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哲学はやはり難しい「14歳からの哲学」

多くの著名人が紹介している「14歳からの哲学」。古本屋で必ず売れる人気のタイトルで、なおかつ買取することが多い本。そういうこともあり、いつでも読めると思っていたので読まなかった本ですが、昨日、意を決し、読んでみました。

先に結論を書くと、この本はいい本です。しかも、かなりいい本です。ただ、この本を14歳にして理解できる子供は恵まれた頭脳を持った子供(ギフテッド)かもしれません。なぜなら、大人が読んだとしても理解できない人が一定数いる本だからです。店主もなかなかページが進まず厳しかった。

ただ、店主は恵まれた頭脳を持っていませんが、本を粘り強く読むことができますし、わからなくても諦めずに考え続ける努力ができます。そして、古本屋として読まねばならぬ、負けられぬという義務感もある。正直言って、これで乗り切りました。

また、恵まれた頭脳を持っていない子供だとしても、本好きで、努力できる子どもであれば読めるかもしれませんが、どの子供にも勧められるような簡単な本ではないし、手軽に手を出していい本ではありませんでした。

ただ、それでもこの「14歳からの哲学」を読んでみたいと思う方に向けて、少しアドバイスが出来たらと思います。(もちろん、普通に読める頭脳をお持ちの方は普通に読んでいただければ結構です)

この本の前半は、この本の基礎となる理論の説明です。平仮名で書かれているにもかかわらず、内容は難しい。とても「読みにくい文章」です。眠たくなるかもしれません。が、絶対に読み飛ばしてはいけません。時間をどれだけかけてもいいので、9割の理解を目指して読みましょう。

そうすれば、中盤から読みやすくなり、後半は更に読書スピードが上がります。しかし、もしこの中盤が面白くないと感じたり、読んでも意味がわからなかったら、最初の基礎となる部分が理解できていないということです。最初から読み直すことをおすすめします。

話は変わり、なぜこの本が読み辛いのかと考えると、14歳の子供にも理解できる言葉と事例で哲学という高尚なものを説明しているからに他なりません。また、著者は頭がよすぎて、普通の人の思考を想像することができないのだろうなと思わせる節があります。

店主としては、抽象度の低い、もっと現実的な事例からの説明があったらよかったのではないかと思いました。でも、この本にはその難しさを含んでいるからこそ、多くの人が紹介したい哲学書になったのだろうなとも思います。

最後に繰り返しになりますが、かなりおすすめの一冊です。
まだ読んでない大人の方は「14歳からの」という言葉を気にせず、ぜひ挑戦してください。

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