見出し画像

相手への想いが溢れすぎて苦しくなったsilent第2話

我が家のレコーダーは指定したチャンネルが10日間くらいは全録されていて、さらにゴールデンタイムのドラマは自動で100日くらい録りおきされるのです。(最近のは全局全てをもっと長く保存できるようですが)
そのおかげで、連続ドラマを見始めてなくても、評判になってる!と知ってから第1話から観ることができるし、保存もできます。
なので最近の私のドラマ鑑賞は全話終わってからの一気見!
「この先どうなるんだろ」と1週間ジリジリ待つストレスから解消!なんですが、唯一の欠点が、リアルタイムの話題に乗れないこと。
「あれ、よかったよね〜」
「あそこ、イミフ〜」みたいな話題に乗ることもできないし、わたし自身が「よかった!」と思っても、「見てみて!」って言えない、、、だって放送終わってるから。

そんなわけで、今期のフジテレビ「silent」はリアタイで観ることに。
怒涛の第1話について書いたnoteは何人もの方に読んでいただきました。(嬉しい限り!!)

silentを1話見ただけで、こんなこと思った秋の夜
|ぶーみおちゃんぷ @boomio1919 
https://note.com/boomiochamp/n/nc2f2e1eda5f6

で、待ちに待った第2話。
前回のエンディングから、ドロドロメソメソの悲劇的なネガティヴな話になっていくんじゃないかって心配もしていたのですが、そうなってなかったと思います。
以下、ネタバレも含めます。

まず今回は私は想くんの立場と篠原涼子さん演じる想くんママの立場、両方の立場がガツンと響いてきちゃいました。

自分が聞こえなくなる、ってことでお母さんや友達やそして恋人がどれだけ苦しむか、悲しむか。
自分と周りの関係がどうなってしまうのか。
進行性で真綿で首を絞められるようにじわじわと聞こえなくなっていくその過程で、私たちは(厚かましくも、私と想くんを一絡げ 笑)聞こえなくなるってどういうことか、自分がどうなってしまうのか、という不安と同時に、周りの人たちの反応とか、関係がどうなるのか、ということに悩むのです。もしかしたら、後者の方が悩み大きく、苦しみ深いかもしれない。

なぜなら、、
「聞こえなくなる」「障害者になる」自分っていうのは想像がつかない。なったことないから。だからその不安は「わからないこと」への不安。

でも、周りの人の反応や関係については、想像できる。もし、自分の家族が、恋人が障害者になったら、自分はどうなるか。「何も変わらない」と言いながら、やはり心のどこかで壁を感じるんじゃないか、めんどくさいと思うんじゃないか。
そうやって想像ができるから、そんな思いを家族に、友人に、恋人にさせてしまうことに苦しむ。

「自分のせいで、そんな思いをさせてごめんなさい」と思う。ママへのごめんなさいは、これ。
そんな思いをさせたくないから、距離を置こう、別れてしまおうと思う。紬へのさよならはこれ。

障害を持つって、機能的な面では不自由になる、不便になることへの不安より、そういう人間関係の「変化」の苦しみの方が大きいのではないかな。

だから、想くんの、「紬が好きだから悲しませたくなくて別れた」という気持ちは「カッコつけ」なんかじゃない。紬を傷つけたくないのと同時に、自分を守るためだったと思う。
第一話のラストシーンは、きっと8年前、この先、自分がどうなっていくのか分からない不安の中、紬に対して別れを決断したその葛藤を思い出したんだろうな、と。
きっと自分に「もう住む世界がちがうんだ!」って言い聞かせてたんだろうな、って思うと、切ない。

そして、今回、私が心揺さぶられたのが篠原涼子さん(想くんママ)。
台所での号泣シーン。
まだ聞こえていた頃のシーンだったから、なんであそこまで?って思う人も多いかもしれません。
で、私の勝手な解釈、、

・妹が呼んでも気づかない想の様子などから耳のことを疑って、本人に問いただす。
・お医者さんに「これまで検査で引っかかったことがない」と詰め寄り、「遺伝性かも、、。親族に誰かいるか?」と聞かれて、慌てて否定した様子。

そんなことから、もしかして、ママ、「遺伝性」の心当たりがあるのかもしれないな、と感じた私。この先、想が歩んでいく道を思い、またその責任が自分にあるかもしれない、と思っての号泣だったんじゃないかな、と。

実は、私の息子、娘(末っ子)も少し聞こえづらさがあります。
それが分かった頃、「私は後天性だし、遺伝じゃない!」「でもやっぱり私のせいだ」という思いが行き来して、苦しくって、申し訳なくって、泣きたい気持ちになりました。聞こえなくても一応幸せに暮らしている私であっても、ね。

だから、想くんママ、お医者さんに「遺伝の可能性」と言われて、親として、ショックと責任と悲しみと、、の号泣だった、、というのが私の予測。子どもが苦しむのは親として辛いのは当然で、しかもその原因が遺伝かも、なんて。

本当は、遺伝の病気=親の責任じゃないってことを私、も専門医に説明してもらって、少しだけ肩の荷が降りた覚えがあるから、想くんママもあまり自分を責めないでくれたらいいな、とも思います。
その辺も今後、回収されるといいな。

この2人には、自分自身を重ねてしまい、見ていて苦しくなってしまいます。でも、、、目が離せない。


それと、やっぱり風間くん演じる春尾先生、ちょっとしたストーリーテラーというか補足解説者みたいでキーだわ、と思ってます。
第一話での自分も含む聴者(健聴者って言わないところもミソ)へのデスりといい、今回、想くんが声を出さないことへの疑問を、紬ちゃんの質問に答えて回収。
機能的に話せなくなるだけでなく、気持ち的に話せなくなる場合、話さなくなる場合、いろんな場合があるってことが伝わるといいな。 と思いましたり
「初めからないのと、あったものがなくなるのは違う感覚」
「初めから出会わなければよかった、と思いませんか?」
うーん、深い!!これまでに何があったの?春尾先生?って感じ。
きっとこの後も、キーになる存在に違いないです!楽しみ!

ていうか、この講習会の様子をもっとやって欲しい。
CM前のこれだけじゃもったいない!

講習中、「音声×」とか、けっこう設定細かい。

江副さんも出てるし、この講習会見て、川口春奈ちゃんと一緒に手話覚えたいって人もいるはず(笑)講習会シーンとかサイドストーリーでもいいからやって欲しいな。Huluだと見れないけど。


そして第2話で忘れてはいけないのがこれ!!

UDトーク画面

出ましたよ!UDトーク!
第1話のラストシーンで「UDトーク使えばいいのに!」ってイラついた皆さん(私含む)、お待たせしました!!って感じ。
ですよね〜。
2回目に会った時は紬ちゃんも自分のスマホに入れてて、若い子は順応早いよね、使えるものは使えばいいんだよね、って思いました。
それに、UDトークが、聞こえない人が相手の話を聞くためのツールというだけでなく、聞こえる人側も、自分の思いを伝えるために使うツールであるってことが、紬ちゃんのスマホに入ってることで伝わる、、、といいな。

まっ、、ヘビーユーザーとしては、想くんが言葉を打ち込む時、UDトークでない画面を出して打ち込んでるんだけど、UDトークだけで、入力できるのになぁ、とは思いました。
紬ちゃんは音声認識、想くんは手入力で、トーク画面でやりとり、、のほうが楽なのにな、と(笑)

ともかく、この、udトークを介した2人のシーン、すごく丁寧で、2人の表情も良くて、胸が苦しくなりました。
言葉は画面を通して伝えてるんだけど、画面を見つめるのではなく、相手の顔を見つめ、伝わらないところを画面で補う。ちゃんと、向き合った2人が話をしてる、、。
「悲しませたくなかった」の文字を読んだ後の紬ちゃんの怒ったような、、からの涙、、の表情が印象的。
想くんがどんどん泣き顔になっていくのも胸が締め付けられました。

そんなわけで、とりあえずの疑問とかひっくるめて、次に進んで、想、紬、湊斗、奈々さんの四角関係、湊斗が想の耳のことを話した友人が「わざわざ障害者の方に行かないだろ」という、まぁ、一般的な?視点、そして、春尾先生の存在。

聴こえる人、聴こえない人、そこに関わる様々な立場の人、、それぞれの思いが通じ合い、今回出てきたたくさんの「ごめんなさい」が「ありがとう」に変わっていくといいなぁ。
これからもますます楽しみです。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

いただいたサポートは私の人生を支えてくれた聴導犬をはじめ、補助犬の理解啓発のための活動に生かさせていただきます。