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情報戦争を知るための手堅い本。「偽情報戦争 あなたの頭の中で起こる戦い」

今日は「偽情報戦争 あなたの頭の中で起こる戦い」という本を読みました。この本は主に中国やロシアからの情報攻撃に備える本。儲からない古本屋の店主がそんなこと心配してどうすんの?という声が聞こえなくもありませんが、一人の日本国民として読みました。

ただ、本を読み始めて少しガッカリ。この本からは衝撃を受けるような情報や有能な人間になれる知見が得られるわけではなく、どちらかというと、後から考えれば常識となりそうな情報を手堅く解説している本。だからこそいい本だともいえるのですが、やはりちょっとした刺激を求めてしまうのが人間です。

本の内容は主にロシアや中国がどのような情報戦を仕掛けているかについて書かれており、それについて解説している訳ですが、それらに深さはあれど目新しさや衝撃はなく、普段から情報に目を通している人にとっては少々退屈な本かもしれません。

ただ、少々興味を惹かれた点もありました。P119にロシアが米国民の対立を煽ったという解説です。確かに敵と味方を欺く情報は庶民からしても見抜きやすい。でも、同じ国民同士に溝をつくり対立を煽る情報戦に対しては、それを見抜くのは難しそうです。

そしてふと我が日本を思い返せば、最近国内でも対立が深まっている。もしかしたら裏でどこかの国の情報部隊の暗躍が隠れている可能性はあるかもしれない。だから日本人同士の感情的な対立に対し、私たちはもっと注意してもいいのかもしれません。

そう考えれば、SNSの鮮度の高い情報や議論も大事だけど、情報収集を書籍に頼ることも悪くないような気がしました。書籍の情報はSNSなどに鮮度で負けますが、一晩寝かせたような情報は落ち着いており、やはりどこか安心です。

そして更に歴史の本などの定番の本を読み、そこから現代の問題を因数分解することにより、鮮度の高い情報も自分なりの解釈をすることが出来る。

結局、少しめんどくさいけど学術的な本やこの本のような基礎的な本を読み込むことが、情報戦に引っかからないための最善の策だと思いました。

なんて当たり前の結末だ・・・でも、まあ本当にそうなんだから仕方ありません。急がば回れということわざはよくできた言葉です。気分を変えて、明日は楽しい本を読みたいと思います。

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