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男だって”美容院”へ行ってみたい

こんにちは。ぼーんぐんです。

「楽髪苦爪」という言葉を、みなさんはご存じでしょうか。

この言葉は「楽な時ほど髪の毛が伸びやすく、苦しい時ほど爪が伸びやすい」の意味で、その教えは「強いストレスを感じている時や忙しい時、また楽しい時には身の回りのお手入れを疎かにしがちだから注意しましょう」って事なんです。つまり、「どんな時でも自分を見失わないで、ちゃんと自己管理をしよう」って事ですね。

みなさん自己管理できていますか。髪の毛のお手入れは大丈夫でしょうか。私は殆ど髪の毛に頓着しないのでダメですね。風呂上がりのドライヤーで気になる長さになるまで放置です。そして床屋に行くか、安いカット専門店を利用をして整えています。

性別に関わらず、お洒落な方は髪型を小まめにチェックします。また手先が器用な方はご自身でヘアカットをし微調整までなさいます。そして美容院の利用ですね。美容院であれば本人が例え忙しくしていても、最適なカットの時期を案内してくれます。また、髪の毛の状態やカットの好みまで管理してくれますから、一度お任せすれば髪形を常にキープすることが出来て便利なのです。

ですから男だって”美容院”へ行ってみたいのです。

しかし美容室の利用者の大半は女性客です。お洒落な男性客も美容院へ通っているようですがまだまだ比率は少数派。行き慣れていないと奇異な目で見られはしないかと不安になります。躊躇ってしまうんです。

だってそうですよね。大抵の美容院には独立した男性コーナーがあるわけではありません。女性客と並んで髪の毛をカットしてもらうとなると、こちらの話し声は耳に入っても仕方がありません。

「今日はどのようにカットいたしますか」との美容師さんの問い掛けに、「ではキムタク風にしてください」なんて言ったものなら、こちらを振り向かれ笑われてしまうのがオチでしょう。

お洒落染やパーマをかける際もそうです。コテやカールを頭に着けたままで女性客と一緒に並んで、パーマ液が髪に馴染むまでの時間待ちするのは耐えられません。その間は雑誌を読むのでしょうか、それともスマホでしょうか。手持無沙汰でキョロキョロしていると鏡越しに色んな人と目が合って気まずくなりはしないかと気が休まりません。ですから美容室への興味はあってもいまだに一度も訪れたことがありません。世の中の男どもはきっとそうなんです。

いつもの床屋は慣れたもの。「1ケ月分きって」とだけ伝えて後は寝ていればよく、床屋のご主人との会話にも気を使う事はありませんものね。しかし今の時代、何事においても食わず嫌いではいけません。変化に対応せよとセミナーの講師も申しております。

そこでついに意を決して先日美容院へ行ってきました。

まずは事前にトークのシミュレーションです。「6:4ぐらいで分けてフロントはアップバングにして、前髪は眉より1センチぐらい上、毛先はギザギザにお願いします」前日から何度練習したことか。学生時代は部活に明け暮れ主に丸坊主が多かったので普段は「1ケ月の伸びた分を切ってください」しか言ったことがなかったので大きな進歩です。

いよい予約の時間です。

お洒落で有名な美容院に恐る恐る入店しました。店の奥から店員が柔らかい笑顔で出迎えです。店内には落ち着いた静かな音楽が流れています。

「こちらにどうぞ」
「今日も暑いですね~」

自分よりずっと年下の若い女性のトークに少し圧倒されます。

「では最初に流しますね」
「お疲れ様でーす」奥からも「お疲れ様でーす」

まだ、自分は何も疲れてないのに、店全体で優しい笑顔でお疲れ様だとねぎらってくれます。ひょっとして心の中を読まれているのでしょうか。

「はい、こちらでお願いします」
「それじゃ髪の毛を流しますね」

案内された素敵な椅子に腰をかけると、私にいきなりとんでもないことが起きました。えっ。椅子が逆でしよ。

髪を流すのに体を仰向きに倒されたんです。聞いてないよ。
(ちなみに床屋の洗髪は前向きが当たり前)

・・・

やはり美容室は向き不向きがあるようです。私は来月はいつもの床屋に行くことにします。

「楽髪苦爪」という言葉、「どんな時でも自分を見失わないで、ちゃんと自己管理をしよう」って教えでしたね。どうやら私にとって美容室は自分を見失わないで居られる場所ではなかったようです。

男性はやはり床屋ですね。

そうです。リラックスできる場所が一番ですよね。

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