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トップガンの予習をしましょう

『トップガン マーベリック』非常に好評だなあ。私もこの週末にようやく観に行けそうだ。

というわけで前作『トップガン』について触れておこう。まだ観てない人が観たくなるようにね。

いわずと知れたトム・クルーズの出世作である。本作にと同時期に『ハスラー2』、『カクテル』に出演し、一気にスターダムを駆け上がる。

落合信彦大先生によると彼は、トップガンはジェットコースターみたいなもんで一回乗れば十分だと宣ったらしい。実際、そのすぐあとにアカデミー作品賞受賞した『レインマン』、監督賞の『7月4日に生まれて』に出演し実力派としての名声も手にする。(ミッション・インポッシブルシリーズまでわかりやすいアクション映画に出演することはなかった)

私は落合信彦大先生の影響を受けているので、トップガンよりもオスカーとってるような作品のほうが優れていると中学生のころは思っていた。典型的な中二病である。しかし実際に大人になってから繰り返し観たのはトップガンだった。今なら自信をもって、トップガンこそがトム・クルーズのベストロールだと言い切れる。

そんなわけで私はDVD持ってるんだけど、今はAmazon Primeで観れます。

新作鑑賞する前に予習しておきたい人のために、要点を解説しようと思う。早送りで見たい人にも配慮するので最後まで読んでいってください。

マーベリック(トム・クルーズ)はイケイケドンドンな若い戦闘機乗り、腕を見込まれて空軍のエリート養成コースに送り込まれるのだが、、、というところまでが15分。

最初の13分はめちゃくちゃかっこいいので等速で飛ばさずに観よう。戦闘機の離発着が非常にいい。パイロットとレーダー員以外のクルーもわりとちゃんと映っているのがいい。またマーベリックは僚機を見捨てない、という点も大事だ。

そしてミラマーの空軍基地へ舞台は移るのだが、KAWASAKIのニンジャ乗り回したりなど重要なシーンもあるが、しばらくは飛ばし飛ばしでもOK。

というか女性教官との恋の駆け引き、ビーチバレーでムフフなど、いかにも80年代青春映画って感じで、慣れてない視聴者は小っ恥ずかしいかったり、居た堪れない気持ちになるだろう。私は30回くらい観てるのでなんとも思わないけどね。

空軍基地で訓練を繰り返すのだけど、イケイケドンドンだったマーベリックは大きな挫折を経験するのが1時間4分くらいから。ここからは一瞬たりとも見逃してはならない

挫折して凹んで、教官たちとのやりとりを経て、再び第一線に送り込まれて大勝利を得る、というわかりやすい筋書きなのだが、何回観ても感動する。倒れても立ち上がる強さを与えてくれる

向こう見ずであるがゆえに同僚たちとも半目するが、最後には結果を出すことで仲直りするのも青春映画って感じでいいよね。


本作はトム・クルーズ以外にも若いスターやいぶし銀俳優が大量に出演している。

まずマーベリックのレーダー員グース役のアンソニー・エドワーズ。マーベリックを陰に陽に支える重要な役だ。
マニアの間では『ナーズの復讐』なんかが有名だが、彼を世界的俳優にしたのはドラマ『ER』のグリーン先生だろう。

トップガンから8年でだいぶ髪が薄くなってしまってるのが哀愁を誘う。


グースの妻役はメグ・ライアンだ。ラブコメの女王として世界を制するのはこの数年後であり、本作ではフレッシュさを全面に押し出している。


マーベリックのライバルであるアイスマンを演じたヴァル・キルマーも本作で名を挙げた一人だ。不敵な笑みはこのころから今も変わっていない。顔も名前も危険なアイスマンが、マーベリックに向かって「お前は危険だ」って言ってるのは笑える。


もう一人の好敵手ハリウッドの相方はティム・ロビンス。しかし彼はその後の大活躍が信じられないほど目立たない。。。


父親のような上司を演じさせたら右に出るものはないトム・スケリットは、マーベリックの父のことも知る教官を演じた。落ち込んでいるマーベリックを見つめる視線が優しい。


鬼教官を演じるのはマイケル・アイアンサイドだ。あまたの映画で鬼軍人を演じたアイアンサイドのベスト・ロールは名作『スターシップ・トゥルーパーズ』のラズチャックなのだが、どれもだいたい同じに見えてしまうくらいこういう役柄が板についている。


ヒロインのケリー・マクギリスは民間から派遣された教官を演じた。マクギリスはこのあと『告発の行方』でも女性検事を演じ、知的な美女ポジションを確保するかと思われたが、そのポジションで大成したのは同作でオスカー主演女優賞を獲得したジョディ・フォスターだった。色々あって女優としてのピークはこのころになってしまった。

昨年ころに、今も若々しいトム・クルーズと、年齢相応()になったマクギリスを対比する写真がネット上に出回り、新作にカメオ出演すらしないのだが、今は幸せに暮らしておられるようだ。

誰もが年齢相応()になるし、いつかは死んでしまう。しかしキャリアのピークを永遠にフィルムと記憶に残せるのは羨ましいと思うのであった。


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