2024年エンタメ業界の振り返り(解説編)
皆さんこんばんは。
また明日から仕事モードになりそうなので、三が日ラストということで早速ですが今朝公開させていただいていた2024年の振り返り【資料編】の続編ということで、今回は同記事でピックアップさせていただいたエンタメ業界の2024年トピックをなぜ選んだのか?どのように捉えているかを記した【解説編】公開となります。
前回記事が“事実”に対して今回は“解釈” なんでかなり私見が入っています。参考するものは参考にしていただいて違うなぁと思うものは切り捨てちゃってください。あくまでも所属する組織や団体を代表するものではなく個人の意見となっております。それではいってみましょう~
Netflix/サンリオの株価アウトパフォーム
まず上場株でいきますと個人的にはNetflixとサンリオのアウトパフォームが1つ今後のエンタメ株の試金石になるかなぁと思ってます。
Netflixは既存の顧客規模にも関わらず引き続き有料会員数は伸び続け、ジャンルもアニメ・韓ドラ中心に独自のコンテンツ戦略でしっかり伸ばしている印象です。特にグローバル市場におけるアニメ文化の普及における同社とYouTubeの果たしている役割は計り知れず、同社のプラットフォームとしての成長がそのまま業界の成長にも寄与していると思います。
また、一応同社も特にコンテンツ配信の観点から生成AIの恩恵銘柄として現在見られている部分もありますので、実際のコンテンツ制作側への生成AIの影響も含めて今後の同社評価は引き続き注目だと思っています。
サンリオは自分よりも詳しく見てる人が多くいる気がしてますが、今年の同社のアウトパフォームの要因としては①IPの分散(キティちゃん一強からの脱却)、②IPのグローバル展開、③パートナーシップや提携を通じたマネタイズ強化が評価されていると思ってます。今後の(特にIPを扱う)エンタメスタートアップ中心に同社の戦略と市場評価は1つのベンチマークになるのではないかと思ってます。
グローバル産業としてのエンタメ
昔から日本のコンテンツはグローバルでも通用する産業として認識している人は認識しているかと思いますが、2024年は官民一体でそれを全面に押し出した1年だったなぁという印象です。公開市場では各商社がエンタメ会社と、主にコンテンツ流通の観点から協業したり、未公開市場ではVCがここぞと多くのエンタメ会社に出資してJapan to Globalというテーマで取り上げてましたね。またクールジャパンという観点で政府も昔からコンテンツ産業を取り上げていますが、2024年はより一層包括的な分析レポートや委員会発足等によって意思表示がはっきりされました。そういう意味ではコンテンツ産業は長期的な投資テーマとして本格的にこれからも伸び続けるのでは?と感じさせられる1年で、ブラックスワンが何かは分かりませんが、改めてしばらく張ってもいい領域だなぁと思って各関係者の動きを見てました。
新興エンタメ企業の躍進とロールアップ戦略への挑戦
ちゃんとデータで振り返りたいところではありますが、2024年は特に以下3テーマでの大型調達や新規参入が相次いだ印象です。
① ショートフォーム産業への注目(ショートドラマ・アニメ等)
② 生成AIxコンテンツスタートアップの台頭
③ 拡大戦略としてのM&A
それぞれざっと触れさせてもらえればと思いますが、
①ショートドラマやアニメに代表されるショートフォーム産業
スタートアップ界隈であればBUMPやGOKKO等のショートドラマ配信アプリやチーム、ショートアニメであればPlottさんのような会社が早くから取り組んでいた中、一気にピッチイベント、調達や大手参入ニュースと相まって脚光を浴びた印象です。同領域への細かいコメントは差し控えます(というか興味ある人は直接話しましょうって感じです)が、一言で言うと頭一つ抜けるための今後のスケール戦略が今後の個人的な注目ポイントです。
②生成AIxコンテンツスタートアップの台頭
こちらは比較的ステージがアーリーな会社が多い印象ですが、時代の大きい流れを考えたら来るべくして来てるって感じでしょうか。ベンチャーキャピタリスト時代も何社かお話聞かせてもらいましたが、ストーリーはわりとシンプルだと思っているのであとは本当に各社仮説通り事業が進んで消費者やクライアント側に受け入れてもらえるかが今後の個人的な注目点です。あとこれは本当に肌感なんですが、最近コンテンツ産業の受けがいいのか元々まったくコンテンツやエンタメ産業に携わっていなかった人がいきなりこの領域で起業したり投資担当しているイメージなんで、なんとなくちょっと本来のコンテンツやエンタメ愛とは違ったところで儲かるからやってるみたいな気運が若干ある気がしてそこの見極めは起業家・投資家の両サイドから大事になってくるなぁと勝手に思ってます。
③拡大戦略としてのM&A
ここは明らかに2023年後半から2024年にかけて自分としてはAIと同じくらいニッチ領域におけるブームとして顕在化しているような気がしてます。元々この戦略をどこよりも着実に、ただし今の「M&Aロールアップ」といった形でわざわざ打ち出していなかった会社がSONYさんだと思ってます。そこにこの戦略の成功事例としてGENDAさんが脚光を浴びて各社追随している印象です。同戦略については以前も書かせていただいてますが、一言でいうとこの戦略を多くの会社がとっている中、明確に成功する会社と失敗する会社が現れてちょっと前のSaaSのように評価が2分されると思ってます。【資料編】でも書かせていただいてますが、早ければこの辺の答え合わせ第一弾が今年の後半、普通に考えたら来年あたりがこの戦略の成功可否が判断されて、評価は来年から再来年にかけて織り込まれるんじゃないかなぁと思ってます。
最後に
最後に今年どの辺に注目が集まりそうか一応ポジション取るという意味でも記載しておきますね。個人的には今年脚光浴びそうなテーマは下記3つだと思ってます。詳細書き始めると長くなりそう+僕の頭の中がすべてオープンになっちゃうんでそこは少しだけブラックボックス要素を残させてください笑
①いわゆるweb3思想が絡んだマイクロコミュニティのマネタイズ
②ソーシャルコマースも絡んだバーチャルインフルエンサーのB2B領域の拡大
③年後半に早ければM&Aロールアップの答え合わせ第一弾による会社間の再評価
身近にずっと前から拝見しているサービスですとFiNANCiEやSHINSEKAI Technologiesさんが展開するMURAコミュニティのように新しいインフルエンサーのマネタイズとマイクロコミュニティ運営を実施している会社のサービスにようやくマスが追い付き始めるのではないかなぁと。あとはこちらもショートドラマと同様に中国発でようやくソーシャルコマースxマイクロインフルエンサーがAI技術のさらなる飛躍と相まって一気に跳ねる匂いがしてます。エンタメ業界の1番難しいところってタイミングなんでこればかりはなんとも言えないですが、いろんなニュースや動きをみてる限りなんとなくです笑たぶん何かブレイクスルーというかきっかけがくるんです。ちなみに2024年の中盤に書いた下記の予測についてはそんなに外れてる感じではなく、時間軸的に思ったより早く起きそうだなぁというのが半年経っての所感です。よろしければ合わせて読んでみてください。
ご紹介した2社のサービスです。こちらも合わせてどうぞ。
最後までありがとうございました。今年も楽しく一生懸命いろんなことに打ち込んでいければと思いますので、業界関係者の皆さんも改めて宜しくお願い致します!(そういえば2024年の自分のテーマは「自律」だったんですけど、今年は「選別」です。訳は直接会って聞いてください)
本記事が面白いなぁと思っていただいた方はたまにこういった形で更新していきますので、ツイッター(X)やnoteのフォロー/いいね/拡散宜しくお願い致します。本日もありがとうございました~