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雨の中の読書会/東京・初台オフ③2024.1.20 レポート

== 雨の中の読書会 == 
東京・初台オフ③2024.1.20 レポート
■ 場所:
「コズミックダイニング・ガイラ」(京王新線初台駅下車)
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131807/13009248/
■ 日程:2024年1月20日(土)18時~
■参加者:10名(男性6、女性4/初参加1)
(参加者)
〇フジイ 〇オシツオサレツ 〇アンドウ
〇まりこ 〇岡田誠 〇penguin-blue
〇ヨッシー 〇ハナモゲラ 〇エモリ
〇今村洋一(支配人)
======================

◆ 本の紹介


本の紹介については、下記アンケートを元にして、各自に書いてもらっています。

1.名前
2.紹介本
(1冊目/A面)
紹介本のタイトル 作者名 出版社
この本のアピールなど(あったら)
(2冊目/B面)
紹介本のタイトル 作者名 出版社
この本のアピールなど(あったら)
3.気になった本など
4.今回の読書会の感想など
5.その他、宣伝など

(注意)
最初に「自己紹介+1冊目」のメインとなる本の紹介を行いました。
少しのフリートークの後に「2冊目」の紹介をさらさらさらっと。
この読書会では、1冊目を「A面」、2冊目を「B面」と言ったりします。
昔のレコードみたいな感覚です。

◆(一人目)◆

1.
フジイ

2.
(1冊目/A面)
『やみ窓』角川書店 篠たまき
日常と怪異の交わり方が秀逸。作中で異界の者と物々交換する物のチョイスが個人的には大好きです。

(2冊目/B面)
『寄生リピート』清水カルマ ディスカヴァー・トゥエンティワン
2023年に『禁じられた遊び』というホラー小説が橋本環奈さん主演で映画化された作者の、また違ったタイプのホラー小説です。

3.
『ホームレス暴行死事件』が気になりました。

4.
久しぶりの開催でしたが、楽しかったです。また開催していただきたいです。

◆(二人目)◆

1.
オシツオサレツ

2.
(1冊目/A面)
『ガラシとクルピラ』 陣内すま/文 ヴァンペレーラ/絵 福音館書店刊(こどものとも年中向き、1992年3月)
子どもの時に印象深く、買い直した本その1です。
絵がとても魅力的です。

(2冊目/B面)
『ギョレメ村でじゅうたんを織る』 新藤悦子/写真・文 西山晶/絵 /福音館書店刊(月刊たくさんのふしぎ1993年9月号)
子どもの時に印象深く、買い直した本その2です。
もっと深く知りたいので、いつかこれの元となった?子ども向けのダイジェストでないと思われる本『エツコとハリメ』も読みたいです。

3.
エモリさんが紹介されていた『雲南の妻』気になります。

4.
今回も本の話が尽きず、3時間半があっという間でした。餃子がおいしかったです。

5.
noteで拙い文章を書いています。よかったら、『安野ニツカ』という名前で検索して見てください。

◆(三人目)◆

1.
アンドウ

2.
江戸一新 門井慶喜
老中松平信綱の明暦の大火後の、復興、まちづくりのアプローチが興味深いです。

B面
霧のむこうに住みたい 須賀敦子
イタリアの庶民的な日常のエッセイ。心を沈めたいときに読みたい。

3.
中華料理の本が面白そうでした。

4.
とても楽しかったです。
次回の温泉オフ会が楽しみです。

◆(四人目)◆

1.
今村洋一

2.
(1冊目/A面)
『優雅なハリネズミ』ミュリエル・バルベリ(著)河村真紀子(訳) 早川書房
静かに、淡々と、おだやかな気持ちで読んだ一冊。本が好きな人、芸術や猫や犬の好きな人にとっては、特にお薦めです。
フランスのアパルトマン管理人の女性と、住人である12歳の少女が主人公。芸術に触れることが、いかに生きていくことに大切か、みたいなある意味でわかりにくい、繊細な部分が、とてもいい感じで読める。そして、この本の背景にあるのは、日本愛!! 世界的なミリオンセラーとなっているのに、日本ではあまり知られていない、というところも興味深いです。

(2冊目/B面)
『一九八四年〔新訳版〕』ジョージ・オーウェル(著)トマス・ピンチョン(解説)高橋和久(訳) ハヤカワepi文庫
やっと読んだ有名なディストピア小説。面白かった。全く古さを感じさせない。2024年の世界を見渡しても、リアルに読ませてくれる。

(おまけ)
雑誌『ポンプ おしゃべりマガジン』(創刊0号)1979年1月1日発行 編集人=橘川幸夫
雑誌『ポンプ おしゃべりマガジン』(創刊号)1979年3月1日発行 編集人=橘川幸夫
SNSでこの読書会のメンバーが『ポンプ』に投稿していた、ということを知り、家の本棚から持ってきた。現在のSNSの原点となるような、知る人ぞ知る“まぼろし”の雑誌。
本の紹介の場で雑誌なのでルール違反でごめんなさい。

3.
『江戸一新』『中華料理の文化史』『中国料理の世界史』『ホームレス暴行死事件』『雲南の妻』『人生はそれでも続く』
他にも興味深い本が多かったです。

4.
久しぶりの「コズミックダイニング・ガイラ」さんでの読書会を行うことができた、ということが何よりも嬉しかったです。
楽しく、美味しい、最高の時間でした。

5.
ホテル雅叙園東京「百段階段」で開催されているイベントの宣伝をさせていただきました。
『千年雛めぐり 百段雛まつり2024 平安から現代へ受け継ぐ想い』
会期:2024年1月20日(土)~3月10日(日)

◆(五人目)◆

1.
まりこ

2.
(1冊目/A面)
河北新報のいちばん長い日
河北新報社/文春文庫
仙台に本社を置く新聞社の東日本大震災の中、新聞を届けることを諦めなかった奮闘記

(2冊目/B面)
川の名前
川端裕人/ハヤカワ文庫
小学生3人が夏休みの自由研究で近くの川を調べ始める。川原で見つけた足跡をたどるとペンギンがいた!?子供たちそれぞれが悩みぶつかり成長する物語。大人にも通じるものがあります。


箱庭図書館
乙一/集英社文庫
一般公募作品のボツ作品を作者がリメイクした短編集。冬の描写が印象的なのでこの時期に。

Bar追分
伊吹有喜/ハルキ文庫
新宿追分の横丁の奥。昼は「バール追分」、夜は「バー追分」。人生の分岐点で、人々が立ち止まる場所。読書会に重ねて美味しい食事の描写が印象的な1冊を。

3.
ホームレス暴行死事件
ずっと気になっていたノンフィクション作品でまさかの作者本人登場だったため

4.
まさかの本人登場と本を頂いたことに世間が狭いのか、思いがそれを引き寄せるのかと驚きました。
エモリさんが変わらずにパワフルで素敵だなと思いました。

5.
今村さん、またまた雅叙園のチケットいただきまして有難うございました。2月のどこかの土曜朝イチで旦那と一緒に観に行こうと思います。今度こそ着物で。

◆(六人目)◆

1.
岡田誠

2.
A面
『すらすら読める養生訓』〈講談社α文庫〉
B面
『すらすら読める風姿花伝』〈講談社α文庫〉

『すらすら読める養生訓』は、医学史専門の立川昭二氏の解説による、東洋医学の再発見の意義がよくわかります。現代にも通じる免疫力の高め方を教えてくれる江戸時代のベストセラーです。

『すらすら読める風姿花伝』は、自らも能の舞台に立つ林望の解説によるもので、「初心忘るべからず」「秘すれば花」など、世阿弥の子孫への奥義の数々がやすく示されています。門外不出にしていたこともあり、公開は明治以降でしたが着実に愛読者を増やしています。

3.
中華料理の本や永井路子氏の本が非常に気になりました。興味の対象が多岐に渡り、興味深く拝聴させていただきました。

4.
さまざまな分野の本の紹介がなされ、視野が広がりました。次回も楽しみにしております。

◆(七人目)◆

1.
penguin-blue

2.
(1冊目/A面)
悪霊列伝・続悪霊列伝 永井路子 新潮文庫 
永井路子の歴史エッセイの中でも傑作だと思います。これに影響を受けた私としては「光る君へ」を観ながらも(いや、そんな明るい時代じゃなくてもっと薄暗い闇の世界だろ。)という印象から逃れられません。

(2冊目/B面)  
短編画廊 絵から生まれた17の物語 ハーパーBOOKS
エドワード・ホッパーのそれぞれ違う絵をテーマに創り出された短編集。ホッパーの絵そのものに独特のインパクトがあってこれだけの作家陣を引き付けるのも納得。
恐るべき太陽 ミシェル ビュッシ 集英社文庫
高名な作家が太平洋の島で開いた特別小説セミナーでの連続殺人。「トリック」がすごいです。

3.
人生はそれでも続く  中華料理の文化史 その他たくさん。読み直そう、と思った作品、作家も多数。

4.
今回のオフ会の感想など 自分がすでに知っている作家や物事の話でも世界が広がるような気がします。しみじみと楽しかったです。ご飯もお酒も美味しかったです。

5.
やっぱり温泉オフ行きたいなあ。

◆(八人目)◆

1.
ヨッシー

2.
1冊目=「わが大地のうた」笠木透著(あけび書房)/日本初の大規模な野外音楽フェスを企画した著者のエッセイ。歌い継がれてきた歌の生まれた背景が分かって興味深い。

2冊目=「ホームレス暴行死事件~少年たちはなぜ殺してしまったのか」吉田俊一著(新風舎)/「普通の子」による残虐な事件が起きた要因を家庭、学校、地域への取材から解きほぐし、少年事件の闇に迫った。

3.
「江戸一新」「河北新報の一番長い日」「中華料理の文化史」「寄生リピート」「川の名前」「人生はそれでも続く」

4.
ピンチヒッターで初めて参加させていただきましたが、さまざまな本の世界を知り、とても楽しめました。昔のフォークソングをかけていきなり滑りましたが、温かく受け止めていただき、ありがとうございました。

◆(九人目)◆

1.
ハナモゲラ

2.
(1冊目/A面)
円 劉慈欣短篇集 作者名: 劉慈欣 出版社: 早川書房
世界に名を轟かすSF作家の想像力の壮大さと緻密さ、テーマのバリエーションの広さを堪能できる短編集です。

(2冊目/B面)
中華料理の文化史 作者名: 張競 出版社: 筑摩書房
中国4000年の歴史と言うだけあって、長い時間の間に中華料理はずいぶん変化して来たことが分かります。
遊牧民やシルクロードなどによる外からの影響、中国人自身の好みの変化、さらに中国の王朝交代の歴史にも大きく影響を受けていて、歴史好きな人にもお勧めです。

中国料理の世界史 作者名: 岩間一弘 出版社: 慶應義塾大学出版会
中華料理がどのように世界に広まって、それぞれの地域でどう変化したかと言うことがわかる一方で、世界各地に移住した華僑が結構酷い目にあっているようで。中華料理が世界各地に根付いて国民食になっていく背景に移民問題が透けて見えて、なかなか奥が深いです。

3.
江戸一新

4.
ひさびさに読書会に参加できて楽しかったです。今村さん的に東京で開催するのはなかなか大変かと思いますが、また機会があれば参加します。

◆(十人目)◆

1.
エモリ

2.
【A面】「雲南の妻」/講談社/村田喜代子
舞台は70年代だろうか。雲南省に駐在する商社マンの妻と、同性婚の風習を持つ少数民族出身で、夫の通訳兼秘書の女性が惹かれ合う。茶の買い付けに役立つからと夫を説き伏せ、2人は結婚。奇妙な3人暮らしが始まる。女同士が協力し合い、知恵と工夫で回す生活は、合理的かつ温かい。同種とつながるゆったりとした居心地のよさが伝わってくる。「結婚」という(大多数は)異種との毎日が、何やら不可思議にすら思えてしまう「生」と「性」の物語。読了後、上質の中国茶を味わったような深い余韻が残る。

【B面】「人生はそれでも続く」/新潮社/読売新聞社会部「あれから」取材班
赤ちゃんポストに預けられた男児、姿を現したゴースト作曲家、日本で初めて飛び級入学をした学生ー。瞬間を切り取る「報道」という行為で一躍、もしくは図らずも、日本中から注目された「あの人」たち。 22人の「その後」を社会部の若手記者らが長期取材、丁寧に聞き出した。「表層的な『あの人はいま』を書く気は、毛頭ない」。一人一人の記事から、そんな熱量が伝わってくる。

3.
気になった本は、「やみ窓」「すらすら読める養生訓」「優雅なハリネズミ」など。

4.
皆さんとお会いできてうれしかったです。
盛況のうちに読書会終了→帰宅後の内省「次こそは、落ち着いて静かに…」。相変わらずで、すみません。
友人と共に雅叙園で、てまり作品を鑑賞するひとときを楽しみにしています。


★ いろいろな語らい

★3時間半の語らい

18時から開始した読書会は、約3時間半ほどとなった。「コズミックダイニング・ガイラ」さんには、本当に感謝。ありがとうございました。
いつも思うことではあるが、「あっという間に過ぎていった時間」というのが感想だ。
本の紹介という時間が中心ではあるが、それ以外の語らいの時間が楽しい。

ちなみに、この時にスマホにて撮った写真は、292枚。全ての写真を見ようとする人はいないだろうなぁと思ったりはするけれど(笑)。

★日本酒の美味しさ

今回、2名の方から日本酒の差し入れがありました。
ありがとうございます。嬉しい。
全体的に、この読書会では日本酒が好まれるようだ。

過去に行った「米沢温泉オフ」でも当然のように日本酒を飲んでいた。
「読書会には日本酒が似合う」と、そんなことを思うのだった。

★温泉オフの話

この「雨の中の読書会」では、一年に一度「米沢温泉オフ」というのを行おう、ということになっている。まあ、主催者の地元のところで行いましょうという単純な理由なんですが(笑)。
温泉オフに参加してくれていた方から次のような感想をもらって、ふむふむ、なるほど、という気持ちになった。やっぱり温泉オフは、読書会の理想かもしれない。

「行き帰りの新幹線などで話をする時間が多く、参加者とより親しくなることができた」
「温泉オフでは、まったりの時間がいい」

居酒屋で行う読書会では、3時間くらいがある意味で限界となる(今回は3時間半ほど滞在させてもらったが)。それと比べると、宿泊しての温泉オフというのは、圧倒的に時間が長い。しかも、何もしない、まったりとした時間も確かに多い。話をしなければ!みたいに焦る必要は全くない。ゆっくりと自然に、ついつい良い意味での本音、自分の心の奥の方にある、その本への想いのようなものを語れるのかもしれない。

「米沢」という地名は入れているが、この枠は取っ払って、山形県・福島県・宮城県・新潟県も含め、近郊の温泉地を巡っていきたいとも思っている。

「読書会には温泉が似合う」と、そんなことを思うのだった。

★A面よりもB面が面白い?

若い人は知らないみたいなのだが(笑)、かつてレコードというものが存在した。レコードには、シングルとアルバムがあり、流行りの曲はシングルレコードとなっていた。レコードは表面と裏面があることで、B面と呼ばれる裏面には、名もない曲が入っていた。
しかし、意外と流行り曲よりも、B面となる曲が良かったりすることもあった。

今回の読書会では、「1回目の本の紹介」と「2回目の本の紹介」と、2巡する方式を取った。改めて面白いなぁと思ったのは、2回目の紹介、つまりはB面として紹介された本が興味深いのだ。あまり力を入れない本、と言えるのかもしれない。本の紹介というのは、不思議なもので、力を入れた「この本が面白い!この本を読め!」みたいな本よりも、静かに、鞄の片隅から出す2冊目の方が心に響くのかもしれない。不思議なものである。

★初参加でも大丈夫です

今回の読書会で嬉しかったのは、初参加の方がいたことでした。
なんと、メンバーの仕事関係の方。主催者としては、こういう紹介というのは、嬉しいものです。何だか、とっても信用されているみたいな。
そういえば、過去にも、こうした紹介はありました。「仕事先で昼休みにひとりで本を読んでいる人に声を掛けてみた」なんて感じで、常連メンバーになった方がいたり(笑)。

人の集まりですから、それなりの傾向みたいなものは、できるかもしれません。しかし、読書をより幅の広いものとしていく意味でも、美味しいお酒と料理に出会うという意味でも(ええと、お酒飲めない人でも大丈夫ですよ)、初めての方に参加していただくことは、とても大切なことだと考えています。ありがとうございました。

◤本と酒の風景◢(PHOTO)


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