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店主と、本のある暮らし December 2022
こんにちは。いどうほんやKOKOです。
Instagramにて連載中の、【店主と、本のある暮らし】を
noteにも投稿していきたいと思います。
本との出会いや、交流のきっかけになればとても嬉しいです。
ゆき
December 1, 2022
今日から12月ですね。
朝起きると、庭の木もお隣の家も、みんな雪の帽子をかぶっていました。
まさに、ユリ・シュルヴィッツの『ゆき』の世界が、そこにありました。
ここ数日の札幌の風景は、『ゆき』を1ページずつたどっているようです。
『ゆき』の舞台は、どんよりと灰色の、とある一本の通りです。
ひとひらの雪も見逃さない、うれしそうな子どもと犬。
雪が降ってきたなんて認めたくない大人たち。
大人たちの様子が滑稽に描かれていて、読み聞かせをすると子どもたちは大笑いするのですが、いやいや、だってしょうがないんですもん。
認めたくない気持ち、よーくわかります。
でも、こっそり持ち合わせている子どもごころを刺激されるから、どちらにも共感できてしまう。
雪国にお住まいの方はより切実に、そうでない方は憧れとともに、大人も子どもも楽しめる絵本です。
通りに2軒ある、本屋さんにも注目ですよ!
本屋さんにもこっそり共感する、いどうほんやKOKOの店主なのでした。
***
『ゆき』
作:ユリ・シュルヴィッツ
訳:さくま ゆみこ
発行:あすなろ書房 1998年初版
おおきいツリー・ちいさいツリー
December 2, 2022
明日のイベント「ほんのひととき」では、小さな本のかたちのオーナメントを作る、ワークショップを行います。
初めてのワークショップでそわそわ緊張していますが、ぜひ参加していただけたら嬉しいです。
イベントでは、クリスマスの絵本もたくさん展示販売いたします。
クリスマスの絵本、たくさんあると迷ってしまいますよね。
例えば、サンタクロースが出てくるか出てこないか。有名な古典から新しい創作まで、お話によって、サンタクロース像もさまざまです。
もしもサンタさんで迷ったら、サンタさんの登場しないこちらの絵本はいかがでしょうか。
『おおきいツリーちいさいツリー』は、ウィロビーさんの大きなお屋敷に届けられた大きなクリスマスツリー(ちょっとだけ大きすぎたんです)が、ちょうどいい大きさになって巡り巡っていくお話です。
大きくても小さくても、家の中を暖かく彩ってくれるクリスマスツリー。
もし、ご自宅にクリスマスツリーがある方は、豆本オーナメントを作って飾ってみてくださいね。
もしかすると、サンタさんが読んでくれるかも!
***
『おおきいツリー・ちいさいツリー』
作:ロバート・バリー
訳:光吉 夏弥
発行:大日本図書 2000年初版
あさごはんのたね
December 4, 2022
本日のイベントで読む絵本をご紹介します。
「農業って楽しい!」を次世代を担う子どもたちに伝える活動を行っている、アグリバトンプロジェクトさんの『あさごはんのたね』
畑や田んぼの春夏秋冬が色彩豊かに描かれ、楽しいや嬉しいに溢れた絵本です。
普段なにげなくいただいているごはん。
ごはんは農家さんが一生懸命育てて……と教わって頭ではわかったつもりでも、実際にイメージするのはなかなか難しいものですよね。
それに、楽しさよりも苦労の方が、前面に出がちな気もします。
苦労があるから大切なわけではないのですよね。
(なんだか、子育てにも似ているかも)
なにごとも、“体験“はとても効果的だと思うのですが、実際の体験(例えばここでは、田植えや収穫など)が難しい時や、それを補いたいときなどに、絵本で体験する、または絵本を体験するという方法があることをぜひ頭の隅に記憶しておいてもらえたらなと、いつも思っています。
ただ、「これを読みましょう」「読むから聞きなさい」「何が大事かわかった?」なんて言ってしまっては、楽しい絵本もつまらなくなるので気をつけて!
絵本は、学びより遊びです。
楽しい絵本を楽しく読んで、歌って踊って、みんなで過ごした時間と空間が、心に残るすてきな思い出になったら、きっと何かの時に思い出してくれるかもしれない。
いやいや、そんな期待すらも、野暮かもしれません。
ただただ、楽しい時間になるように、今日は精一杯のお手伝いができたらいいなと思います。
『あさごはんのたね』、かわいいノベルティ付きで数冊入荷しています!
イベントに来られた際は、KOKOのブースに遊びに来てくださいね!
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『あさごはんのたね』
原案:アグリバトンプロジェクト
作・絵:小林 由季
発行:ニジノ絵本屋 2021年初版
モミの木
雪の女王
くるみ割り人形
December 7, 2022
12月も一週間がすぎ、クリスマスムードもだんだん高まってきていますね。
先日のクリスマスイベントでは、クリスマスに毎年絵本をプレゼントしているという方が複数いらっしゃいました。
クリスマスに絵本、いいですよね!
我が家では、クリスマスに「今年の一冊」を家族で紹介し合うブックトークをするのが恒例なのですが、クリスマスと本って、なんだかよく似合います。
さて今日は、クリスマスの贈り物に選んでみてほしい本をご紹介します。
本屋さんや雑貨屋さんで見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
布張りに箔押しの、ちょっと特別感のある装丁ながら、思わず手に取りたくなる絶妙なサイズ感で、飾っておきたくなる素敵な佇まい。
もちろん、素敵なのは見かけだけではありません。
『モミの木』『雪の女王』『くるみ割り人形』それぞれの物語は味わい深く、小宮由さんの訳による文章も素敵です。
その文章が綴られている文字の組み方やデザインにもこだわりが感じられ、マリメッコのデザイナーとしても活躍する、サンナ・アンヌッカさんによる絵をさらに引き立てています。
情報を詰め込みすぎましたが、とにかく素敵なのだと伝えたい!
さて、この素敵な本、誰に贈りましょう?
わたしがイメージするのは、例えばこんな方。
・おしゃれに敏感で、ちょっとイイものにも興味がある。
・子ども時代に後ろ髪をひかれながら、これから大人になろうとしている。
・もう子どもではないけれど、子どものような遊びごころをもっている。
・ゆっくり、自分の時間を味わいたい。
12日のブランチにて、ぜひ、お手にとってご覧ください。
贈りたい相手が、ふっと思い浮かぶかもしれません。
(もちろん、ご自身用にもぜひ!)
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『モミの木』
作:ハンス・クリスチャン・アンデルセン
絵:サンナ・アンヌッカ
訳:小宮 由
発行:アノニマ・スタジオ 2013年初版
『雪の女王』
作:ハンス・クリスチャン・アンデルセン
絵:サンナ・アンヌッカ
訳:小宮 由
発行:アノニマ・スタジオ 2015年初版
『くるみ割り人形』
作:E.T.Aホフマン
絵:サンナ・アンヌッカ
訳:小宮 由
発行:アノニマ・スタジオ 2018年初版
おたすけこびとのクリスマス
December 9, 2022
北海道の冬は雪が積もって地面が凍れるため、工事がぐんと減ります。
重機が大好きな子どもたち、さぞやがっかりするのではと思うかもしれませんが、いえいえ、冬には冬で、大活躍するのです。
それが除雪です。
工事車両は工事現場でしか見ることができませんが、除雪車両はいろいろなところを走っています。
でも、活動時間は主に夜なので、なかなかお目にかかれないかもしれません……。
夜に活動する重機が、ここにもありました。
『おたすけこびとのクリスマス』です。
こちらは、お目にかかれないどころか、絶対に見れられてはならない業務です!
何せ、サンタクロースからのご依頼なのですから。
おたすけこびとは、さまざまな重機を操って、日常のあんなことやこんなことを解決してくれる大人気のシリーズですが、面白いなあと思うのは、こびとが、子どもの世界だけの住人なのではなく、しっかり大人のお手伝いをしてくれる、大人の味方だというところです。
このかわいいおたすけこびとたちは、大人の心をがっちり掴んでいるのです!笑
こびとたちの表情や動きも、親近感や愛着を感じる一因かもしれません。
画家のコヨセジュンジさんが、子どものごっこ遊びの様子をイメージしながら描いたという、こびとたち一人ひとりの表情や行動、集団全体の様子などには、きっと子どもたちなら、自分もその中にいるような気持ちになるのではないかというリアルさがあります。
どれを読んでも、何度読んでも楽しめる、おたすけこびとシリーズ。
クリスマスには、『おたすけこびとのクリスマス』をぜひ読んでみてください。
本の見返し(表紙を開いたところ)の絵も、お見逃しなく!!
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『おたすけこびとのクリスマス』
作:なかがわ ちひろ
絵:コヨセ ジュンジ
発行:徳間書店 2009年初版
サンタさんのおとしもの
December 11, 2022
0、1歳の頃は、クリスマスやサンタさんにはほぼ無関心な子どもたち。
2、3歳ともなるとなんとなく理解しはじめて、クリスマスを少しずつ楽しみ始めますよね。
2、3歳というと、まだまだ長時間集中するのは難しいけれど、だんだんとストーリーも楽しむことができるようになる頃です。
集中できるときはストーリーも楽しめて、そうでもないときは、ぱらぱらとめくるだけでも楽しめる絵本はないかな?と、お探しの皆さんへ
三浦太郎さんの『サンタさんのおとしもの』はいかがでしょう。
無印良品さんとコラボされていますので、見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
学生時代はシルクスクリーンを学ばれていたという三浦さんが描く絵は、モダンでもあり可愛らしくもあり、シンプルでキャッチーな魅力があります。
この絵本、絵を見ているだけで、ストーリーが追えるというのも、いいなあと思うところです。
お子さんが小さいときは、「あ、女の子が何か見つけたね」なんて話しながら絵を楽しんで、少し大きくなったら文章も読んであげて、もっと大きくなったら、自分で読むことにも挑戦しやすい絵本です。
毎年毎年、子どもの成長や家族の変化に寄り添って、クリスマスの思い出の本になっていく様子が思い浮かびます。
それにしてもサンタさんって
なんだかおっちょこちょいなエピソードが多いと思いませんか?
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『サンタさんのおとしもの』
作:三浦 太郎
発行:あすなろ書房 2020年初版
さんかくサンタ
December 14, 2022
先日のブランチ札幌月寒での出店で、クリスマス前の出店は最後でした。
11月後半から12月にかけて、クリスマスの絵本をご紹介でき、たくさんの方に手に取っていただけて、とても嬉しいです。
実は、いどうほんやKOKOを始めたばかりの春には、冬になると活動はできないだろうと考えていたので、KOKOでクリスマスの絵本を紹介することはないのかもしれないと、寂しく思っていました。
それが、とてもとてもありがたいことに、冬の間も屋内での出店ができたり、クリスマスのイベントをさせていただいたり。
この季節に本をご紹介できることに感謝しています。
今日は、0歳からでも楽しめるクリスマス絵本をご紹介!
『さんかくサンタ』は、我が家でも長女が1歳の頃に買った、思い出の絵本です。
「さんさんさんかくさんかくサンタ」と始まり、さんかく、まる、しかくと、心地よいリズムでお話は進んでいきます。
言葉にリズムがあるので、それだけで赤ちゃんは楽しい!
節をつけなくても、読むだけで歌になります。
後半に、丸や三角や四角い顔がたくさん並ぶ、「みんなは なにを もらったの?」というページがあり、その次のページでは、それぞれがもらったプレゼントが並んでいるのですが、子どもは、ママやパパに似ている顔を探したり、次のページと行き来して見比べたりして遊びます。
そんなふうに、親子でコミュニケーションが取れる仕掛けがあるのも、楽しいですよ!
クリスマス前の出店はありませんが、ウキウキムードが続いているので、長らく休眠中だったBASEでのウェブショップをオープンしてみようかと準備しています。
今週中なら、クリスマスにも間に合います。
オープンしましたらお知らせしますので、覗いてみてくださいね。
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『さんかくサンタ』
作:tupera tupera
発行:絵本館 2011年初版
サラダでげんき
December 17, 2022
会いたかった人たちに会えた週末。
厳密にはちょこちょこと顔を合わせてはいたのですが、ゆっくりと話をしたのは半年ぶりくらいでした。
素敵なお店でおいしいご飯をいただきながら、お互いに変化のあった日々を振り返りつつ、他愛のない話をして、良き時間を過ごしました。
人に会うっていいなあ。話すっていいなあ。
そして、ご飯も美味しかったなあ!
いただいたのは、お洒落な発酵料理と、サラダ。
すっかり元気に(より元気に)なったわたしです。
さて、『サラダでげんき』は、病気のお母さんのために、りっちゃんがサラダを作ってあげるお話です。
りっちゃんがきゅうりやキャベツを切っていると、いろいろな動物たちがやってきて……
予想外のことが次々と起こる、楽しい絵本。
物語の最後、みんなのげんきいっぱいのポーズが大好きです!
絵本を読みながら、サラダを再現してみるのも楽しそう!
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『サラダでげんき』
作:角野 栄子
絵:長 新太
発行:福音館書店 1981年初版
うさぎちゃんとゆきだるま
December 22, 2022
みなさん、雪遊びは何が好きですか?
雪合戦、そりすべり、かまくら作り……
いろいろありますが、まずは、何はなくとも雪だるまを作りたくなってしまうという方、少なくないのではないでしょうか。
今年、初めて雪が積もった週の週末、玄関の前には、長女が友達と作った小さな雪だるまが二つ、並んでいました。
数年前には、本州に住む家族から、珍しく雪が降ったと、鉢植えに添えられた小人のような雪だるまの写真が送られてきたこともあります。
手でかき集めてやっと小さな雪玉ができるほどの少ない雪でも、かわいく作れるのが雪だるまです。
日本の雪だるまは、雪玉二つで作れるので、手軽で安定感があるのも良いですよね。
うさぎちゃんの世界にも、雪が降ったようです。
うさぎちゃんも、やっぱり、雪だるまを作ります。
こんなに静かで優しい、雪遊びの絵本があったのだと、何かと気忙しい毎日から一瞬解き放たれ、気持ちが凪いでいく気がします。
年末に向けて、お忙しい日々をお過ごしかと思いますが、ほんの数分、絵本の中に安らぐ時間を求めても良いかもしれません。
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『うさぎちゃんとゆきだるま』
文:あいはら ひろゆき
絵:あだち なみ
発行:教育画劇 2005年初版
はたらきもののじょせつしゃけいてぃーけいてぃー
December 25, 2022
みなさん、クリスマスはいかがお過ごしでしょうか。
今年のクリスマスは休日だったこともあり、ゆったりと過ごせました。
サンタさんのプレゼントをじっくり楽しむ余裕もなく、学校だ!仕事だ!早くー!!
と焦らずにすむのは、ほんとうにありがたいです。
ですが、この週末は、各地で雪が猛威を振るっています。
札幌では気温が上がったため、逆に雪が解けて、重くザクザクに。
車を出すのにひやひやしたという方も、少なくないのではないでしょうか。
確実に、厳しい冬に突入しています。
こんなとき、けいてぃーの活躍の物語を思わずにはいられません。
夏の間はブルドーザーとしても働くけいてぃーは、ちょっとやそっとの雪では出動しません。
とても力が強いので、ここぞという時に、満を辞して出動するのです。
その頼もしいことと言ったら!
物語には、登場人物が窮地に陥った際、この人が来れば大丈夫!という、絶対的なヒーローがしばしば登場して救ってくれることがありますが、けいてぃーはまさにそんな存在です。
けいてぃーがんばれ!さすがだけいてぃー!けいてぃーありがとう!!
こんなに強いのに、お茶目なお顔なのも、良いです。
隅々まで見逃せないバージニア・リー・バートンの絵も、ぜひお楽しみいただきたい一冊です。
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『はたらきもののじょせつしゃけいてぃー』
著:バージニア・リー・バートン
訳:いしい ももこ
発行:福音館書店 1978年初版
もうすぐおしょうがつ
December 29, 2022
もういくつ寝るとお正月♫
小さい頃、家の行事の中でも特に楽しみなもののひとつが、お正月の準備でした。
お正月の間いただくためのお餅をたくさんまるめて、つきたてのお餅をちょっとつまんで食べさせてもらったり。
お正月の飾りをしたり。
おせち料理を作って詰めたり。
特に、茶碗蒸しを作るのが楽しく、年を重ねるごとにお手伝いさせてもらえる仕事が増え、最終的には任せてもらえるようになったのが、とても嬉しかった記憶があります。
今思えば、一年の終わりに、自分の成長を実感する大事な時間だったなと思います。
『もうすぐおしょうがつ』には、とある時代のとある家族の、とある年末の様子が描かれています。
古き良き、と表現して良いのでしょうか。なんだか懐かしくてあたたかい、家族の暮らしの風景が、いっぱいに溢れています。
お正月の風習は、地域によっても、家庭によっても異なりますよね。
「うちと同じだね」とか「昔を思い出すなあ」なんて言いながら、家族みんなでワクワクを共有してみてはいかがでしょうか。
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『もうすぐおしょうがつ』
著:西村 繁男
発行:福音館書店 2010年初版
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