「ニューノーマル」で失われた”祖母との時間”の取り戻し方

一年ほど前から、祖母と手紙のやりとをしています。平均すると月に2度くらい。ただ近況を報告するだけの手紙ですが、大層喜んでくれているようです。

祖母は90を越す高齢です。北関東の田舎に一人。特徴のない、ありふれた住宅街。3人の子供と8人の孫、そして何人かのひ孫を持ちながら、会社経営者としても小さな成功を手にしました。そんな祖母ですが、晩年一人であるということはとても寂しいようで、また、傍から見ていてもとても寂しいように見えます。

私にとって、祖母は、仕事が忙しかった母の代わりのような存在で、いろいろなことを教わりました。祖母が作ってくれるおはぎが大好きでした。祖母の家から帰るときは寂しくてよく泣いていました。

そんな祖母と、コロナ禍をきっかけに全く会えなくなってしまいました。

これも一つのニューノーマルの形なのかもしれません。ニューノーマルは、文字通り生活様式を変えていきました。コロナ禍が終わっても、会社の飲み会は減るでしょうし、リモートワークする人は増えるでしょう。それは「変化」であると同時に「進化」でもあると思います。しかし、大切な人との時間がなくなることや、会う回数が減ることは、変化ではあることは間違いありませんが、進化でないことも同様に間違いないでしょう。

願わくば、進化した暮らしによって過去より時間に余裕ができて、大切な人との時間がもっと増える、という変化を生み出したいものです。とりあえずはPCR検査を受けて、数週間のうちに顔を見にいこうと思います。照れくさいけど、ハグをして、一緒に食事をして、また会う約束をする。それを積み重ねていくことが一番の親孝行になるはずですから。

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