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#794 アルバム論52|Tigermobile / ↑THE HIGH-LOWS↓(1996)

本日のアルバム論はハイロウズの2枚目のアルバム、Tigermobile(タイガーモービル)を紹介しましょう。


「Tigermobile」とは?

どのバンドでも2枚目のアルバムが一番バンドが楽しい時期だったりすると勝手に思ってますが、ご多分に漏れずハイロウズもこの時期は相当楽しかったんじゃないですかね?

1stをリリースして「ハイロウズ見参!」という感じで、日本の音楽シーンに殴り込んだ1995年でしたが、その翌年に国民的アニメの「名探偵コナン」の初代オープニング曲の"胸がドキドキ"をリリースし、その直後も"相談天国"をスマッシュヒットさせて、そんな勢いが止まらない中でリリースしたのが本作でした。

初回盤は虎皮の「トラジャケ」でも話題になった本作ですが、何気にシングルが4曲入ったバラエティに富んだアルバムになっております。

僕はこの頃中1で、まだミスチルとかGLAYとか、J-POPよりのロックを聴いていた時期でしたので、ハイロウズはまだ早かったというか、大人の音楽と思っていたので、「胸がドキドキ」「相談天国」はリアルタイム聞いてはいたものの、アルバムまでは踏み込んで聞いてなかったですね。

確か、高1くらいの時に中古で買った記憶がありますね。


「Tigermobile」歌詞カードの紹介

そんな感じで我が家のTigermobileは初回のトラジャケではなく、レンタル落ちのCDを買ったので、若干汚かったり、謎の穴が開いていますが、ご愛敬!

右下にタフなテープが貼っており、はがせずに当時の僕は諦めたのでしょう笑



虎柄のビキニを着たお姉さんと、CDも虎柄。いいですね。


そしてメンバーも33歳とかそれくらいですかね?一番イケてる時期です。
ヒロトはカッコいいですね。


歌詞カードは黒地に黄色文字のスタイル。虎ですね!


Tigermobile社(?)で自動車修理に勤しむヒロト


整備するマーシー


ヒロトとマーシー以外はまとめて紹介という笑


「Tigermobile」渾身の全曲解説

1. 俺軍、暁の出撃

この曲は以前にハイロウズBEST10でも紹介していますが、1曲目からアゲアゲの最高に楽しくイカしたマーシー作の最高のオープニングナンバーで始まります。
ハイロウズはわりとアルバムの1曲目はシングル曲を置きがちですが、この曲はそのシングル曲と比較しても遜色ないと言うか、マジでメチャクチャカッコいいです。

イントロの時点でカッコいいんです。リフにギターとベースとキーボードも乗せて、ヒロトの「おーい、おっさん、おっさん」で始まる所から、最後まで全部カッコいいです。
おっさんに「おっさん落ち着け」と、そして「とりあえず野球でも見ようぜ」と、中身のない歌詞はまさにハイロウズって感じですが、何気に歌詞内で「阪神」というアルバムタイトルである虎に繋がるワードがありますね笑

そして中間での「ナーナーナ、ナナナーナ」のコール&レスポンス、「もっともっと」のところ、非常に盛り上がる演出があり、この間のベースラインとかがベーシスト心をくすぐって凄く好きだったりするんですけど、そして特筆すべきはラストの歌詞ですね。

俺は俺軍の大将 俺は俺軍の兵隊
俺は一人でも軍隊 最強無敵だ

ここもカッコいいんですけど、最後の歌詞もすごい好きですね。

未だ誰一人 見たことのない
景色を見に行く 全く愉快だ

とにかく…カッコいい曲です。
僕はこの曲の引きが弱く、ライブではマスタングのツアーの1回しか聞いたことが無かったので、今まで聞けなかった分叫んだ記憶がありますね。

そんな感じで最高の疾走感、グルーヴを持って次の曲に繋がるのですが…


2. 相談天国

そしてライブで鬼のように盛り上がる曲、相談天国ですね。
俺軍からマーシーのリフの繋がる感じが腹立つくらいカッコいいですし、ドラムのおーちゃんがスティックを高く放り投げるあたりも鳥肌モンです。

既に言われておりますが、BurnHighway Starという往年のロックの名曲を堂々とパ…インスパイアする感じで、メンバーも演奏していて最高に楽しかったことでしょう。椎名薫と赤井太陽もあったその日にセッションするレベルの曲ですからね。
多分これまでハイロウズで僕が行ったライブ全部で演奏した数少ない曲ですね(あとはミサイルマンと青春)

個人的には2回目のサビが終わった後の間奏パートが好きですね。
あそこの疾走感というか、マジで車で全力で走っている感じがCMにも相応しいですよね。
ギターもベースもキーボードもかなり良い感じに主張し合っていて、非常に秀逸です。
とにかく1曲目から続くハードな曲繋がりで、このアルバムの勢いが感じられますね。


3. オレメカ

そしてハードな1曲目と2曲目と様相が異なり、ヒロト作の可愛い曲ですね。
元々オレメカとはテキーラの銘柄なんですが、この作品では「俺メカに弱い」と冒頭で言い張るんですが、そこからは「キス、キス、キス」と続く、非常に可愛いラブソングになり、タイトルとの関連性は不明です笑

カメラか何かのCMでも使われていましたね。
一度、友人の結婚式で夫婦にキスさせる動画を作ったんですが、迷わずこの曲をセレクトしましたし、「ハイロウズのオレメカ」という情報までは知らずとも、曲時代の知名度はそこそこある曲ですよね。


4. アレアレ

そしてこの曲はオレメカに相反し、ほぼ知名度無いでしょう笑
前作も「ヤ・バンバ」とか「ビッグ・マシン」とかのネーミングでしたが、本作もヒロトは歌詞と曲名のネーミングは本当に手を抜いているというか何というかです笑
この曲も結局「アレ」が何かわからないんですが・・・前進させるしか無いようですね笑
ブルーハーツ時代には無かったテンポのロックンロールですね。

他にも「ヌゲヌゲ」「ブンブン」「ノロノロ」「ブラブラブラ」とか、ハイロウズのヒロトは大分手を抜いてますが、それがカッコいいですね。


5. レッツゴーハワイ

マーシー作の楽しい曲です。
ハワイに何度か行ったことがあるんですけど、やっぱりその思い出が浮かびますね。
Aメロのコーラスもいい感じですが、Bメロもサビもかなりメロディアスで、これまでのハイロウズではあまりない感じの曲でした。
マーシーも前作では「脱ブルーハーツ」を結構意識してたと思うんですが、今作は割と頭に浮かんで作ろうと思った曲を作った感じな気がしますね。
とにかく楽しい、トロピカルな曲です。

そして個人的にはアウトロのスチールギター(?)のところが一番好きです。安易にウクレレとか使わなかったところがいいですね。


6. ロッキンチェアー

この曲はアホみたいにカッコいい曲ですね。
大学の時、かなり音楽通の友がいたんですが「この曲はハイロウズで一番カッコいい」と言ってましたし、ロック通にかなり市民権を得ている曲です。

とにかく特筆すべきはイントロでしょう。
イントロのマーシーの鬼リフと、ドラムが最高にカッコいいんですよね。ハイロウズのテクニカルな所が全部出て、まぁカッコいい。
歌詞も意味がなく、オノマトペの繰り返しで畳み込むという、バンドの初期衝動というか勢いを感じさせる曲ですね。

angel beetleのツアーで1度聞いてますが、やはり盛り上がりました。
この曲は外さないでしょう。

あと、Mステでこの曲を歌った回はかなり伝説になってます。
みんなトナカイのぬいぐるみ着て踊るというTV番組をなめ腐った演出で、関係者は苦笑いだったでしょう笑
生演奏でやらせてくれないというアンチテーゼでしょうが、こういうパンクな所がやはりハイロウズは良いですね。


7. Happy Go Lucky

この曲もシングルカットされて後にシングル化された曲ですね。
CMで使われていたので聞き覚えのある方も多いと思いますが、ハイロウズのシングルの中では「ニューヨーク」と双璧をなす位、シングルとしての影はかなり薄い曲で、正直あんま印象にないですね笑
CMが決まってシングルカットになったかもですが、「俺軍」とかの方が良かったんじゃないかなとか思ってしまいますが・・・


8. ヌゲヌゲ

ヒロトのアホ曲ですね。
「やってるもーん」で始まる所から脱力しそうな、脱力ロックです。
ギターも本当に力が抜ける感じのリフですよね笑

とにかく服を「脱げ」と言ったり、頭皮が薄い方に対して「2文字を言ったり、かつての「情熱の薔薇」「ナビゲーター」などの哲学的な歌詞を書いた人と同一人物と思えないくらいなのですが・・・笑

ライブでは脱ぐときのテーマソングでしたね。
昔はヒロトと言ったらライブで脱ぐで有名でしたが、気づいたら峯田の代名詞になってしまったというか、峯田だけ捕まってましたね笑
ヒロトの方が何百倍も脱いでいる筈なのに笑


9. 変身リベンジャー スーパーファイトバック

「燃えよドラゴン」のイントロをサンプリングさせた感じですかね?
そんな感じで聞いたことのある入りで始まり、いきなり始まるサビも超ポップ。レッツゴーハワイに通じるところがありますね。
とにかくメロディアスで、テンポも良くて楽しい感じの曲です。
「どこへでも行けるぜ俺は」のところとかは凄く好きですね。


10. ブンブン

これはヒロトがアルバムに曲が足りないから無理やり作った曲とのことですね。wikipediaによるとピストルズ調のパンクナンバーとのこと。

蚊の曲であり、蚊が「お前の血をくれ」と言ったり、ブンブン飛んだりする曲です。ハイロウズは虫の曲が多いんですが、この曲から始まった感じがしますね。


11. シェーン

メロウな感じのメロディで、ヒロトの真骨頂ですね。
このアルバムのヒロトの曲で、一番メロディアスで、メロウな曲です。ちょっとブルーハーツ時代の曲に通じる気がしますね(夢の駅的な)
西部劇のガンマンについて歌った曲で、このアルバムの中で僕はかなり好きな方の曲です。

「シェーン よりも早く」のところのキーボードと、ディレイした感じの演奏、そしてサビのコーラスとか、全体的に演奏や主旋律以外もカッコいい感じの曲です。


12. 月光陽光

アルバムのラストを飾るのはマーシー作のこの曲で、アルバムリリース後にシングルカットされた曲ですね。
そしてついに、この曲はブルーハーツを解禁した曲とも言われています。

確かに今回のアルバムを通してマーシーにそんな感じはしますが、多分そこまで深く考えてないですよね。ハイロウズとか、ブルーハーツとか、どうでもいいじゃないかという境地なのかなと思ってます。
何となく良い感じの曲を作って、アルバムの最後っぽかったからそこに収録したとかそれだけの気がしますが、とにかくメロウで泣ける曲です。
イントロから、Aメロ、Bメロ、サビ…すべてが普通に良いんですけど、ギターソロが好きですね。やはりハイロウズになってからイントロやアウトロ、間奏が劇的にカッコよくなった印象があります。

僕はライブでこの曲を2回聞いてますが、結構レアだったようなので引きは良かったかもですが、とにかくメロウな曲ですね。



「Tigermobile」 ヒロト曲とマーシー曲

Tigermobileも前作同様全12曲で、ヒロトとマーシーで6曲ずつ作ってます。
改めてヒロトの適当さが際立ってますが・・・笑

ヒロト曲
オレメカ、アレアレ、ロッキンチェアー、ヌゲヌゲ、ブンブン、シェーン

マーシー曲
俺軍 暁の出撃、相談天国、レッツゴーハワイ、Happy Go Lucky、変身リベンジャースーパーファイトバック、月光陽光

やはりこのアルバムは、「俺軍」「相談天国」「月光陽光」を作ったマーシーの印象が強いので、このアルバムにおいては僕はマーシー派ですね。

そんな感じで次は3rdのロブスターを紹介したいところではありますが…



「4×5(Four By Five)」

97年にリリースしたこのミニアルバムも軽く紹介しておきましょう。
4曲を5人で演奏するから4×5とのことですが、ローリング・ストーンズが同様に12曲を5人で演奏した時の「12×5」をパクったみたいです笑


僕はこれもレンタル落ちで入手してますね笑
高校時代はやはり金が無かったので・・・

そんな感じで銀のテープがはがせないんですよね笑


タイトルは本当に適当です笑


シンプルでいいですね


1. 虫

最初の2曲はヒロト作なんですが、この曲はメッチャカッコいいです。
このミニアルバムで一番メジャーな曲は、資生堂のCMでも使われていたこの曲でしょう。
マーシーのギターリフが相当エグイですし、フジロックでのこの演奏はかなりエグイですね。
もっと演奏されても良かったと思ってしまう、そんな曲です。


2. ハートブレイカー

この曲も好きですね・・・なんか、ちょっとメロウな感じが好きです。
Aメロもメロウで、Bメロはもっとメロウで、サビはおっかけのマーシーのコーラスがエモい感じで、全体を通してかなりメロウな感じです。
歌詞はアホな事言ってるんですけど・・・笑


3.キャブレターブルース

そして後半の2曲はマーシー曲です。
この曲はマーシー節全力のロックンロールですね。
加えてヒロトのブルースハープがカッコいい感じの曲で、サビの歌詞は「イン・アウト・イン」「アウト・イン・アウト」とクソ適当な感じですね。


4.ブラブラブラ

そしてこの曲は動画が無かったんですが、牧歌的というか何というかピースな曲ですね。ブラブラしましょうという感じの曲ですね。



まとめ

そんな感じで「Tigermobile」と「4×5」を紹介しましたが、とにかく96~97年くらいのハイロウズはチャートにも入っており、いい感じの活動をしてました。
97年フジロックの映像がここから見れるので是非チェックしてみてくださいい。

次は3rdのロブスターです。
次も長くなりそうですね・・・笑


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