【オンラインショップ更新】特集 おやすみ
こんにちは!
古本とがらくた paquet.オンラインショップ更新のお知らせです。
商品はすでにショップに掲載されていますが、購入可能になるのは今夜21時です。
今回は「おやすみ」をテーマに4冊の海外翻訳絵本と1冊のベットタイム・ストーリーをえらびました。
寝る前の読書にぴったりの名作揃いです。それでは紹介していきます。
「おやすみなさいのほん」
マーガレット・ワイズ・ブラウン 文
ジャン・シャロー・絵
いしい ももこ 訳
1962年1月20日 福音館書店 発行
最初に紹介するのは出版から半世紀以上が経つ今も読み継がれるマーガレット・ワイズ・ブラウンの代表作。フランス出身の画家ジャン・シャローによる三日月に眠る赤ちゃんの表紙がかわいらしい一冊です。
「よるに なります。
なにもかも みな ねむります。
おひさまは ちきゅうの
むこうがわに かくれます。」
やさしいことばで語られるのは、動物や植物や船や自動車、そして子どもたちの夜のようす。眠けをさそうような調子のことばに、生きとしいけるもの特有のまるい曲線と色鉛筆のタッチがすてきな絵が添えられています。
世界中で愛されるロングセラーの翻訳絵本。わたしも大好きな一冊です。未読の方はぜひどうぞ。
「あたし、ねむれないの」
カイ=ベックマン
文
ペール=ベックマン 絵
やまのうち きよこ
訳
1977年5 月 偕成社 発行
スウェーデンの美術専門学校と美術アカデミーを揃って卒業されたというとっても仲良しな二人、ベックマン夫妻による「あたし、ねむれないの」
主人公のリーセンはお人形といっしょでないとねむれません。でも、お人形は「くま」がいないとねむれないし、「くま」は「いぬ」がいないと──みんな自分のお気に入りがいっしょでないとねむれないのです。
リーセンはみんなのいうとおりにそれぞれのお気に入りたちをベッドに入れてあげますが、そのうちにベッドは満員になって、リーセンのねるところがなくなってしまいます。
ページをめくるたびリーセンの青いお布団の上にお気に入りたちが増えていく、わかりやすいしかけの絵本。大好きなぬいぐるみといっしょに寝ている小さな子にとっては自分ごとのようにたのしめる作品だと思います。
北欧らしさのある、どこかレトロできれいな色彩の絵は妻のペールによるもの。本当にすてきで本棚に飾りたくなります。
「おやすみかみさま」
レイチェル・フィールド
文
エリザベス・オートン・ジョーンズ 絵
なかむら たえこ 訳
2004年6月18日 燦葉出版社 発行
子どもにむけた「祈り」の絵本。
1945年のカルデコット賞にえらばれた本作は、アメリカの小説家レイチェル・フィールドが神様に語りかけるかたちで文章を書き、おなじくアメリカの絵本作家エリザベス・オートン・ジョーンズがある女の子の日常生活のようすを挿絵として描いたものです。
「Bless this milk and bless this bread.
かみさま、ありがとうございます!おいしいミルク、ふかふかのパン」
英語と日本語訳の両方で記されたメッセージはおやすみの前のお祈りのことば。ここでいう「かみさま」はキリストですが、キリスト教徒ではなく、忙しさにかまけて普段は神様のことなど考えもしないわたしは、信仰とはそのことばの響きよりもずっと素朴でやさしく、そして身近なものなのだと思いました。
ミルクもパンもお布団もある、あたりまえだけれどしあわせな生活のなかにいること。
ベッドで読めば明日がくるのがたのしみになる一冊だと思います。
「おやすみなさい フランシス」
ラッセル・ホーバン 文
ガース・ウィリアムズ 絵
まつおか きょうこ
訳
1966年7月1日 福音館書店 発行
アメリカ生まれのロングセラー「フランシス」シリーズの第1作目にあたる「おやすみなさい フランシス」
アナグマの女の子「フランシス」がひとりのベッドで眠りにつくまでを描いた作品です。
なかなか眠れなくて、自分でつくった歌をうたってみるフランシス、天井のひびのことを考えるフランシス……かつて子どもだったわたしたち大人に、子ども時代の空想を思い出させる描写が続きます。
「しろいうさぎとくろいうさぎ」「大草原の小さな家」などでしられるガース・ウィリアムズよって描かれたフランシスのキャラクターデザインは、次作以降ラッセルの妻であったリリアン・ホーバンに引き継がれたため、ガースオリジナルの鉛筆画でいきいきと動くフランシスが見られるのはこの一冊だけ。
「フランシス」シリーズを読むなら外せない、絵本の古典のような作品です。
「BEDTIME TALES」
Linda Jennings 著
Hilda Offen 絵
1989年7月1日 Octopus Books(イギリス) 発行
今回のテーマにあわせて、最後は洋書を紹介します。
寝る前に読書や読み聞かせをする習慣は万国共通のようで、英語ではベッドタイムストーリーというそう。
こちらはBEDTIME“TALES”なので、寝る前の物語、作り話、といったところでしょうか。(ちなみに、taleはstoryよりもやや古めかしい感じの表現なのだそうです。)
こちらは144ページのずっしりした大判本で、全ページ挿絵つきのフルカラー。グリム、アンデルセン、ペロー、イソップ童話のほか伝承や創作を含む144篇の短いお話が収録されたとても豪華な一冊です。
表紙の絵のモチーフになっているのは千夜一夜物語、アラジンに出てくる魔法のじゅうたん。星がちらばる夜の街を飛ぶ子どもたちは夢の世界への入り口へむかっているみたいに見えます。
眠りにつく前のベッドで毎日少しずつ読み進めたい、世界中の童話がぎゅっとつまった一冊です。
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