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引退…皆と違う涙

高校3年生の年の6月頃。


所属しているハンドボール部の最後の大会になる県総体に出場した。

部員が出場人数に満たない同好会だった頃から、
1年で部に昇格し、1年で県大会に出場することができた。

顧問の先生ならびに、勝ち上がることができた皆が素直にすごいと思った。


なぜ所属している僕が他人事かのように言っているかというと、
ずっと補欠だったからだ。

後輩にも技術的に抜かされ、
同期唯一の補欠。


同期のケガで1.2ヶ月だけ一時的にレギュラーになった事もあったが、
失敗ばかりでアピールはできず。
同期がケガから戻ってきてからは、最後までレギュラーになることはなかった。


最後の大会当日。
部員全員が真剣な表情。

特にレギュラーと先生の殺伐とした空気は、
鈍感な僕でも強く感じ取れた。

試合が始まったが、
県大会だけに今までとは比べ物にならない猛者ばかり。1回戦から相手はめちゃくちゃ強かった。

最初は互角に戦っていた。
同期が全員本気で強い相手に立ち向かっているのを、
ただ外で応援しながら眺めるしかなかった。

後半に徐々に引き離された末、最終的に負けた。

グループリーグだったので
3試合とも負けた。

先生なりの気遣いだったのだろう、最後の3試合目の後半数分間に僕を試合に出させてくれた。

今まで下手だった自分が、急に能力が上がるわけはない。
特に得点に貢献することなくホイッスルが鳴る。


負けた。


僕らのハンドボール生活に終わりを告げた。

先生が「着替えてから〇〇に集合」と一言添えて解散した。

僕らは無言で荷物置場に戻つて座り込む。
徐々にシクシクと音が大きくなっていく。
レギュラーのメンバーのほぼ全員が、悔し涙を流していた。

今まで本気だったからこそ、負けて悔しかったのだろう。

普段感情を表に出さない部長のHも、無言で涙を流していた。


ハンドボール部を、今日を持って引退するんだと強く実感した。

僕は同期の皆と一緒に2年半続けてきた。

自分なりに頑張ってきたつもりだ。

でも、レギュラーに1度もなれなかった。

レギュラーという名の仲間の輪に、
入ることなく終わった。


最初から最後まで、居場所を作れなかったのかな。

自分は、いる意味なかったのかな。

もっと頑張ればよかった。

もっと本気出せばよかった。

数えきれない後悔が溢れ出る。


何よりも、
レギュラーの同期の彼らと同じ悔しさを共有できないことが何よりも悲しかった。

自分と彼らのいる場所は違うんだと断定された気分だった。

僕も彼らと同じタイミングで涙を流していた。
一緒にいるのにいないような孤独感が強く残った日だった。





今の自分が運動会などのイベント主催した時。
周りに知り合いがいなくてアウェー感を感じている人がいるとほっとけないので
溶け込めるよう促すことが多い。

多分高校の部活の経験が根強くあると、

今では思う。


つづく


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【当noteの発信内容】

当noteは、

占い師からただのフリーターになった何者でもない32歳の男が、

自分史を通じて

自身の人生のミッション(役割)を見つけだすことで、

自分探しの旅を終わらせるまでの軌跡をつづっていく。

人気占い師から、ただのフリーターになった男の話

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