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ビジネスニュースで学ぶ簿記・会計【円安・為替差益】
日経新聞をはじめ、ニュースサイトで出てきた簿記・会計用語を解説します。
当コラムの対象:簿記3級程度の知識がある大学生。就活中で日経新聞などニュースサイトでビジネスの欄を読んでいるが用語がわからない。
こんにちは。引き続き円安とインフレが続いていますね。
今回は円安になった時の簿記の処理と、円安・インフレの業績への影響を考えてみましょう。
筆者について
公認会計士試験(論文式)合格&日商簿記1級合格 税理士法人3年勤務ののち、監査法人2.5年間勤務中。 何回も不合格を経験し、何とか合格した凡人。勉強ができない人に寄り添った解説をします。
為替差損益について
範囲:簿記2級商業簿記
〇現金の時
1ドルの現金を持っていたとします。ここで、1ドル100円→150円に円安になったとすると、何もしていないのに50円分増えましたね。
これが「為替差益(かわせさえき)」といいます。収益(営業外収益)のグループですね。
現金50円/為替差益50円
〇仕入れたとき/支払ったとき
@100円の時に1ドル分仕入れたら仕訳は以下の通りです。
仕入100円/買掛金100円 仕訳の形は簿記3級で習いましたね。ドル→円に換算しただけで同じです。
支払うときは1ドルなのは変わりないですが、円ベースですと100円→150円と、50円分余計に支払う必要が出てきました。
この50円余計に払った分を為替差損(買掛金50円/現金50円)です。
買掛金100円/現金150円
為替差損50円
上半分の買掛金100/現金100は簿記3級で習いましたね。覚えていらっしゃいますか?
〇売った時/入金のとき
@100円の時に1ドル分売ったら仕訳は以下の通りです。
現金100円/売上100円 仕訳の形は簿記3級で習いましたね。
入金のときは1ドルなのは変わりないですが、円ベースですと100円→150円と、50円分余計にもらうことができます。
この50円余計にもらう分を為替差益(現金50円/為替差益50円)です。
現金150円/売掛金100円
為替差益50円
業績への影響について
円安が続いているため、輸出企業を中心に業績が良いのではといわれています。一方でインフレが続いているため原材料費も高騰しています。業績=利益への影響はどうでしょうか?
少し考えてみましょう。
円安(売上)…海外にとっては安く日本の製品が手に入るため、たくさん買ってくれる。=売上は増える
円安(原価)…日本は基本的に原油など海外からの輸入に頼って製造しているため、原価が上がりがち。=原価が増える
インフレはどうでしょうか?
BtoBの企業ですと、発注してから売上げるまでに数か月~1年かかることがあります。売上は契約・見積もり時のままなのに、原材料が少しずつ値上がりしてしまいます。いったん契約しているため、追加の請求も難しいそうです。
そうすると、利益が圧迫されがちです。
発注~売上までにタイムラグがある企業ではインフレを見越して契約をしないと厳しいですね。
最後に
これからも、ビジネスニュースで出てくる簿記・会計用語をわかりやすく解説していきます!お楽しみに!
※内容について
初学者向けのわかりやすさ重視のため、一部説明を省略したり厳密には不正確なところがございます。ご了承ください。
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