「自分の子は世界一かわいい｣って、本当ですか？
実は、正直、お腹の子どものことをめちゃくちゃに可愛がれる自信がない。
前回「将来の我が子に見せられないことは書かない」と決めたその舌の根も乾かぬうちに、なんだけれど。
もちろん子どもを授かれることを心から望んで、妊娠がわかったときは幸せな気持ちになったし、今も自分の命より大切なことに変わりはない。
でも、なんというか、すっごく可愛い！とか愛してる！とか、そういう感情ではない。上手く言えないのだけれど。
そもそも私はあんまり子どもが得意なタイプではなく、根っからコミュ障なのでもちろん子どもにも人見知りをしてしまう。
この間薬局で2歳くらいの女の子にシールブックを自慢されて、上手く反応できずカチカチに固まったアルカイックスマイルで頷いてしまったのも記憶に新しい。2歳さんは「大変遺憾である」といった表情で、自分のママの手を強く握っていた。ホンマにごめん。
妊娠して子どものことを考えるようになったとて、人格はそんなに突然変わらないのだ。
もちろん、お腹の中でスクスクと育っている我が子を見るとうれしい気持ちになる。4Dエコー写真で顔が見えたときにはかわいいな〜とも思った。ベビー服やベビーグッズに関しては(夫の許可を得ず勝手に)かなり散財したし、今はファーストトイを探すために近隣駅のアトレに通っている。
子どもが得意でないと言っておきながらわりとマタニティハイを起こしているっぽい内容になっているけれど、でも、私にとっては実家で飼っている猫のほうが無条件にかわいい。
「我が子はこの世のなによりもかわいい」「目に入れても痛くない」「産まれて顔を見た瞬間に泣いた」みたいなことを言う方は多い。が、猫の方が可愛くないですか？と思ってしまう。今のところはね。
我が子を大切に思う気持ちと、猫の方がかわいいだろ！と思ってしまう気持ちは、どちらも私の本音だ。
文字通り体を張ってここまで我が子を腹の中で育てているわけで、そんなこと愛情がなければ耐えられない。また今度noteにするけど、妊娠悪阻になって入院したり様々な騒動で夫とぶつかったり実母と険悪になったりラジバンダリした。それでも私は妊婦を辞めていない。これは我が子を大切に思っているから。
でも、私にとってベビーグッズを買ったりエコー写真をかわいいと思ったりするのは、若干「そう思わないと人として異常なのでは？」という気持ちがあるからかもしれない。母になるからにはお腹の子どもを無条件に100%愛してると言えなければならない、みたいな気持ちもある。
どちらも本音で、どちらも私の気持ち。
手放しで「かわいい」「愛してる」と言えないのは、ひとの生命があまりにも重たくて、ひとを育てるというのはあまりにも大変なことだからだと思う。
妊娠している期間、本当に本当に身体も心も辛いことが多い。でも、産婦人科医など医療に関わる方、保健師など行政の方、私の親族、夫の親族、全ての人の興味は「子ども」にしかない。(ちょっと語弊はあるけど私はそう感じました)
母体がどれだけ苦しかろうが悲しかろうが、そこには誰も興味が無い。産まれてくる子どもが無事であればHAPPY、産まれた子供が無事育つ環境ならHAPPY、そういう世界。
でも母になるからにはそれに耐えなければならないし、子どもの幸せのみを願い、自己犠牲は賛美される。
そりゃ手放しに「赤ちゃんが産まれるのめっちゃ幸せはっぴ〜♡マイベビー超カワイイ♡」とは思えなくても仕方ないのでは？(もちろん手放しに幸せな方はいらっしゃると思うし、それを否定するつもりはありません)
長くなった。
とにかく、いま私の気持ちはすごく揺れているということ。
何よりも我が子はいちばん大切だし、無条件に猫はかわいいし、実家の猫は目の中に入れても痛くないし、我が子はまだ目の中に入らない。
感情はグラデーションだし正解もない。矛盾した気持ちもぜんぶひっくるめて自分だよ、と自分に言い聞かせつつ、このnoteを終わりにします。
2024.11.21
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我が子へ
もしかしたらあなたを傷つけてしまうような内容だったかもしれない。いやな気持ちになってしまったら、ごめんなさい。
母は嘘をつくことが嫌いです。あなたに対して甘いお菓子を「これ辛いよ！」と言って誤魔化すことはするかもしれないけれど、家族にとって大切なことには絶対に嘘をつかないと決めています。
あなたを大切に思っていることも本当、責任と重圧に押しつぶされそうなのも本当なの。まだまだ弱い未熟な母ですが、あなたがこの文章を読む頃、また母の本音を聞いてくださいね。
P.S.あなたの父はあなたのベビー服を見ながら、ただでさえ垂れた目をより一層垂れさせています。目は口ほどに物を言う。父のタレ目は母の本音よりわかりやすいね。