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【オンラインショップ更新】特集 詩の絵本

おはようございます!
paquet.オンラインショップ入荷のお知らせです。

今回のテーマは「詩」
古今東西の詩を扱った絵本を10冊えらんでみました。

絵本といえば物語の様をしたものが主ですが、海外の翻訳絵本を専門にするようになり、歴史に名を残した偉大な詩人の詩に絵をつけた詩画集や、古くから伝わるわらべうたをモチーフにした絵本にはすてきなものがたくさんあることを知りました。

絵本に限らず、物語の世界に没頭する読書はもちろんたのしいのですが、疲れているときやなんとなく読みたいものがわからないときなんかに、わたしは詩集に手をのばします。てきとうなページをひらいておもむろに読むを繰り返すうちに、どこかにひっかかったりする。そういうのも、読書の趣のひとつとして、すごくたのしいと思います。

今回は絶版本や希少本も数冊あり、いち古書店としてもけっこうアツい入荷です。
このnoteを読んで気になった方はぜひこの機会にオンラインショップでお買い求めくださいね。(意外とディープな古絵本の世界へようこそ!)

それでは紹介していきます。

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「木いちごつみ」
きしだえりこ 詩
やまわきゆりこ 絵
1983年10月20日 福音館書店 発行

まずは「子どものための」詩。
動物や草花など、子どもにとって身近なモチーフを繰り返しの技法を使ってあらわした詩が多く、低年齢から読み聞かせでたのしめます。

絵を手がけた山脇百合子さんの代表作「ぐりとぐら」に親しんでいる子は(言わずもがなですが大人も!)多いので、お話ではなく詩の本、いうことにも苦手意識を持たずにすんなりと入っていけそうですね。


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「クレーの天使」
パウル・クレー 絵
谷川俊太郎 詩
2000年10月12日 講談社 発行

「忘れっぽい天使」をはじめとするクレーの天使のドローイング。
たくさんの天使たちに日本の誇る詩人、谷川俊太郎さんが絵をつけたのがこの本です。

なにがてんしからのおくりものか
それをみわけることができるだろうか

谷川さんらしい問いではじまります。

全然関係のないわたくしごとですが、今年「忘れっぽい天使」が刺繍してある白くて大きいTシャツを買いました。


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「木のうた」
「鳥のうた」
ジョールジュ・レホツキー 絵
木島始 詩
1979年6月10日 佑学社 発行

György Lehoczkyによるベストアルバムのような絵本が入荷しました。

手元に来るまでしらなかったことが情けないくらい、美しい絵を描くレホツキーさんという方はハンガリー生まれの建築家ですが、第二次世界大戦後はドイツに移り、画業のほかガラスやモザイク、陶芸にも取り組んだのだそうです。

今回入荷した2冊は、彼が50年にわたって描き続けた絵のなかから、彼の愛孫、ムキのためにえらばれた作品が収録されたムキへの“贈り物”であり、邦版では詩人の木島始さんが絵からインスピレーションを受けて書いた詩が添えられています。

建築家、画家として名を遺したレホツキーさんですが、その生涯で出版した書籍はわずか3冊だけであり、ファンの間では有名な作品なのだそうです。

どちらもカバー付きの初版。とても美しい絵本です。気になる方はぜひ。


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「マザーグースのうたがきこえる」
ニコラ・ベーリー 絵
ゆら きみよし 訳
1978年11月15日 ほるぷ出版 発行

世界でいちばん有名なイギリスのわらべうた、マザーグース。
マザーグースをモチーフにした絵本は過去にも何冊か入荷していますが、ニコラ・ベーリーさんの作品ははじめて。とても繊細な、すばらしい絵を描く方です。

彼女は1975年の出版当時に「天才的な女流画家」と評され、マザーグースの絵本の歴史にあたらしい光を与えたと絶賛されたそうです。

お子さまへの読み聞かせにも良いですが、大人が出会いなおすマザーグースの絵本としてこれ以上のものは思いつかないな、と思うくらい、すてきな作品でした。


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「窓の下で」
ケイト・グリーナウェイ 作
しらいし かずこ 訳
1987年9月15日 ほるぷ出版 発行

続いてイギリス、ほるぷクラシック絵本シリーズより。
英国絵本の黄金時代とされる19世紀後半、ヴィクトリア朝時代に活躍した挿絵画家、ケイト・グリーナウェイの絵本です。

「窓の下で」は彼女自身が文と絵の両方を手がけたはじめての作品集で、散文詩のような短いお話とクラシックな衣装を身にまとった子どもたちの日常風景が描かれています。

今から100年以上も昔となると、文章そのものというより、挿絵もあわせた作品ぜんぶが、彼らの日常が詩のような……
うまくいえないけれど、個人的に大好きなグリーナウェイ作品です。


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「もじゃもじゃペーター」
ハインリッヒ・ホフマン 作
ささき たづこ 訳
1985年9月15日 ほるぷ出版 発行

ほるぷクラシック絵本シリーズよりもう一冊。
ケイト・グリーナウェイと同時代に活躍した作家、ハインリッヒ・ホフマンの代表作を紹介します。

表題作「もじゃもじゃペーター」ほか童話調の短いお話を集められたこの絵本は「物語集」であって詩集ではないのですが、役者の佐々木田鶴子さんが邦訳したホフマンの文章には韻を踏むことによって作られる気持ちの良いリズムがあります。

とてもたのしい詩的な古典絵本だと思います。


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「動物詩集」
アポリネール 作
窪田般彌 訳
山本容子 絵
1991年10月25日 評論社 発行

現代詩の始祖とされるフランス人詩人、アポリネールの「動物詩集」
邦訳版は山本容子さんによるおしゃれな絵がつけられた絵本としても出版されています。

はじめて触れるフランス詩にいかがでしょうか。


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「ノーダリニッチ島 K・スギャーマ博士の動物図鑑」
K・スギャーマ 作
1991年10月 絵本館 発行

詩の絵本ではありませんが、動物つながりで入荷してみました。
ノーダリニッチ島にいるどこか変な動物たちがたくさん載っています。
現行品のカバーは赤色のようですが、こちらはクリーム色。


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「翻訳できない世界のことば」
エラ・フランシス・サンダース 作 
前田まゆみ 訳
2016年4月20日 講談社 発行

最後は、わたしが広い意味で、けれどとても強く「詩」を感じる作品を紹介します。
世界的なベストセラーなので、知っている方、持っている方も多いかもしれません。すてきな言葉の絵本ですよね。

タイトルの「翻訳できない」というのは、一語対一語の翻訳ではその意味を正確に表すことができない、その国固有のことばを指します。
たとえば、日本語の「こもれび」
おなじ意味を表す単語は、世界のどの国にもないそうです。
「そういうことばは、世界のどの国にも、本当はたくさんあるんだよ」と
その存在を教えてくれるのが、この絵本というわけですね。

たくさんのことばのなかに、詩情がすでに含まれている。
膨大な数のことばで構成された本を扱う古本屋という仕事に就いた自分にとって、月並みな言い方になりますが、夢をくれるような一冊です。

新商品は今夜21時にオンラインショップで販売開始です。

最新の入荷情報、イベント出店予定はインスタグラムをご覧ください◎

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