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映画は映画館で見るもの。〜少女〜

映画は映画館で見るもの。〜少女〜
※ネタバレを含みますのでお気をつけてください。

因果応報!地獄に落ちろ!

湊かなえ原作「少女」の映画。
原作小説の帯や映画のポスターのコピーが「人の死ぬところが見たい」的なのでまとまれているが…どうなんだろ?スタンドバイミー的な青春モノだよ!って匂わせる意味でこのフレーズにしたのかな。
原作では違うかもしれないけど、この映画ではそこの感情を掘り下げて描いていないので、印象が薄いと言うか…人によっては「思ってたのと違う!」って感じになりそうなコピーなのがちょっと気がかり。
と、思ったけど。確かに物語は人の「人の死ぬところが見たい」という感情を抱くあたりから劇的に動きだしている。
そう言った意味では合ってるような気もする…けど、人にこの話の面白さを伝えるのには相応しくない言葉な気がする。
じゃあ何だ!?というと、認知症のおばあちゃんがずっっっっっっっっと言い続けていた「因果応報!地獄に落ちろ!」がこの映画の説明するのにシンプルに分かりやすいし、見終わったあとのスッキリ感が違う。
悪いことした人がとことん地獄に落ちていく。気分爽快になるぐらい落ちていく。

この映画というか原作「少女」が面白い。
ここ数年、物語における伏線と回収というワードが一般層にも浸透し
やたらめったら伏線回収が凄い!と持て囃されていますが
どれも大抵大したことのない伏線回収ばかりです。
しかしこの少女はシンプルにただただシンプルに捻ることなく伏線を張っていく。
伏線の張り方が、分かりやすい分かりにくという論議を時空の狭間に置き去りにするぐらい素晴らしい。
だって全部が全部大オチに向けての伏線になっているんだもの。
しかも最初の伏線が最後に回収される展開になっているから本当に面白い。ベターisベスト!伏線はシンプルなほど最後の衝撃がデカくなるよね!というお手本と言いますか教科書になるストーリー。
ただ最後の大オチに全ての意識を持って行かれてしまいますが、よくよく思い返すと、主人公2人も直接的に悪いことを起こしてはないけど、バタフライエフェクト的にブラジルで羽ばたく蝶みたいな仕事をしてしまっている。その結果全てが繋がってしまい、今回の結末に…って考えると、主人公2人は無自覚になかなかの出来事を起こしているんだよな。って思うと、もうこの映画どの視点で見ればいいのか分からなくなる。
アイツが小説を盗まなければ全てが始まらなかった。と思えるけど、そもそも友人への気持ちを小説なんかで書かないで直接告げられれば、こんな事にならなかったんだよ。
いや、違う。
この少女2人の絆を強く結ぼうとしたら、こんな結果になってしまった。
って視点で見るのが一番面白い気がしてきた。

告白の時も感じたけど、湊かなえさんって…普段どんな妄想して、人をどんな目線で見ているんだろう?
創作物とはいえ、人をここまで堕とすのか!いいぞもっとやれ!…えっ?そこまで堕とすの?と震える人物描写が壮絶すぎる。
こんな私でも人が愛おしくなってしまうぐらいに…。

あと、この映画
本田翼がめちゃくちゃ良い!ただでさえ好きだったのに、より一層好きになってしまった。
厨二病キャラなのに、途中ちょっと素の女子が出ちゃうところ超かわいい!コンドーム持ってキャキャキャとなる本田翼超かわいい!私も本田翼に足洗ってもらいたい、パンツ洗ってもらいたい。

結局原作の話してないことに気づいたので最後に映画の話
原作にある各個人の心理描写や行動などかなり削ってると思います。
それがもったいないという意見もありますが、その分映画にはテンポが出ています。
そのテンポのおかげで、最後に収束していく流れになっていることに気づかず最後に因果応報だ!確かに因果応報だ!と純粋に驚けるのでこのテンポの良さは本当にこの作品をにおいて良い方向に働いています。
この話を原作通り、きっちり心理描写も各キャラも描いてとやっていたら…映像で見るには、あまりにも重すぎて、辛くなってしまい、ちょっと途中で疲れるかもしれない…。ですので、本当にこのテンポのバランスが素晴らしい。
テンポと展開を考えるとジェットコースター的映画ではなく、ドミノ倒し的映画と表現するのが良いかもしれない。


この映画から得られる教訓は
「因果応報、地獄に落ちる」ということ。


映画『少女』公式サイト
http://www.shoujo.jp


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