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潰れない大人のおもちゃ屋の秘密

ワイの地元には子供の頃から、ボロボロのトタン作りの「大人のおもちゃ屋」があった。

それは見るからにボロく半分朽ちた廃墟のようだった。

しかし小学生の時、駅に向かうバスの中でそれを見て以来、そのデカデカと書かれた「大人のおもちゃ」という言葉に心躍り、ワイの中では夢のお店となっていた。

きっとラジコンやら最新ゲームやらエアガンなど、大人が楽しむ素晴らしい宝のアイテムの数々があるに違いない。

そう思っていたのだ。

そして時は立ちいつの間にか興味の薄れた20代中頃、小学生の時から潰れそうだったそのオンボロの「大人のおもちゃ屋」はまだ健在だった。

流石に大人のおもちゃが何かぐらい分かる年頃である。

嫌いではないが今更、特段興味を持つほどでもない大人なワイは逆に、違う疑問を持った。

その頃にはアダルトショップなどチェーン展開するほど溢れ品揃えも豊富で店舗も小綺麗なのが当たり前だしそうではないボロ店舗はどんどん廃業していた。

なのに、、、、

「なぜこの今にも崩れそうな汚いオンボロアダルトショップだけは潰れないのだろう?」

そう思ったワイは、子供の頃のその憧れの国に足を踏み入れる決心をしたのだ。

そして、、、私は建て付けの悪い引き戸開く。

扉の今にも割れそうなガラスがガタガタと鳴る。

そこでワイは、なぜこのオンボロアダルトショップが潰れないのかすぐに理解した。

そのショップで扱われる商品は、すべて超規格外なのだ!

棚という棚に、内臓に穴が空くのではないか?と思うようなそびえ立つ超巨大なアイテムや、一体どうやって使うおもちゃか想像もつかない奇妙でグロテスクな攻撃力の高そうなグッズ、まったく誰得がわからないマニアック過ぎるコスチュームなどがところ狭しと並んでいたのだ。

そう、、、ここは子供の頃、夢見たおもちゃ屋でもなければ、大人のおもちゃ屋でもない。ここは、、、、

おもちゃ屋とは名ばかりの、


「大人の武器屋」

、、、、だったのである。

さすがに現在は廃業されたようだが、これだけの武器を専門に扱うからこそオンボロ店舗でも長く続いたのだ。

コアコンピタンスと言われる「競合他社を圧倒的に上回るレベルの能力」を企業が持つことが如何に重要であるか。

これを見て私は学んだ。


ちなみに武器は買わなかった。


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