なぜ社会人になってから大学にいくのか?その意義と、大学の選び方
社会人になってから”わざわざ”大学に行こうと考える人がいます(私もです)。時間もお金もかかりますから、進学の目的に応じて適切な大学を選ぶ、ということは非常に大切です。今回は私なりに本件について整理してみようと思います。
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私はアラフォーになってから大学進学を決め、2021年春から慶應義塾大学の通信過程に進学します(現時点では合格発表されてないので、落ちる可能性もあります)。
人生100年と言われる時代で、これからあと60年くらい生きる可能性があるのか〜と思った時、自分が興味を持つ分野を深く追求し、アウトプットとして学術論文を書いてみたいと思いました。私はもともと、高校卒業後大学に進学しましたが、起業し、そちらが忙しく中退してしまいました。そこに後悔は全くありませんが、論文を書こうとするとやはり大学院の方がよい。しかし中退してしまって「高卒」となっている自分を受け入れてくれる大学院はなく、まずは大学を卒業する必要がありました。
知識としての下地を得るためにも、今後学術論文を書くための院進をするためにも、このタイミングで大学に行こうと考えたのです。
一方、大学に進学する理由は学歴コンプレックスの克服のため、今後の転職や出世競争の武器のため、というケースが多いかなと思います。それはそれで素晴らしく、学歴なんかでコンプレックスを持たされているならさっさと解消した方が気持ち良いし、大卒資格を取ることでキャリアが明るくなるなら費用対効果もきっと良いでしょう。問題は、その目標達成に最適な大学をどう選ぶかです。
学歴コンプレックスを解消したい場合(私立大学編)
高度な学歴コンプレックスで「慶應行ったけど東大にコンプレックスがある」みたいなものがありますが、今回は「高卒」とか「Fラン」みたいな人を対象に考えてみようと思います。
学歴コンプレックスを解消したい場合、単純に大学の知名度と偏差値が重要になるかと思います。その上で「入りやすく」、「通いやすく」、「卒業しやすい」ことが社会人にとって必要になります。これを完璧に満たしているのが慶應通信だと私は思っています。特に通信である事のメリットは非常に大きい。慶應のSFCも社会人にかなり広く門戸を開いていますが、湘南藤沢キャンパスまで通うというのは正直かなりしんどいです。
通いやすい慶應通信ですが、実は「卒業が難しい」として有名です。これは、通信なのでモチベーションを保って自学自習するのがしんどい事、そして授業の難易度は一般入試の学生と同様求められるため、入学が楽なことと比較すると授業についていくことが難しいことが要因のようです。前者は通信の特徴なので、メリットと比較して検討しましょう。後者は大学のレベルに応じた学びを求められることは当たり前なので、有名大学に行きたいのであればそれなりの努力は当然と言えるでしょう。
慶應以外にも目を向けてみましょう。早稲田大学も社会人への門戸を開いています。ただし、早稲田大学で社会人を受け入れている学部は、2021年現在、かなり高いレベルの英語力を求めます。TOEFLなどで高得点を持っていないと、入学も、その後の授業も辛いでしょう。授業も全て英語だったりします。
その他、上智大学、青山学院大学、中央大学、東京理科大学、立教大学なども社会人入試を実施しています。とはいえこの辺りの大学は通信でも夜間でもないので、社会人として「通いやすいか」はかなり難しいと思いますが、昼間の通学と仕事の両立ができそうな場合は検討してみると良いと思います。
学歴コンプレックスを解消したい場合(国立大学編)
知名度や格という意味ではやはり私立よりも国立、という考えもあるかと思います。しかし、国立大学は本当に社会人にとっては狭き門…。情報がそもそも少ないため、情報戦的な要素も強く、直接大学に問い合わせるなど行動力も必要とされます。
私が知る限りですと、社会人入試を行っている国立大学は、電気通信大学、東京海洋大学、東京農工大学、埼玉大学、千葉大学、横浜国立大学のみでした。夜間があったのは埼玉大学のみでした。これ以外にも年度によっては社会人入試を実施する大学もあるので、やはり直接の問い合わせや、個別の調査が必要になりそうです。
国立大学は私立大学と違って、「教育」よりも「研究」に重きを置いているため、より大学に対してコミットを求められることが特徴です。大学の役割分担として当然といえば当然のように思えます。とはいえ、国立大学であってもほとんどが「小論文+面接」で入学が可能です。昼に通学しながら仕事と両立する環境を作れる人、狭き門であっても自分でそれをこじ開けるガッツがある人は検討してみても良いかもしれません。なお、学費は実は放送大学や慶應通信などの方がはるかに安いので、学費がネックで国公立を考えている方はそちらを検討してもいいかもしれません。
転職や出世のために大学に行きたいケース
この場合、重要なのは「大卒」という肩書き・資格であって、大学の知名度やランクは関係ないものとします。
その場合、もっとも良いのは放送大学、次点で選択肢として慶應通信ではないでしょうか。
まず、どちらも学費が安いことが大きな特徴で、放送大学は4年間で入学金から学費まで含めて70万円程度で済むそうです。実は慶應通信も学費はかなり安く、4年で卒業する場合は60万円程度です。1年間の平均でいうと15万円程。月に1万円ちょいです。学費に関してはどちらも相当安く、あまり差はありません。
両方とも通信なので通学の手間はありませんが、慶應通信は実は「スクーリング(Schooling)」という通学を必要とする単位が一部存在します。放送大学はスクーリングがないため、完全リモートで単位を取得することができます。
単位を取る難易度は、定量的な比較は難しいものの、おそらく放送大学の方が易しいだろうと想定されます。そのため、卒業しやすさという意味でも放送大学に軍配が上がります。
入りやすく、通いやすく、卒業しやすい、という、いずれの点でも放送大学がベストな選択肢になりそうです。しかしながら「同時に学歴も欲しい」という場合は慶應通信も選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
社会人の方にとって、大学進学先検討の一助になれば幸いです。
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