見出し画像

優生思想とは、、、

トレードオフを考えるのは難しい。めいいっぱい網羅的に思考しないといけないからだ。いつもなにか大事なことを見落としているのではないかという懐疑を持ち続けなくてはならない。

それはとてもしんどいことである。それに比べて、目の前のことにだけ集中するのはなんと気が軽いことだろう。

この記事の著者は緩和ケアを主たる業務とする医師らしい。

タイトルにある優生思想とは、

だが、世の中の不満を代弁するかのような「感染対策が過剰」「若者が高齢者の犠牲になっている」という見解は一定の支持を得た。実際に識者も、そして私自身も交流があった医療者が何人もその主張に手を染めるようになった。

というような思想のことらしい。

繰り返すが、延命医療の問題は、終末期で意思決定ができない人が、自分の意思とは異なる意思決定がされてしまう可能性があることが最大の問題だ
他人が「あなたの年齢なら、ここで死ぬのは寿命だから治療は無意味。感染対策も緩め、高齢者が亡くなるのは是認し、若者に犠牲が少ないような社会に」と一律に決めてかかることとは異なる。
(太字は引用者)

終末期において個人の意志が尊重されるべきという意見には総論賛成である。
しかし自由な意思決定が最大限に尊重されるべきなのは、そのコストをその個人が負担している場合であろう。自腹なら誰もこんなに悩まないんだよ。

実際の日本の医療はそのようになっていない。現役世代の過大な負担によって成立している。労働者は自己の生産物の少なくない割合から疎外されているのである。終末期の個人の意志を尊重する代償として、労働者は自己の生産物の対価をどのように使うか決定する権利の何割かを放棄させられているのである

というようなことを考えているときに、ついついTwitterを見てしまい、トイアンナ氏の記事が目に入ってしまった。

女性にモテるには清潔感を演出する必要があり、それには金がかかる、また年収と婚姻率には強い相関がある、といういつもの話である。

そして、これまたいつもの話であるが、

さらに政府の人口動態調査によれば、未婚男性の平均寿命の中央値は66歳だが、既婚だと81歳になる。女性にはこれほどの差がないので、男性は目立って未婚・既婚で寿命が変わりやすい。誤解を恐れずに言えば「非モテ男性は、既婚男性とくらべて15年早く死ぬ」のである。
自身のせいではない理由で貧困においやられ、非婚化し、寿命まで短くなる傾向が強い非モテ男性。これを単純に「自己責任」で片付けてよいのだろうか。非モテという言葉は軽く聞こえるかもしれないが、これは国の非婚化、ひいては人口問題なのである。

ということだ(女性では配偶者の有無でこれほどの差はつかないが)。

過度の感染対策や過大な社会保険料負担で景気を引き締めると、多くの人々を未婚に追いやり、さらに男性においては寿命を縮めることになる。というか、この20年以上税や社会保険料でこれをずっとやってきたのだ。この2年で感染対策が加わっただけである。

不景気や社会保険料の負担で配偶者を得られないような弱者は長く生きなくて良いし、子供も残さなくて良いということなのだろうか?

どっちが優生思想なんだ?

ここから先は

888字
今まで200円くらいで販売していた記事を50本程度収録する予定。

新反動主義、加速主義(右も左も)を背景とした記事を書いていきます。

サポートは執筆活動に使わせていただきます。