日常に戻れば上司とのコミュニケーションも、渡される仕事や目標も変わらない。
研修によって一瞬上がった意欲も、「あの時はがんばろうと思ったんですけどね…」と、元通りどころか一度高まった分ガクッと低下してしまいます。 
上司にも、自身のアンコンシャスバイアスに気付き、管理職候補である女性に対して働きかけを変える機会を提供しなければ事態は動きません。
アンコンシャス=無自覚なので、自分で気づくのはそもそも難しいものです。

アンコンシャスバイアスに自分で気づくのは難しい


女性本人への働きかけと同じくらい、上司への働きかけによる効果は大きいと言えます。

その2 ライフイベントを踏まえた働きかけを


女性管理職を増やしたければ、候補となる人材を増やす必要があります。候補者を全員管理職にできるわけではないですから、一定の母数が必要でしょう。

女性のキャリアはライフイベントの影響を大きく受けます。最近は男性育休も義務化され男性に対してもライフイベントの影響が出始めていますが、女性は妊娠出産によって物理的にどうしても一定期間の離脱もしくは制限が発生します。体と心は強くつながっていますから、特に女性には心にも影響が出ます。

【女性の就労意欲曲線】  
ライフイベントから受ける影響を踏まえた施策設計、
変化のポイントとそれぞれの間を繋ぐ施策展開の継続性が重要になります。

管理職への育成プロセスにおいて女性社員の場合はよりタイミングを図る必要があります。
具体的には産育休から復帰した後に初めてリーダー経験を提供するのでは遅いかもしれません。子育てと仕事の両立で大変な時期に、更に未経験のマネジメントに挑戦するのは、相当の大変なことで、本人にも上司にも相当の覚悟が必要になります。そうなると互いに様子を見て、子育てがひと段落するまで待とう、という結論になりがちです。
タイミングとしては「できる限り前倒し」で良いと思います。

その3 施策に一貫性を


女性たちに管理職に挑戦しよう、と働きかける一方で、人事制度や組織運営などの仕組みを見ると、「管理職を目指しにくい」状態になっていることは、珍しくありません。

 例えば、時短勤務制度を選択したら等級が曖昧になり、期待役割が不明確になる。時短勤務からフル勤務に戻す時に、時短勤務の間の成長はなかったかのようにかつての等級にリセットされる。管理職が集まる会議は夕方から夜にかけて開催される。

本人への気づきの機会、上司への気づきの機会と同様に、組織施策全体を通して一貫性あるメッセージの発信が肝になります。
女性管理職を増やすことは、女性だけの問題ではない、組織全体、トップ含め組織一人ひとりの問題としてとらえる必要があるのです。



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