足りない言葉と勘違いが生んだ優しい世界にきゅん〜ドラマ『消えた初恋』
ドラマ『silent」で全世界を泣かせた?SnowMan・目黒蓮くん。
ドラマでの失聴の経過やエピソードに、勝手に自分を重ね、勝手にソウルメイトの契りを(一方的に)交わしたこの「めめ」と、今、私の一推しG「なにわ男子」のみっちー(道枝駿佑)という私的「神カプ」ドラマ『消えた初恋』(テレビ朝日)
いちおうジャンルとしては「BLラブコメ」らしいけど、原作が別マ(別冊マーガレット)連載ってことや、トップアイドル2人のW主演ってことからも、少女マンガの世界。
「消しゴムに好きな子の名前を書いて、気づかれずに最後まで使い切ると恋が実る」
40年以上前にもありましたね、そんなおまじない。
時は流れてもが変わらないものもあるのねー!と思いつつ、好きな子から借りた消しゴムに書かれていた名前をめぐっての勘違いが全ての発端となるドラマ。
ほんと、今の子は言葉足りなーい!
「あいつ」なんて言うから、違う子を指していても気づかない。主語もないし。
しかもうまい具合に、どっちでも取れるようなシチュエーションが続いて、、、。
まぁ、漫画と言えばマンガ。
好きな女の子の思い人を知ってしまっての失恋、からの、その子の幸せを願って応援、からの相手の子の誤認識判明と、自分の気持ちに気づいて揺れる心。
それを演じるみっちーのアイドルらしからぬ変顔や豊かな表情、リアクションが魅力的でした。
もろ「恋する乙女」チックで(笑)
ただ、通常の恋愛偏差値があるため、あれやこれや頭の中で考えてしまって、迷走してしまう。
対するめめは「好き」というのがどういうことか分かってない恋愛ビギナー。よく分からないから、反応も薄く無表情。
意味深なことも平気で言って、みっちーをドギマギさせる。
この2人の恋愛温度差が、いいのよね〜。
文化祭、林間学校、部活、そしてクリスマス、、と学生あるあるイベントでの盛り上がりは、古き佳き学生時代を思い出させます(…女子校だったけど)
ただ、ふと感じたこと。
そもそも青木(みっちー)は橋下さんに恋をしてたのだし、井田(めめ)への自分の想いにも戸惑っていたわけで。
井田も、そもそも「好き」っていうこと自体が分からなかったのが、目で追うようになった相手が青木で、たまたま男の子だった、という感じなわけで。
そう考えると、これって、BLというジャンルなんだろうか、という疑問が出てきちゃう。
「男女の恋愛」を「普通」としてるから、そうでない同性の恋愛を「BL」って括ってるけど、フツーにマンガで、「先生に恋しました」「幼馴染に恋しました」と同じく「クラスメイトに恋しました」ってだけなんじゃないかなー。
ただ、青木自身は、自分の恋心を「おかしい」「普通じゃない」って思っていて、自分の気持ちに蓋をしようとしてしまいます。
でもそれを否定してくれる友人達。
井田の友人達もそう。
自分と付き合ってることを知られるせいで、井田が仲間外れにされるんじゃないかと、気に病む青木の思いもしっかり受け止めてくれる。
そして幼なじみの駿(望月歩さん、私のお気に入り映画『HOMESTAY』(noteでの記事はこちら)でケントのお兄ちゃん役)は、早いうちから井田の変化に気づきつつ黙って見守り、でも悩む彼にビシッとアドバイスもして、後押ししてくれる。
担任&バレー部顧問の谷口先生(田辺誠一さん)も、そっと見守ってくれてる感じだし。
“偏見ヤバ男”の教育実習生(白洲迅さん…担任役の田辺誠一さんとは『刑事7人』仲間)以外は誰一人、2人の気持ちを知っても「キモい!」とか「ありえない」とか思わない、素晴らしい世界!
まだまだ、偏見や色眼鏡の蔓延る社会では夢みたいな世界!
そう。青木が井田との関係を隠そうとするのは、その気持ちが恥ずかしい、とかではなくて、それを知られることで友達が離れてしまうんじゃないか、井田が辛い立場になってしまうんじゃないか、と思うから。
そして、井田はそもそも恋愛を分かってなくて、もしかしたら、「恋愛は異性とする」とされていることすら知らないんじゃないか、くらい。だから、隠そうともしないでいたけど、青木がなぜ隠すのか、なんとなく分かってきて、初めて嘘をつく。
となると、好きな相手が同性だとしても「あーそうなんだ。あいつ、いい奴だしね。応援するよ!」ってすんなり通じちゃう社会(このドラマみたいに)だったら、もしかしたら、BLというジャンルは無くなるのではないか?と思ったりするのです。
「みんなと違う」「多くの人とは違う」ことも当たり前に受け入れられたら、BLは、ただの「Love」ストーリーになるってこと。(多様性理解を求める立場としては喜ぶべき?でも、BL好き腐女子としては悲しむべき?)
…とまぁ、そんなに小難しく考えなくてもいいかな〜。
優しすぎて、相手のことを考えすぎて、最初から最後まで、自分自身や周りの人たちの言動に振り回され、キュルキュルしてるみっちーと、クールなんだか、鈍いだけなんだか分からないスンとしてためめが、いろんなことを理解して、人間らしくなっていって時々溢れる心からの笑顔を見てるだけでも、キュンキュン幸せな気持ちになります。
私がBLに惹かれてしまうのは、今回の青木みたいに、「好きになるはずがない」相手に、どうしょうもなく惹かれていく、というところに「純」を感じるからかもしれません。それだけその「相手」への想いが強く、真っ直ぐに思えるのです。
「男が好き」だからその相手を選んだ、んじゃなくて、好きになった相手が「男だった」というだけのことじゃないかな、と、私にとっての初BL「チェリまほ」(『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』)からずっと思ってます。
ちなみに、腐女子のバイブル(と勝手に私が決めてる)「みなしょー」(みなと商事コインランドリー)のシン(西垣匠)くんが出ていることも、忘れずに書かないと。
今回はちょっとおかしな?クラス委員長役で、けっこうその気が無いのに笑いを取っちゃうボケ担当。ドラゴン桜でのスキンヘッドと言い、役の振り幅広いわぁ。
ともあれこの『消えた初恋』は、少女マンガらしく、エチエチなシーンどころか、キスシーンすらないので、「男の子が男の子を好きになる」というシチュエーション初心者さんにもお勧めです!
誰かを一途に思う気持ち、「好き」という気持ちにもいろいろな形があるってこと、、、
最後の井田のひとことに全てが凝縮されてます!
「いいだろ?みんなと一緒じゃなくたって」
ス・テ・キ❤️
最後まで飲んでいただき、ありがとうございました!
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