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【Y.S.C.C.】プロ初凱旋の浅川隼人は古巣の現状をどう見た?~J3 第22節 vs ロアッソ熊本(2020.10.17)~

 皆さんこんにちは。

 ロアッソ戦、リアタイが出来なかったのは非常に痛恨でしたね。あいにく自分のクラブの1DAY大会出場の様子を見に行かなきゃいけなかったのもありましてね。それでも速報は追ってました。

 それにしてもホーム、浅川隼人の凱旋試合。リアタイどころかニッパツに行きたかったくらいですよ。マジで行きたかった。しかし今シーズン僕がリアタイできなかった試合ってことごとく0-0なんですよね。開幕の相模原戦、先日のアウェイ秋田戦と続いてたので、この試合もまあ0-0適って予感はしてました(笑)

 しかしここまで後半戦4試合で得点は1。前半戦とトータルすると、奇遇ながらアウェイ熊本戦から続けてなんと5試合で流れの中から1点も取れてません。失点は嵩み、得点は全く入らない。まさに最悪の状況が続いています。

 前回対戦時のレビューです。参考までに。

 それでは早速振り返っていきましょうか。

【明治安田生命J3リーグ 第22節 Y.S.C.C. vs ロアッソ熊本】
Y.S.C.C. 0 - 0 ロアッソ熊本
得点経過
なし

スターティングメンバ―(Y.S.C.C.のみ)
GK 1 大内 一生
DF 13 長澤 卓己
DF 2 花房 稔
DF 5 池ヶ谷 颯斗
DF 9 大泉 和也
MF 7 宮尾 孝一
MF 4 土館 賢人
MF 8 吉田 明生
MF 6 佐藤 祐太
FW 11 宮本 拓弥
FW 18 音泉 翔眞

SUB
GK 16 佐川 亮介
DF 23 船橋 勇真
DF 25 西山 峻太
MF 20 田場 ディエゴ
MF 21 山本 凌太郎
MF 26 植村 友哉
FW 27 古山 蓮

選手交代(Y.S.C.C.のみ)
29分
DF 5 池ヶ谷 颯斗DF 23 船橋 勇真
73分
FW 18 音泉 翔眞FW 27 古山 蓮
79分
MF 6 佐藤 祐太MF 21 山本 凌太郎
79分
FW 11 宮本 拓弥MF 20 田場 ディエゴ
79分
DF 13 長澤 卓己MF 26 植村 友哉

 スタメンは2人だけ変わりました。秋葉は先週担架で運ばれたまま、まだ戻れなさそうな感じですね。ベンチ外です。そしてディエゴもこの試合はベンチへ。代わりに翔眞と長澤の2人がスタメンに入ります。それにしても最終ラインのメンバーが安定しない。何度も入れ替えてますが、固定しても良いのでは?とも思います。まあ固定したくても負傷者も多かったりしてうまくいかない部分もあるでしょうね。

 スタートのフォーメーションは5-1-2-2、熊本戦用のフォーメーションだと思いますが、完全に守備的なフォーメーション。深刻な得点力不足は一旦置いといて、まずは守備でしっかり固めてカウンターを狙う感じだと思います。今日はサイドも中央もしっかり人を置いているので、攻撃は前線の4人だけに任せることになるでしょう。
 並びは右から長澤-花房-土館-池ヶ谷-大泉の5バックに、佐藤の1ボランチ。2列目に吉田と宮尾が入り、2トップは宮本と音泉。徹底的にピッチのサイドと中央を固めきっています。対する熊本は4-1-2-3、前回と変わらず前線からボランチに掛けての逆三角形です。まさに超攻撃サッカー。左ウイングに位置する谷口は12点で得点ランキング首位に立っています。そしてベンチにはプロ初のニッパツでの古巣対戦となる浅川隼人。チームも全体的に連敗を止めて調子がかなり上がっています。

 さぁキックオフ。そろそろマジで流れの中から点取ろうな。後半戦1回も観てないからな、綺麗なシーン。

 開始早々はほぼほぼ交互にチャンスを創ります。熊本が最初に岡本、小笠原の連続シュートで攻撃の火蓋を切ると、逆にY.S.C.C.も熊本のディフェンスラインの裏に際どいスルーパスを出してチャンスを演出し、応戦します。シュートまでは繋がらないんですが、うん、立ち上がりはここ数試合の中では1番いいかもしれない。

 試合が落ち着き始めると、熊本は中盤で小刻みにパスを繰り返しながらボールを支配します。これに対してY.S.C.C.も行きすぎない程度にプレスを掛け、ボールを奪うチャンスを模索します。主導権こそ熊本が握ったままですが、それでも自陣に混乱と恐怖を与えさせずに時間が経過していきますが、正直この時点で熊本としても作戦の再考を突き付けられていたかもしれないですね。中盤でプレスを掛けられ、何度か下げざるを得なくなる場面が見られたので。

 そして12分、ディフェンスラインでパスをカットし、繋いで中盤から縦に入ったボールに翔眞が反応。ディフェンダーと入れ替わって抜け出すと、そのままペナルティーエリアに侵入してビッグチャンス、右足を振り抜く一撃を見舞う!も、これは枠の外。わずかに外でした。1つ攻撃の形が結実しましたが、あとは枠に飛ばして欲しい。

 しかしここからボールを保持できるようになり、最終ラインでボールを回せるようになります。一生も含めて後ろでボールを動かしてキープしながら攻撃の組み立てに尽力します。しかしまだちょっとここのパス回し、特にバックパスの安定感が怪しいんですよね。分かってるから当然熊本の前線もガンガンプレス掛けてくるし。間違いなく最終ラインでのパスはどのチームからも狙われてます。

 ここからサイドを使われて2度3度クロスが上がったものの、ギリギリで中の選手に合わなかったり、手前でディフェンダーがクリアしたりと、失点に直結するようなピンチは創りません。

 なかなか動きが見られないまま飲水タイム。ここで両監督から綿密な指示が送られます。Y.S.C.C.としてはここまでスコアレスは想定内。一方の熊本は少し攻撃の糸口を見つけるのに苦労しているんじゃないかと思います。

 試合再開。熊本がボールを握ります。しかしY.S.C.C.も前半序盤のプレスとは変わって、自陣での守備に変化をつけてきました。積極的にプレスを掛けるのではなく、前線だけがボールを追い、自陣まで入ってきた途端に自陣内の全体の選手の配置を流動的に変化させ、ポジションの入れ替えも頻繁に行い、熊本の攻撃に柔軟に対応するようになります。動き回る熊本の選手たちを捕捉するかのようにY.S.C.C.の選手も動き、守備時に死角を創らず、全体を網羅しながらボールと相手を深い位置までは入れさせません。これには熊本の攻撃陣も思うようにはいかず、厳しい時間を強いられるようになったんじゃないですかね。

 そしてこの守備がハマり、前線から連動した守備でボールを奪うと、一瞬で拓弥にスルーパスが通ります。ビッグチャンス再来かと思われたこのシーンは残念ながらオフサイドの判定。まあ少し拓弥の飛び出しが早かったですかね。ただ攻撃も機能し始めたようです。いい流れ。

 しかしここでY.S.C.C.ベンチに動きが・・・なんともう船橋がアップを始めてユニフォーム姿に・・・?バックラインの誰かの故障かな?と思ったんですが、全く何もなく、全員が通常通りプレーしています。そしてプレーが切れたタイミングで、颯斗が下げられました。船橋はそのまま颯斗の位置に入ったようですね。何だろう、戦術的な交代だとは思いますが、今一つシュタルフ監督の狙いが見えません。少し時間を置いて観てみるしかなさそう。

 この直後には上がってきた孝一がクロスを入れ、拓弥の頭に合えばという場面を創りますが、これはGK内山のキャッチで阻まれます。互角の展開をここまでは出来ていますが、攻撃面で最後の部分が及びません。

 ここから熊本、前半のうちにリードを奪いに本気で来ます。32分、衛藤からパスを受けて中原がペナルティーエリアの手前から左足でシュートを放ってきますが、これはわずかに枠の外。さらに35分にはコーナーキックから一生がパンチングしたセカンドボールにダイレクトのボレーシュートが撃たれますが、これも枠の外。畳みかけるように36分、左サイドの中央あたりから上げられたクロスに高橋が反応し、ゴール前に飛び込んでくると頭で合わせられますが、今度は一生がしっかりセーブ。さらにまだ続きます、39分、河原から横パスを受けて岡本がペナルティーエリアの手前から右足でグラウンダーの強いシュートを放ってきますが、これも再び一生がしっかりシャットアウト。熊本の攻撃陣を前に一生が立ちはだかります。

 あ、この辺で分かりました。2列目から飛び出してくる岡本の対応を考えると、颯斗よりも船橋の方がいいですね。颯斗は全体を見渡すことが出来る一方、他の選手のカバーエリアもよく見るあまりに死角から飛び出されると対処しきれない部分もあるんですが、船橋に岡本のマーク「だけ」を指示して投入すれば、岡本の飛び出しをしっかり抑えることができます。それに船橋の場合は「ディフェンスラインから一気に持ち上がって相手のエリアを突く」こともできますからね。ある意味人間ミサイルです。

 全体をカバーできる選手は確かに強いんですが、こうやって飛び出してくる選手がいる場合、抑止も兼ねてワンポイント選手、そして攻撃にも転じることが出来て相手の動きを多少でも制限できる選手の方が適していることもあるんですよね。颯斗の場合はディフェンスライン全体を気にしすぎて、こういう格上相手の試合ではなかなか思い切りの良さを出せないことがしばしばあったんですが、船橋ってそういうのも割とお構いなしに上がってく場面が結構あるんですよね、相手にとって(そしてたまに味方にとっても)脅威になるんですよ(笑)

 そうこう言ってるうちにまたしても攻守の入れ替わりです。Y.S.C.C.が攻撃の方に転じます。41分、明生さんからのスルーパスに抜け出した祐太がペナルティーエリアの左からそのまま左足でグラウンダーのシュート!しかしこれは上手く当たらなかったのもあり、ゴールネットの内側ではなく外側をを揺らしてしまいました。

 この場面以降は翔眞のナイスディフェンスもあって熊本の攻撃をほとんど自陣に入れさせることなく前半を終えました。とりあえずまず無失点での前半終了は1ついい材料ですかね。割と一生のおかげでもあるんですが。

 熊本としてはなかなかゴールを割れず、焦らされてる感じもしたんじゃないですかね。先制点を前半のうちに取って主導権を握ろうというプランはこの時点で消滅したでしょう。後半開始から攻撃陣にテコ入れしてくる可能性は十分にあると思いますが、こういう場面、相手で欲しい選手は1人しかいませんね、浅川隼人です。

 熟知した相手を切り崩すのであれば間違いなく有用なカードですし、それ以外でも裏抜け、ゴールへの最適解の発見、そしてゴールを貪欲に狙い。相手のマークを獲得できるストライカーという部分でも間違いなくこの場面で使いたくなるでしょう。

 さぁ予想通り、後半開始から出てきました。背番号11、浅川隼人の姿がピッチにあります。後半キックオフ、まずは浅川を抑えるというミッションからスタートになりそうです。

 47分にはいきなり 谷口からのGKとディフェンスラインの間への鋭いクロスに浅川が反応しますが、これは一生が防ぎます。このカウンターの流れから今度はY.S.C.C.が攻撃。後方からの浮き球のパスに反応した翔眞がペナルティーエリアの手前からそのままシュート!しかしこれはGKにセーブされます。さらに今度は熊本が反撃、左サイドの深い位置まで谷口に抜け出されると、クロスを上げられ、これを2列目からファーサイドに走り込んできた岡本が右足のアウトサイドでシュートを放ってきますが、これは枠の外。後半開始からいきなり攻守が目まぐるしくなりました。

 ここからは少し落ち着き、前半の立ち上がりと同様に、ボールを持つ熊本と守るY.S.C.C.の構図になりました。まずはブロックを敷いた状態で様子を見ながら守備をするY.S.C.C.は、奪い返してカウンターに転じる場面を狙いますが、奪ってもカウンターを自陣のうちに潰されてしまうので、なかなか敵陣に入れません。熊本は攻撃が最強!みたいなイメージが強いと思いますが、リーグの前半戦の半ばくらいからは守備、特に敵陣で奪われてからのディフェンスが凄く早くなってるんですよね。その改善が後半戦になって非常に安定してきていると思います。奪われても自陣に攻撃を展開させないディフェンスが出来るからこそ、安心して波状攻撃も出来るわけですしね。

 そうこうしているうちにボールを保持され続けた流れの中から右サイドの中央でボールを谷口が受け、そのままドリブルで中央にカットインすると、ペナルティーエリアの手前から思い切り右足を振り抜いてシュート、なんとかこれも枠を外れてくれました。さらにゴール前に上がった中原のクロスに浅川が飛び込むシーンも見られますが、ここは稔が体を張って守り抜きました。

 なかなか敵陣に侵入できない時間が続きますが、65分に左サイドから上がってきた和也がボールをキープし、ドリブルで侵入するとそのままゴール前にグラウンダーのクロスを入れます。これはディフェンダーにニアでクリアされたものの、このこぼれ球に反応した祐太がペナルティーエリアの中央から左足で合わせる!しかしこれも再び枠の外。枠に飛ばないのは厳しい。そろそろ枠に飛ばしてくれ・・・。

 熊本はその後、パスを巧く繋いで何度かペナルティーエリア内に侵入してきますが、もはや人海戦術、枚数を掛けてY.S.C.C.は潰しにかかります。徹底的にボールホルダーの前に立ちはだかり、パスコースもシュートコースも人数の差で潰し、ボールホルダーを圧殺して防ぎ、セカンドボールにも体を張って対処します。まあここまでやられたら流石の熊本の攻撃陣でも全くと言っていいほどゴールに近づけなくなるでしょう。数分間はこれで耐えしのげば、間違いなくこの試合ではチャンスが巡ってくるはず。熊本もそろそろ先制点を取らなければという焦りで動き出すでしょうから。

 ここで飲水タイム。結局また暑さが戻ってきましたね。

 そして再開して数分でY.S.C.C.ベンチが2枚目の交代に動きます。下げるのは翔眞、前半の最終盤ではナイスディフェンスを見せました。変わって入るのは蓮。さぁやってやれ、前節の悔しさまで全部ぶつけて来い。

 しかしなかなか双方思うように試合を進められない中、78分には左サイドを岡本に代わって入った樋口に突破され、一生とディフェンスラインの間に速いグラウンダーのボールを入れられます。これは防いだものの、こぼれ球に反応した衛藤が右足で強烈なシュート、失点を覚悟したこのシュートはしかしまたしても一生がファインセーブ!この試合、一生マジで当たってる。

 そしてここでY.S.C.C.ベンチがまた動きます。3枚替え。祐太、拓弥、そして抜擢された長澤を下げ、凌太郎、ディエゴ、そして植村を投入。長澤に関してはよくあの攻撃陣を抑えていたと思います。想像以上に良かったのは間違いない。祐太もいくつかのチャンスを演出してくれました。拓弥、マジでそろそろ決めて欲しい。2桁得点のエースの意地を見せて欲しい。もう何試合も点が、1点さえも遠くなってる。このあとは代わって入る3人に行く末を託します。

 いい加減熊本も焦り始めてきたようです。ボールを保持し、圧しに圧しまくってるにも関わらず、なかなかゴールを割れない上にところどころピンチを創るという一番ジレンマの強い展開。昇格を争うにはやや厳しい展開ともいえるでしょう。

 86分にはファールの判定を巡って大声で抗議したシュタさんにイエローカード。監督なのに累積警告を気にしなければならない時期になってきたようですね・・・。しかしこれはこれでシュタさんの良いところでもあるので、別に気にしてません。

 次々と攻撃の選手を入れ替えてY.S.C.C.ゴールに迫る熊本、89分には浮き球のボールに反応した小笠原が完璧なコースに向けてヘディングシュートを放つも、これはなんと一生、右手1本でワンハンドセーブ!まさにウルトラセーブ!ここまで当たってる彼は本当に加入後初かもしれない!

 そしてアディショナルタイム、試合がまさにもうすぐ終わろうかという場面で、ペナルティーエリアの中に入られて樋口から中原へとテンポよくパスを繋がれると、最後はペナルティーエリアの手前から黒木が左足で強烈なシュートを放ってきます。一瞬の静寂があったこの一撃は、何とかクロスバーが阻んでくれました。いや、これも入ったと思ったんですよ。マジで焦りました。

 そのまま試合は終了。スコアレスドロー。2節前の秋田戦に続き、昇格を最上位で争うクラブを相手に勝ち点1を得ました。

 正直、難しいゲームでしたし、いつどこで失点してもおかしくなかったでしょう。もっと言えば、一生が覚醒してなければ何失点しててもおかしくはなかったと思います。それくらい、特に後半は圧されまくってましたしね。

 この試合に関しては勝ち点1を拾えてよかったという感想ですが、未だに点が入らない、しかもよりによって、前半戦のこのカードから流れの中で点が取れていません。それは不変の事実です。

 こういう時に攻撃陣、特にエースがゴールで咆哮を上げるのが一番大事なんですが、まだ拓弥はセレッソ戦のPK以来ずっと沈黙したままです。得点王争いをしているストライカーとしてはいささか寂しく、物足りない後半戦になっています。

 確かに拓弥だけの問題じゃないです。秋田戦ではピーダーが決定機を2つ決めれなかった。ディエゴはまだまだシュートへの意識が足りない、そして2列目の選手たちはシュートの意識はいいものの枠に飛ばせない、こういう状況であるのは確かです。しかし、こういう時だからこそ何よりも誰よりも一番点を獲って欲しい、いや、取らなければいけないのは間違いなく背番号11番です。

 同じ背番号11を着けている浅川は、この試合をベンチから、そしてピッチからも観ていました。昨年ブレイクし、飛躍の場所となった古巣を見て、彼はどう思ったでしょうか。エースを託された水色の11番の姿を見ながら、どう思ったでしょうか。シュタルフチルドレンの申し子ともいえるこの生粋のストライカーの目に、今のチームはどう映ったんでしょうか。

 ここから残りの試合で、少しでも得られるものを多くしてほしい。そのためにも間違いなく「宮本拓弥のゴール」は不可欠です。

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