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『トップガンマーベリック』観てきたよ

昨日、関西某所のIMAXシアターで『トップガンマーベリック』観てきたのだ。IMAX版は2500円もするけど、その価値はあったと思われる。まあ通常版観てないから断言はできないけど。

全体としては非常に面白く、前作を知らない人でも存分に楽しめる内容だった。しかし前作のファンならより感動できる。というか、お前らこれが欲しいんだろ?と言わんばかりに涙腺をグイグイ押してきやがった。思っていた以上にグースのことが大きかったのだ。

というわけで感想を書いていく。多少ネタバレがあるのでご注意ください。
前作についてはこちらの記事をご参照ください。

まずトップガンのテーマに合わせて、パラマウントのロゴの下にa Don Simpson/Jerry Bruckheimer Filmと出てくるだけでうおーってなる。そして前作同様のテロップ、「米海軍は戦闘機のキルレシオを改善するためにエリートパイロットを集めてどうたらこうたら、そして彼らはトップガンと呼んだ」でもう1回うおーとなる。

オープニングは前作同様、空母での離発着シーンだ。私は提督業をしていたこともあるので、これは感動する。

戦闘機はもちろん、クルーのメリハリのある動きもかっこいい。

次にマーベリック(トム・クルーズ)の現在。かつての同僚グースとその妻の写真などに囲まれて一人でよろしくやっている。仕事はめっちゃ速い試作機のパイロットで、ここで相変わらず無茶をやっている。限界突破するときに、”Doctor me, Goose"とつぶやくのだが、この重要なセリフの訳が「やるぞ、グース!」になっててやや萎える。(*私の聞き間違い、Talk to me, Gooseと言っている)
この台詞は前作のクライマックスにて、アイスマンらの援護に発進したマーベリックが、グースを失ったショックから立ち直れずに戦闘に参加するのを躊躇するときにでたものだ。

まあそれはどうでもいい。無茶をやらかしたマーベリックはエド・ハリスにめっちゃ怒られて左遷されそうになるが、今や少将となったアイスマンの要請でトップガンの教官として呼び戻される。
米国および同盟国の脅威になりうる核施設の破壊というミッションの実行部隊の指導なのだが、そこにはグースの息子ルースターが含まれていた。

グースだけでなくその息子まで失いたくないマーベリックは困惑する。またパブでルースターがGreat Balls of Fireを演奏したとき、かつてを思い出してなんとも言えない気分になるのであった。前作のファンはここで1回泣きます。このちびっこがこんな立派に成長したのね。

ここからは訓練シーンとか、元恋人とヨリを戻すとか戻さないとか、ベタな展開が続くのだが、お約束を踏まえることも重要なのである。

前作ではビーチバレーで親睦を深めたが、今回はビーチアメフトだった。

訓練中にちゃんと事故もある。前作ではグースが亡くなっているため、かなりドキドキした。

マーベリックはグースを失くしたこと、グースの妻の「息子をパイロットにするな」という言いつけを守ったことで、ルースターと反りが合わない。そのことで悩んでいるときにうまい具合にアイスマンに呼び出される。
マーベリックがアイスマン宅を訪問するシーンは、明らかに前作のバイパー(トム・スケリット)とのやりとりを意識している。バイパーは、グースのことを引きずるな(You gotta let him go)とアドバイスするが、アイスマンはIt's time to let goと助言するのだった。

この動画の7分3秒のとことからね。

厳しすぎる訓練と事故、そして後ろ盾のアイスマンが亡くなったことで、マーベリックは任務から外されてしまう。自分が厳しい訓練を課さなければ若者たちは目標は破壊できても生還できない、このまま引き下るのかと悩む。そしてヒーローはこうでなくちゃという方法で復活するのだった。個人的にはここが一番感動したかな。

そして反米な某国でのミッションが始まって、ここからはひたすら手に汗握るシーンが続く。クルーズミサイルがF18を追い越していくシーンはなんかかっこよかった。あんなふうに飛んでいくんだなあ、撃たれたほうはめっちゃ迷惑だなあとも思った。

とてもぐっと来たのは、なかなか自分の殻をブチ破れないルースター、このままでは目標に到達できない、、、というときに”Talk to me, Dad”と呟いて一気に加速するシーンだ。前作のマーベリック同様に、父親のことでメンタルに問題を抱えていたルースターは、一気にそれを振り切るのだ。かっこいい。

そしていろいろあって、最終的に母艦になんとか生還したマーベリックとルースターは仲間とともに喜びを爆発させるのだった。めっちゃホモソ。これも前作と全く同様、めちゃ感動したのであった。

そしてお約束のF14で管制塔の前を轟音で横切るシーンもあったが、ここはその瞬間しゃがんでコーヒーこぼさずにすんでいるのだ。ちゃんと学習してるじゃんっていう気分になった。


ストーリーはわりと大味だけど細かいところには気配りされている。

例えばマーベリックがトップガンに戻ってきて、まずパブで元恋人ペニーと再会する。そこで彼女に、前作から現在までなにをしていたかや、相変わらず向こう見ずなキャラであることを語らせている。これによってペニーと今後なにかありそうと予感させるとともに、説明的になりすぎない配慮がされている。
この場面では、前作の後に2度のイラクとの戦争、ボスニアでの紛争に派遣されたことに言及されており、オーディエンスはマーベリックは現実にどこかにいそうな軍人としてとらえることができる。

元恋人を演じたのはジェニファー・コネリー。最近まじめに映画を観ていないので、『ビューティフル・マインド』や『ハルク』以来だ。相変わらずきれいだなあと思った。

そもそも彼女のキャリアはかなり長いので、もう年齢相応()の見た目になっていてもおかしくないのにね。また『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の可愛すぎるヒロインがこんなふうになったかと感慨深いものもあったのである。

それで、前作のころはなにをしてたのかとフィルモグラフィーを見直したら、ダリオ・アルジェントに蛆虫・ウンコまみれにさせられた『フェノミナ』だった(白目)

まったく、1980年代は多様性に満ちたいい時代でしたね。

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