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縦スクロールの漫画「俺だけレベルアップな件」を古本屋が読んでみた。

「これは・・・漫画なのか?」という疑問が第一印象でした。韓国で生まれ、現代の若者が好んで読むという縦スクロールの漫画、それを初めて読んだ古本屋店主の感想です。

読んだのはCMでも流れている「俺だけレベルアップな件」という人気漫画。25話くらいまで読んでみた感想としては、読めないことはない。いや、むしろ予想以上に読めました。面白かった。店主はパソコンとスマホの両方で読みましたが、どちらも読書に支障はありませんでした。

内容をほっといて分析を進めると、縦スクロールの漫画を支えているのはシンプルな作画だと感じました。日本風の漫画と違って、アニメをスクショで捉えたような2次元的タッチ。これが非常にわかりやすい。そして既存の漫画からも学んでいる。表現方法はなかなか見事。工夫が感じられるコマ割りも「あり」だと思いました。

そして肝心のページをめくる代わりに「親指をスライドして読む」という縦スクロール独自のシステムは、初見でスンナリ使用できました。非常に直感的で使いやすい。こういっては失礼かもしれませんが、頭を使わずに読むことができました。

そして、肝心のストーリーもシンプルでわかりやすい。若者に漫画を読ませる方法を分析し尽くしてきた人たちがつくったであろう、王道のストーリー。さらに、盛り上がったところで「続きは次回」となるところも上手です。

しかし、日本人として気になるところもありました。まず第一に、この縦スクロールの漫画からは、文化やポリシーや芸術性が感じられない。ひたすら読まれやすく、分析しやすく、儲けるために設計され尽くしたデザインなのでしょう。親が子供にすすめたくなるような作品が生まれにくいのではと思いました。

また、これは凄く不思議なのですが、思ったほど早く読めないという違和感も感じました。店主は昨日「サマータイムレンダ」全13巻を1日で読みましたが、そういったことはできないような気がします。その理由はわかりませんが。

・・・いや、わかった!縦スクロールの漫画は、一度に1コマづつしか見れないからだ!紙の漫画だと数コマ同時に見ることができるので、吹き出しのないバトルシーンなどは同時に数コマまとめて見れる。だから早く読めるんですね。

ただ、時間が無限にある若者にとっては、この一コマづつ読む縦スクロールのシステムは問題ないのかもしれません。それに、我々おじさんも時々マクドナルドが食べたくなる時があります。それと同じように、縦スクロールの漫画が読みたくなることが、これから起きるかもしれません。というわけで、本日も色々な気づきがある読書となりました。



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