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#297 読書論10|「遺書」「松本」(松本人志)

以前に投稿したTV論(ダウンタウン松本 vs オリラジ中田)で「久々に遺書と松本が読みたくなった」という内容を紹介しましたが、その投稿をした数時間後には本棚から「遺書」と「松本」が一体化している文庫「松本の遺書」を読了しました。

もう30年前の作品ですが、今読んでも全然古臭くなく、やはり松ちゃんの才能を今一度実感する、最高に面白い本ですね。


「遺書」「松本」とは?

ダウンタウンが本格的に東京でブレイクした90年代前半、週刊朝日で松ちゃんが毎週書いていたコラムを書籍化したもので、連載していた期間の前半を収録したのが「遺書」で、後半の内容が「松本」となります。
なので、書名は違いますが内容は全く一緒で、遺書に関しては250万部、松本は200万部と、とにかくアホみたいに売れていたようです。

テーマは一貫して「お笑い」なんですが、それ以外の身の回りの怒りなども紹介してくれるコラムで、やはり松ちゃんは頭が良いので、非常に文章が読みやすく、わかりやすく、説得力もあって面白い。スラスラ読んでしまえます。

僕の地元のヤンキーも読んでたくらいなので、その影響力の強さが窺えるでしょう。


「遺書」「松本」の名言ピックアップ

色々とピックアップしてみました。

紳助・竜介に憧れて、この世界に入ろうと思ったオレだが、島田紳助の弟子になろうとは思わなかった。弟子になってしまうと師匠を抜けないような気がしたし、同じ線上で勝負したいと思ったのだよ(カッコイイーッ)

オレが島田紳助に弟子入りしなかったのはなぜか?


新人の頃から、これをやったら売れると言われると、それをやらずに売れてやろうと思い、こんなことをしたら売れないと言われれば、ぜひ、それをやって売れてやりたくなるのだ(天邪鬼と言われればそれまでだが)

オレはSMかも知れない だから毛ジラミも終わり


スポーツ選手は言い訳が多すぎる。監督が悪い、天候が悪い、チーム状態が悪い、マシンが悪い、挙げ句の果てに、調子が悪い・・・アホか?調子が悪いのは全部ひっくるめてお前が悪いんじゃい!
世の中、いろんな職業があるが、そんなことが罷り通るのはスポーツ選手くらいだ。だいたい日本人はスポーツ選手に甘すぎるのではないでしょうか(パチパチパチ)

この松本様があえて問う サッカーがなんじゃい!


オレを理解するのは、ある程度のセンスとオツムが必要である。バカなやつがどう足掻いてもついて来れる世界ではないのだ。
(中略)
カールルイスは、速く走ることもできるが、歩くこともできるのだ。ただ、オレは、走り続けるけどね。

センスとオツムがない奴にオレの笑いは理解できない


最近、若い漫才師が育たない一番大きな理由がそこ(漫才とはこういうものだという説教)にあることをなぜ気づかないのだろうか?漫才を思うあまり、逆に漫才を衰退させているのだ。皮肉な話である。そんな奇妙なこだわりは、一刻も早く捨てるべきだ。

あのとき横山やっさんを殴っといたらよかったわけ


たまに雑誌などで(ダウンタウンを)悪く書いている奴もいるにはいる。ただ、何が言いたいのかよくわからなかったり、素っ頓狂な指摘をしていたり、なんか無理してるなぁ〜という感じである。あえてダウンタウンを悪くいうことで「オレはキレもんやで〜」「アナーキーやで〜」と言いたいのだろうが、全然説得力がなく、結局、自分が損をするハメになるだけなのだ。

そんなこんなを踏まえればオレには芸がないのである


元はと言えば、これ(禁煙ブーム)はアメリカ人がやり始めたことじゃないのか。考えてみるに、アメリカから日本に来たものでロクなものはない。ウーマンリブ(じゃかましいわい!)、セクシュアル・ハラスメント(自意識過剰じゃ!)。やはり日本は鎖国を続けるべきだったのである。

この禁煙ブームはなんとか阻止せねばならない


新人のころよく「目指している先輩は?」というなんとも愚問も愚問、大愚問を投げかけられた。個性で勝負のこの世界、誰かを目指してどうすんねん。誰も目指せていないところを目指し、誰も立ったことのないところに立つ。それが芸人ではないのか。

たけしさんの会見で一言 お笑いに代役などないワイ!


一部だけ拾ってみましたが、やっぱめちゃくちゃ面白いです。
言い回しや言葉選びなど、自分にもだいぶ影響を与えてくれていますね。

そして最近のオリラジ中田騒動にも通じるような発言もありますね・・・


所感

最近、こんな記事もUPされているようで、今なお愛されているのがわかりますね。


当時は結婚を批判し、お笑い芸人がドラマに出たり歌を出すことを批判し、禁煙を批判していた愛煙家の松ちゃんも、子供を生み、ドラマに出たり映画を作ったり、タバコを辞めたりと色々と変わっています。
まぁ、俺でもそうな位なので、昔と今でで変わって当然なんですが。

とにかく今読んでも面白い本です。
是非、チェックしてみてください。





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