好きな人とクリスマスイブを過ごす自分へ

「あなたのクリスマスを私にください」

こそばゆくなるセリフ。

「いいよ」

この了承の意味の答えをもらったとき、顔が熱くなったのを感じた。
嬉しかった。声を上げるほどに。

まずは、食事の予約を取った。個室を予約するなんて全然初めてだった。
そのあとは相手の行きたいところに行こう。
告白…するならここだよな。どうしよう。
想像するだけでも手が冷たくなっていった。

24日当日
髪も整え、持ち物も完璧。
とてもドキドキしてきた。緊張で足が冷たい。
待ち合わせに好きな人が来た。手が震える。
「行こうか」とリード(のつもり)していたが、
うまくできているだろうか、つまらなくさせていないだろうか
不安でいっぱいだった。
食事の場所に着いた。
注文を済ませ、料理が意外にも早く運ばれてきた。

いつ告白しよう。
ご飯食べ終わった後かな、
あぁ、タイミングマジわからん。
今じゃないな、今じゃない。ご飯食べ終わっちゃった。
どうしよ。
無理かも。
タイミングなかった。

「もう、いく?」
相手が言う
「あぁ、そうだね」

あ、終わっちゃった
自分情けな。
一緒に過ごせただけでいいか。

「この後どうする?」
相手に聞く
「公園に行きたいな」
「あーおっけ」

公園に来た。
とてもきれいな夕日だった。
「めっちゃきれい!」
「そうだね」
「写真撮ろうよ!」
私の手を取る
「ほら!そこに立って!」
私は「言えなかった」ということしか心になかった
「いくよ!」
「はーい」
パシャ
「ねえ見て!いいボヤし加減でめっちゃ夫婦に見える笑
なんか、キスしてそうじゃない?」
それを言われてドキッとした。

十分に公園と夕日を堪能して帰り道になった。
言うとしたらここがラストチャンスだな。
あ。
「え、なんでおるん!?」
ばったり会ったのは中学の同級生だった。そして、
唯一恋愛相談をしていた人だった。
二言ぐらい言葉を交わし、急に友達が、
「あ、私こっちに用があるから」
とそう言って、用があるように見えない道を歩いて行った。

「今日は楽しかった」
「よかった。一緒に過ごしてくれてありがとね」
そんなたわいもない会話をした。
だけれど
好き
この二文字がのどに詰まって出てこなかった。
苦しかった。
息ができなかった。

そのあと、帰りの電車で、ばったり会った友達と二人、大反省会をした。
友達は、「よくやったんじゃない」と言ってくれたが、
後味の悪さは帰った後も寝るまで消えなかった。

なっさけない!


自分へ
この後悔はものすごかったよね。
初めて

”やらぬ後悔よりやる後悔”

ということわざの意味が分かったね。
でも、この出来事があったからできたことがあるんだよ。
いまでもめちゃくちゃ情けないと思う。
本当にね。
でも、
やらない後悔
をしてくれて
ありがとう

3月の自分より



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