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#385 採用論15|採用メディアを整理する(2023年8月度)

前回、この採用論の親戚的な感じの「人事論」というコーナーで、日本のHR業界についてまとめました。

その中のHR業界という枠の中に「採用」という分野があります。

その上で採用に関しても、手法は色々とありますが、大きくは「エージェント経由」「求人媒体経由」「直接応募」に分類されると、以前に整理させていただきました。

今回はその中で「採用メディア」に関して勉強してみたいと思います。
ここで言う「採用メディア≠求人媒体」なので、「エージェント経由」「求人媒体経由」「直接応募」の全てがメディアを要している為、全てのチャネルが対象になるかと思います。

雇用形態別に整理してみましょう。



1.新卒採用における採用メディア

新卒採用の変遷は下記のような感じらしいです。勉強になりますね!

https://hrnote.jp/contents/contents-2337/

僕が新卒採用する側、いわゆる就活を行っていたのは2005年。
年表では逆求人イベントも出没してきたようですが、完全に「リクナビ」を見る時代でした。

しかし、近年では新卒採用におけるエージェントも増えている模様。
新卒のくせにエージェントを使うなんて10年早いと思いましたが、確かにゼロの状態の新卒が企業選びをするのは至難の業なので、選んでもらった方が楽だとも思いましたね。

ちなみに新卒の学生が就活で使用するサイトは、

  • リクナビ(株式会社リクルート)

  • マイナビ(株式会社マイナビ)

  • キャリタス(株式会社ディスコ)

  • ワンキャリア(株式会社ワンキャリア)

  • Wantedly(ウォンテッドリー株式会社)

この5つの人気があるようです!


2.アルバイトにおける採用メディア

アルバイト探しは、僕の時代では「紹介」「店頭の張り紙」とかしか見てなかったです笑
アルバイトのためにWEBとかは使ってませんでしたが、それも時代ですねえ。

最近ですと、下記のようなサイトが利用者が多いようです!

  • バイトル(ディップ株式会社)

  • タウンワーク(株式会社リクルート)

  • マイナビバイト(株式会社マイナビ)

  • イーアイデム(株式会社アイデム)

  • フロムエー(株式会社フロムエージャパン)

他にも多数ありますが、代表的なのはこれらのサービスですね。


3.派遣社員における採用メディア

派遣社員の仕事はも、昔のイメージでは「グッドウィル(現テクノプロ)」などに登録して、そこから仕事を受けるケース(登録者が選べない)が多く、どちらかと言うと事業者(企業)が強くて労働者が使い捨てのイメージがありました。
しかしながら、そのような労働環境は改善され、同じ会社の同じ部署には最大3年までしかいられないなど有期雇用の形式ではありますが、登録者がやりたい仕事を選び、スキルアップに繋げられるような働きやすい環境となっています。

  • はたらこネット(ディップ株式会社)

  • エン派遣(エン・ジャパン株式会社)

  • リクナビ派遣(株式会社リクルート)

柔軟なワークスタイルで働きたい方に適した就労方法であり、派遣されてから正社員登用となる「紹介予定派遣」なども行われております。


4.中途採用における採用メディア

そして最も採用市場でコアとなるのはこちらの転職・中途採用市場ですね。

ビズリーチの調べによると、2022年は300万人の方が転職を行なったようで、これって結構すごい人数ですよね?
1ヶ月で250,000人、1日で8,064人、1時間で336人、1分で5人、1秒で0.09人!だんだん訳が分からなくなってきましたが笑

転職等希望者「1,000万人時代」 2022年、約8%の大幅増


もう少し広く見てみると、1985年には150万人だった転職者が40年で倍になっているという感じです。
ピークは2005年の340万人、この時期は「構造改革」が謳われていた時期で、小泉父がブイブイ言わせていた時期です。この時代の自民党は今に比べたらマシですが、大分経済的には取り返しのつかないことをやってましたね・・・

転職希望者の約87%は1年後に転職していない


ちなみにdudaの調べによると、転職理由の1位は「給与が低い・昇給が見込めない」で、32%がそれを理由に挙げています。
約100万人が状況改善の為に転職する・・・果たしてどうなんでしょう?

転職理由ランキング【最新版】 みんなの本音を調査!


とは言え、転職希望者がいなければ、この手のHR業界、採用業界は成り立たないので、転職希望者が多ければ多いほど業界としては望ましい、ありがたいというのが難しいところではありますが・・・

そんな感じで中途採用で活用される採用メディアは下記のようなサービスが代表的となっております。

  • doda(パーソルキャリア株式会社)

  • type(株式会社キャリアデザインセンター)

  • エン転職(エン・ジャパン株式会社)

  • マイナビ転職(株式会社マイナビ)

  • リクナビNEXT(株式会社リクルート)

  • Indeed(株式会社リクルートホールディングズ)

  • イーキャリア(株式会社SBヒューマンキャピタル株式会社)


採用メディアを整理しての感想

とにかく数が多いですね!
それだけ参入しやすい業界であり、需要がある業界とも言えます。

にしてもやはり情報過多、何を選んでいいのか分からないという状況は起きてしまうので、エージェントに依頼するケースが増えるのも理解できてしまいます。

ちなみに転職方法を見ると、これらの採用メディアを介しての転職活動が43.2%と割合としては2番目に多いようです(ハローワークなどの公的機関が57.3%というのは驚きですが)

転職活動で約4割が求人サイトを利用


故に、単純計算だと転職を行なった300万人のうち、年間130万人の方が求人サイトを利用して転職したと考えると、1ヶ月で108,333人、1日3,494人、1時間145人、1分で2人、1秒で0.04人が採用メディアを介して転職したとわかりますね。
なかなかの数字です。

理想は「1つの会社になるべく長く働くこと」だとは思いますが、それが難しい世の中なんですね。
てなわけで手前味噌ながら、なかなか勉強になる興味深い整理でございました。


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