見出し画像

【Y.S.C.C.】能力差の壁を壊して成し遂げたジャイアントキリング~J3 第16節 vs 鹿児島ユナイテッド(2020.09.19)~

 はーい皆さんこんにちはー!!!!

 アウェイ3連戦、前節の岩手、盛岡から始まったこの地獄の連戦は、今回2戦目、鹿児島戦を迎えました。しかし岩手から鹿児島ねぇ・・・一応本拠地の横浜に戻ったうえで中6日、前泊で鹿児島入りしているとはいえ、移動だけでもかなりハードなアウェイ戦ですよね。

 んで、実際鹿児島は昨シーズン1年だけとはいえJ2で戦ってきた猛者。今シーズンもJ2クラスの戦力を揃え、当然昇格争いに絡んでいます。まさに巨大な山。爆発すると怖い山。さあそんな山に我々はどう立ち向かっていけばいいのか。

 さて、振り返っていきましょうか。

【明治安田生命J3リーグ 第16節 鹿児島ユナイテッド vs Y.S.C.C.】
鹿児島ユナイテッド 1 - 2 Y.S.C.C.
得点経過
17分 失点
64分 音泉 翔眞(←田場 ディエゴ)
88分 宮尾孝一(=PK)

スターティングメンバ―(Y.S.C.C.のみ)
GK 1 大内 一生
DF 2 花房 稔
DF 4 土館 賢人
DF 5 池ヶ谷 颯斗
MF 6 佐藤 祐太
MF 7 宮尾 孝一
MF 10 柳 雄太郎
MF 8 吉田 明生
FW 9 大泉 和也
FW 11 宮本 拓弥
FW 18 音泉 翔眞

SUB
GK 16 佐川 亮介
DF 23 船橋 勇真
DF 25 西山 峻太
MF 19 和田 幹大
MF 20 田場 ディエゴ
FW 15 ピーダーセン 世穏
FW 27 古山 蓮

選手交代(Y.S.C.C.のみ)
7分
MF 6 佐藤 祐太DF 25 西山 峻太
63分 FW 11 宮本 拓弥→FW 15 ピーダーセン 世穏
63分
DF 25 西山 峻太MF 20 田場 ディエゴ
76分
FW 9 大泉 和也DF 23 船橋 勇真
76分 FW 18 音泉 翔眞FW 27 古山 蓮

 ベンチが埋まりましたね。和田くん久しぶりのメンバー入りですよね?蓮が2試合連続のベンチ入りを果たしました。このメンバーの大半は間違いなく中2日の熊本戦もメンバー入りすることになると思いますが、とにかくコンディショニングが重要。とはいえ温存出来るような相手でもないんですよね。難しい。スタメンは変更なし。それにしてもオニエはどこ行ったの?そして翔真と蓮はもうそろそろ点決めて欲しい。

 スタートのフォーメーションは4-1-4-1、いつもと違うパターンです。まあどうせ試合中にコロコロ変わると思いますし、フォーメーションとかもう関係ないかなとは思いますが。
 並びは右から花房-土館-宮尾-池ヶ谷の4バックに、佐藤の1ボランチ。2列目が大泉-柳-吉田-音泉で、1トップは宮本。同じメンバーでフォーメーションを変えた感じかなと思います。対する鹿児島は4-2-3-1、2列目は狭いです。ざっくり言えばシャドー3枚並べてるのと同じ。先日、新潟から岡本將成を育成型レンタルで獲得。フォゲッチ、二ウドのブラジル人2枚に加えて米澤、枝本、牛之濱の2列目の3人、そして1トップの萱沼というスタメンもさることながら、ベンチに青山直晃とか馬場賢治とか酒本憲幸とかいるのなんなんですかねぇ?格差社会こっわ。

 さぁキックオフ。前節いい感じで勝てたんで、この試合も勝利を狙っていきたい。難しい試合にはなると思いますけどね。

 まあ当然ですが鹿児島にボールを持たれる展開でスタートします。いきなりフリーキックから自陣ペナルティーエリアを脅かされる展開になり、あわや失点というところで祐太が必死のクリアをして事なきを得ます・・・あれ?祐太倒れてるんだけど?

 立てない。スローで見ると、クリアした直後に二ウドが祐太の右足首を踏んだんですかね?故意ではないのは分かるんですけど、確かに危険なプレーで二ウドにはイエロー。しかし祐太は立てないまま、2分のストップの末に担架でピッチの外へと運び出されます。まさかの開始5分で負傷退場、ここで1枚目の交代カードを切ることが不可避となりました。

 で、峻太を投入するまで1人少ない状態で相手してたとはいえ、なかなかボールが落ち着かず、試合自体も落ち着かない展開が続き、早々に左からのクロスから萱沼に決定機を創られます。しかしこのシュートは枠外。助かりました。しかし萱沼、なんかどっかで見たような・・・わけわからん既視感を感じます。

 この試合は最初から4バックにしていたあたりがどれだけ萱沼しかり馬場しかりの中での合わせを警戒していたかが分かります。あの岐阜戦ですらウイングバックが下がりながら対応していたのに、この試合では最初から後ろに人を置いてサイドを潰す策を取りました。とりあえず馬場でも萱沼でも怖いのは間違いないけど馬場を引きずり出したい。ついでに酒本と青山も。

 しかしこの試合、マジでサイドが歯が立たないレベル。いや、稔と颯斗が悪いんじゃない、2列目の枝本と米澤、それからサイドバックの砂森とフォゲッチ、クオリティがJ3ではトップクラスと思われるこの4人が連動してるし、特に右SBのフォゲッチなんて普通にスペース与えたらやられるから上がってくるところをケアしないといけないんですよ。まあ翔眞がそれで下がらざるを得ない時間が多くなったのは間違いないですし、それでも抑えきれなかった。緩慢な守備でとかならともかく、能力差はもうどうしようもないんで、クロスに対して中の選手たちがしっかり対応できることを祈るしかないです。

 ただ正直言って中の選手たちも萱沼や牛之濱に手を焼いて、とりあえずクロスを跳ね返してからセカンドを持った相手にプレスしに行くのはいいものの、結局見なきゃいけない選手が多すぎて潰しきれない展開が続きます。

 それでも相手の最終ラインのパスからボールを奪った場面では、柳が相手の最終ラインを掻い潜ってペナルティーエリア内で右足からシュートを放つ!も、これは相手の守備に阻まれて得点に至りません。とりあえず柳はボールを持ったらまずフィニッシュで終わろうという意識があるので、そのぶんチャンスを創り出せる、最後の場面でやることをやれるというのは見て取れます。

 それでもこのチャンスから生まれたコーナーキックを潰されると、またしても鹿児島のペースに試合が戻ります。ボールを持って、ゆっくりと攻め手を探し、サイドからフォゲッチと砂森がスペースを見つけて上がってくる。とにかくサイドに振られると、能力差で振り切られてクロスまで持っていけるのを理解しているので、鹿児島は徹底してサイドを狙ったパスを送り込んできます。

 で、17分。後ろから徐々に押し寄せてきた鹿児島、牛之濱が左サイドに流れてボールをキープすると、これを上がってきた砂森が受け、左からの早いクロス、ペナルティーエリア内には2人付いてるはずの萱沼がその間を割るようにしてドンピシャのヘッドで合わせる、ネットが豪快に揺れ、鹿児島が先制点・・・。

17分 鹿児島 1-0 Y.S.C.C.

 いや、2人マークいるのにその上を行くかのようにボールに合わせにきて、実際にあの威力で合わせて決めちゃう萱沼とかいう化け物怖すぎ。普通に考えてもこれはキツい。中でマークを2人付けてもその上を行かれるんですからね。

 それにしても山梨学院大学付属高校ってたまにこういうフィジカルが狂ったようなストライカーが産出される現象が起こるんですけど、ほんとに何なんですかね。パッと浮かぶのはもう引退したけど加部未蘭とか、あとは早稲田に進学して清水入りが期待されてる加藤拓巳とか。どうでもいいけど加藤拓巳はマジでJに入ったら化けそうな予感がする。

 んで、ここで萱沼の既視感の正体が分かりました、これですね。

画像1

画像2

 はい、切り替えていきましょうとりあえず。まだこの早い時間帯での失点、残り73分以上はありますから。ちなみに鹿児島は今シーズン、先制すると11試合で8勝2分1敗の勝率72.7%です。圧倒的に先制すると強い。

 試合再開です。さぁ勝つためにはもうガンガン仕掛けるしかなくなりました。翔眞が一気に左サイドから仕掛けます。左サイドを深い位置まで抉ってコーナーキックを誘発。

 それにしても翔眞って今シーズンが初めてのプロキャリアなんですけど、大卒ルーキーだった去年は関東リーグの東京23FCでプレーしてたんですけどね、地域リーグの選手って「独特のスキル」があるんじゃないかと思うんですよ。どの試合観ても対峙する相手が翔眞のスピードにもですけど駆け引き、ドリブルに手を焼いてる。これは間違いなく関東リーグで培ったスキルが関係してるんじゃないかという仮説が立ちました。

 しかしこのコーナー、孝一のキックにファーで和也が頭で合わせる!も、枠の外。なかなか決定機らしい決定機が創れません。マジでこの試合はセットプレーに活路を見出すしかないのに、肝心のセットプレーからもチャンスをうまく創らせてもらえない。流石、鹿児島の守備は非常に集中して、誰に付いて誰に寄せればいいかがよく分かってますね。

 さぁまだまだ続くよ鹿児島のペース。序盤と比べて徐々にボールはキープできるようになってきたものの、依然として鹿児島に一瞬で押し返される展開。中央からのフリーキックで萱沼にいいシュートを撃たれると、この流れのコーナーから一生がパンチング、そのこぼれ球が相手選手に渡ってしまう・・・しかしここはなんとか救われて追加点を決められることなく逃れます。

 そして特に右サイド、米澤とフォゲッチがマジで怖すぎる。特にフォゲッチは縦のスペースさえあればそこに迷わず侵入してくる。将棋でいえば香車の動きに桂馬の動きが加わった感じ。敵陣にさえ入れば右サイドのどこからでも長いパスなりクロスを放り込めるのが武器。ただし翔眞のドリブルに手を焼いてるので、もしかするとこれが大きなチャンスになるかもしれない予感はします。

 そして二ウド。効果的な配球。とにかく縦パスの精度もさることながら、試合展開に応じて横パスなりバックパスで、チームの今取るべき方針を示しているのがよく分かります。ただし最序盤のイエローで激しいプレーが封じられたのは大きいかなと。

 やられっぱなしでは勝てないので、前から行くしかないY.S.C.C.は、最前線と2列目で鹿児島の最終ラインに猛烈なプレッシャーを掛けます。

 そして奪ったシーン、翔眞のドリブルでフォゲッチを躱すと、中央へのグラウンダーの折り返しを峻太が振り抜く!そしてゴールが半分空いて、ブロックされたボールに反応した和也が連撃!しかしこれは空いていない側に転々とし、GK大西が難なくキャッチ。いやぁこれ決めなきゃいけなかったシーンだぞ・・・。

 しかしここから鹿児島のシュートが一気に雑になります。遠距離からでも撃って狙う姿勢は分かるんですけど、とりあえず1点取れてるからいいやって感じのシュートが増えます。なんかトータルのシュート数が多いように見えますけど、結局こういうシュートが何本かあったのも大きいんじゃないですかね。

 とりあえず枝本がペナルティーエリア内に侵入してシュートを撃ってきたシーン以外はそこまで怖いシーンがなく前半を終えます。とりあえずあれだけ攻められながらも0-1で抑えて45分を終えたのはまあまあ良いのでは?

 それにしても鹿児島、完全に明生さんと峻太を潰しに来てますね。柳や拓弥にマークを付けたうえで、出しどころを封じてから複数人で囲んでボールを奪いに来ています。これをどう掻い潜るかが後半の課題でもあると思いますが、同時にこのままサイドを何とかするのか、中央の対策をするのか、そこをどっちかに割り切って対処しないとかなり厳しい。

 それと攻撃陣はアタッキングサードで譲り合いの精神を見せずに、柳を見習って積極的に撃って欲しい。この試合、前半であと3本のシュートチャンスはあったし、それで前半のうちに同点にできたかもしれなかったんで。

 それでもハーフタイムの交代はなし。後半も同じメンバーで挑みます。まあもう祐太と峻太の交代で1枠使ってるのもあるけど。

 後半に入っても鹿児島のペース。前半は落ち着かせていた二ウド、後半からは積極的に攻撃に顔を出してきます。しかしやっぱシュートが雑になるんですよね。枠に飛ばずに事なきを得ますが、1点の余裕なのか追加点への焦りなのか,いずれにしてももう少しシュートに対する丁寧さが必要だったんじゃないかな、追加点欲しかったら。

 一番ビビったシーンは、左サイドの自陣の深い場所で萱沼にボールを奪われ、クロスが流れた先にいた米澤にペナルティーエリア内でシュートを撃たれたシーン。確実にやられたと思ったんですけど、枠の外。マジで怖かった。

 それでも後半始まって10分も経てばY.S.C.C.もチャンスを創り出すようになってきました。ペナルティーエリアの手前からのフリーキックを獲得すると、これを孝一が強烈なショット!しかしGKに弾かれてしまいます。止まってるボールのキック精度はマジでJ3トップクラス。

 流れを変えたい場面で分かってるシュタルフ監督が2枚替えを敢行。拓弥と峻太を下げ、ピーダーとディエゴ。峻太は途中出場途中交代となったものの、あれだけ相手に囲まれれば厳しかった。

 この交代が1分も経たずに的中します。マジで1分かからなかった。

 自陣からのロングボールを受けたディエゴ、ペナルティエリア手前の中央でボールを、なんと鮮やかにヒールで流して、ピーダーと、その後ろからは翔眞も走り込んでくる、結局翔眞がペナルティエリア内でボールを合わせて、ワンタッチ、ファーサードに冷静に流し込んで、これが待望の同点弾そして翔眞のプロ初ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォル!!!!!!!!!

64分 鹿児島 1-1 Y.S.C.C.

 ディエゴのアシストがマジで理解できないほど美しく、合わせた翔眞もこれほどまでに美しく冷静に流し込み、まさに一連の流れがY.S.C.C.らしさもあるけどY.S.C.C.らしくもない、なんて言えばいいかわからないけどとりあえず完璧だった。

 あのロングボールをディエゴがヒールで流すとも思ってなかった鹿児島のディフェンス陣、完全にピーダーと翔眞の侵入で混乱してマークに付ききれず、結局大外から来た翔眞にダイレクトで合わせられるという展開。結局最終的にフォゲッチは翔眞を見失った感がありますが、やっぱここが狙い目でしたね。

 ここで動いた鹿児島、萱沼、枝本を下げると、ベンチから酒本と馬場!やっと出てきたか、待ってたぜ!

 さぁ役者が出てきたところで試合再開。砂森を起点に馬場が絡んで二ウドにシュートを撃たれるものの、これも精度を欠いてくれました。シュートの精度が悪かったのは本当に助かったものの、それでも鹿児島はかなり焦り始めていました。まさか同点に追いつかれるなんて思ってなかったでしょうよ、そんなリスクを考えてるなら鹿児島の金鍾成監督は酒本も馬場も最初から出しているでしょう。

 ハーフタイム、金監督は「次の1点を」と言っていたようですが、Y.S.C.C.の前半の攻撃のいくつかをまともに見てれば、「次の1点」以上に「1点も与えない守備から入れ」「チャンスがあればカウンターで仕留めろ」「18番(翔眞)のサイドを警戒して、フォゲッチは攻撃より守備を重視しろ」というのがが正しいハーフタイムの指示だったのではないでしょうか。

 申し訳ないけど金さん本当にありがとうございます、Y.S.C.C.の攻撃力を見くびってくれて、本当にありがとう。

 コーナーキックからも田辺にヘディングでシュートを撃たれる場面もあり、危機的状況は変わらないものの、鹿児島サイドに異様なまでの焦りが生じていることは大きな変化でした。とにかく攻め急ぎ、とにかくゴール前にボールを入れ、とにかくゴールに向けてなんでもいいから撃とうとする姿勢、2点ビハインドとかならまだしも、同点で、しかも後半もまだ20分はある状況と考えるとどうだったんでしょうかね。こちらとしては本当に分かりやすくてありがたかったですけど。

 さあ畳みかけたいY.S.C.C.もベンチが動き、翔眞と和也を下げて蓮と船橋。翔眞はよく働いてましたが、ここでタイプが異なりスピードもある蓮を入れて鹿児島の右サイドをもっとわけわからなく混乱させようというカードですね。船橋はこの試合は攻撃のカードとしての起用のようです。

 結果的に鹿児島の右サイド以上に混乱したのが鹿児島のベンチだったのは本当に面白かったんですが、この交代の影響なのか、それとも前もってなのかはともかく、中原と田中を準備させていました。

 しかしここで浮き球を拾った田辺にペナルティーエリアの手前から強烈なミドルシュートを撃たれる!ものの、一生の下半身を低くしてのスーパーセーブで難を逃れました。これは本当に危なかったですが、久々に鹿児島が枠を捉えた鋭いシュートを撃ってきましたね。

 さあ用意させていた中原、田中。ここで投入されますが・・・二ウドは分かる、イエロー貰っててこの展開なら下げてもおかしくないですが、フォゲッチ下げちゃっていいの・・・?いやこっちとしてはマジありがとうって感じなんですけど、そこちょっと変えた程度で止められるほど蓮は甘くないぞ?

 この交代で何かを取り戻したように波状攻撃を始められましたが、田辺から馬場に渡ったボールはオフサイド、馬場から酒本に繋がって最後は強烈に降り抜かれたボレーシュートは枠外と、いずれも失点に繋がることはありません。

 さあ攻撃陣が牙を剥く。蓮がカウンターで一気に持ち運び、受けたディエゴがペナルティーエリア内でシュート性のグラウンダー!しかしこれはピーダーに僅かに合わず。惜しいチャンスを創りましたが、そろそろ本当に鹿児島の守備陣息止まりそうな顔をしてます。そりゃそうだ、交代で入ってきた選手たちがこんなにヤバいなんて思ってもなかったでしょう。

 そしてこの直後、ペナルティーエリア内でチャンス、ボールがこぼれたところに蓮が猛然と反応すると、クリアを試みて出した岡本の足が蓮を引っかけてしまい・・・勝ち越しのチャンスとなるPKを獲得します!

 岡本からしてもこのPKはかなり不運だったでしょう。しかしあの場面でクリアしようと足を出したら相手が猛然と突っ込んできたというのは何とも言えない事故です。

 さあ拓弥、これを決めて2桁得点に乗せ・・・あ、もう交代してました。となると、セカンドキッカーはキャプテン、宮尾孝一。

 決めてくれ・・・冷静に踏み出して・・・インサイドで撃った、GKの真逆を突いて、ゴール右下に、完璧、逆転成功!!!!!!!

88分 鹿児島 1-2 Y.S.C.C.

 この試合展開、特に前半のあの流れで、それでもここまで持ってきた、しかも相手はあの鹿児島ユナイテッド。

 残り時間はアディショナルタイム入れても4、5分程度じゃないですかね。それを耐えきれればというところですが、この試合のY.S.C.C.には確実に耐えきれる雰囲気がありました。

 ここで鹿児島が最後のカード。攻撃の脅威になっていた米澤を下げ、薗田。いや申し訳ない、この時間帯で最前線増やされてパワープレーされても今のY.S.C.C.にとっては怖くない。

 案の定パワープレーに入った鹿児島、そしてとにかく跳ね返し、敵陣ではボールを巧妙にキープするY.S.C.C.という構図が出来上がりました。と言っても鹿児島が90分間ほどの決定機を創れたかと言われればそんなこともなく、とりあえず跳ね返しながらたまに敵陣でドリブルしながらタッチライン際でのキープを見せたりと、うまいこと時間を使って逃げ切ります。

 そして相手のロングフィードを2度連続して弾き返したところで試合終了の笛。J3参入後、初めてアウェイ鹿児島戦での勝利!

 そして誰が何を言おうとも、正真正銘のジャイアントキリング。

 この勝利で今シーズン初の連勝を飾り、勝ち点も18に伸ばしました。他会場で勝利した八戸、福島に並んでしっかり12位をキープ。最下位争いから前半戦のうちに抜け出し、遂に中位争いに名乗りを上げました。まだ1試合残ってるけど。

 厳しい試合だったのも、内容的には鹿児島の方が上回っていたのも充分承知の上で、しかしそれでも同点になってからの勢いと途中出場の前線の選手たちの「結果」を求める姿勢、そして鹿児島の狼狽が生み出した勝利だと思います。

 同時に、これで鹿児島は次回の対戦ではマジのベストメンバーで来るでしょうし、上位、特に次戦の相手、熊本なんかは本当に緩めることのないメンバーで迎え撃ちに来るでしょう。上位クラブといえどもフルメンバーをY.S.C.C.に差し向けてくる試合が多くなるのは間違いありません。そのぶんやりにくい試合、思うようにできない試合が今まで以上に多くなるかもしれません。

 そして何より、勝利を喜ぶ輪の中に、松葉杖と何重にも巻かれたギプス姿の祐太が・・・骨ではないとは思いますが、足首となると靱帯やアキレス腱の損傷も考えられます。次戦は間違いなく祐太抜きでの戦いとなるでしょう。

 それでも恐れることはない。こうやって上位、しかも昨シーズンJ2で戦っていた鹿児島を相手に勝ったんですから。

 次戦の熊本戦でアウェイ3連戦、そして今シーズンの前半戦が幕を閉じます。1桁順位に向けての戦いもいよいよ後半戦となりますが、その前に控える阿蘇の山を攻略し、3連勝で終えられれば完璧じゃないですか。

 そして、古巣対戦の浅川隼人がいます。次戦は確実にスタメンでしょう。藤枝戦でもまた決めたようですが、如何に調子が良くても関係ありません。向かってくる相手は止めるだけ。ましてや隼人に関しては、ストロングもウィークも分かっているはずですから。


Thank you for your support! 是非このnoteを楽しんでいただけると嬉しいです、